関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)4位以内のチームが獲得する全日本学生選手権(インカレ)のシード権獲得に向け、負けられない戦いが続くワセダ。第7節の相手は、現時点で単独首位に立つ国士館大だ。前節の日体大戦では36得点とオフェンスが本領を発揮…
関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)4位以内のチームが獲得する全日本学生選手権(インカレ)のシード権獲得に向け、負けられない戦いが続くワセダ。第7節の相手は、現時点で単独首位に立つ国士館大だ。前節の日体大戦では36得点とオフェンスが本領を発揮したが、きょうは硬いディフェンスが光る。対策してきたボールへの寄りが上手くはまり後半をたったの6失点に抑え込むと、相手が焦れる間に連続得点で突き放し勝利。理想的な試合運びを演じ、秋季リーグ3勝目を収めた。
前半は文字通り一進一退の攻防。速攻やミスから点が動くことはあまりなく、セットオフェンスから1点を取り合っていった。こうした中でも、小畠夕輝(スポ4=岡山・総社)や山﨑純平(社4=岩手・不来方)のミドル、三輪颯馬(スポ4=愛知)の交代ラインを利用したパスカットなど、好プレーは多かったといえよう。しかし、国士館大も味方が退場する間にパワープレーから得点するなど、まったく引き下がらず、地力のあるチーム同士の白熱したせめぎ合いが続いた。23分には、国士館大に7メートルスローをしずめられるとワセダが退場を被る間に速攻を決められ初めて2点のビハインドを許す。しかし、宮國義志(社3=沖縄・浦添)や三輪が鮮やかなパス回しからゴールを挙げ、すぐに追いつくことに成功した。両チームとも好機をうかがいながら我慢する展開が30分間変わらず、前半は12-12で終了。勝負の行方は後半に持ち越されることとなった。
ゴールを決め、三輪(左)とハイタッチを交わす宮國(右)
後半立ち上がり、国士館大に先制点を許すと、ワセダのパッシブプレーを起点に速攻を受ける。決まれば再び2点差となり、流れを与えかねないシーンだったが、ここを守護神羽諸大雅(スポ3=千葉・市川)がファインセーブでしのいだ。するとここからワセダが鉄壁のディフェンスを披露する。「足が動いていて、ボールに密集することができていた」と小畠が話すように、CP6人が連動した動きでシュートチャンスをつぶしていった。相手が得点できない時間帯もワセダのオフェンスは健在だ。「練習の時から5―1ディフェンスを意識したオフェンスを徹底的に練習していた」(宮國)。後半10分以降はこの5-1ディフェンスをほぼ完璧に攻略。フローター陣のミドルシュートを中心にみるみる点差を広げた。ゴールを決める度、相手オフェンスを止める度に、相手の心をへし折るような盛り上がりを見せたワセダのベンチや応援席。この秋でも一番の歓声とそれに応える『堅守速攻』で相手を確実に凌駕(りょうが)し、25-18で重要な一戦をものにした。
後半わずか6失点のディフェンスが大きな勝因だ
ワセダはこれで秋季リーグ3連勝。初勝利を挙げた法大戦以降、後半の試合運びが見違えるように改善されている。また、ベンチや応援席の盛り上がりも点差に関わらず上り調子で、全員で戦う『ワセダらしさ』も蘇ってきているだろう。リーグ全体に目を向けると、全チームが少なくとも2敗は喫し混戦を極めている。ワセダは6位に位置しているが、4位との勝ち点の差は1のみで十分に射程圏内だ。もちろん、他大学の結果に関係なく、残り2戦を勝ちにいく以外の選択肢はない。秋季リーグを5連勝で締めくくりインカレをさらに良い流れで迎えたい。
(記事 小松純也、写真 宅森咲子 林大貴)
関東学生秋季リーグ | ||||
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早大 | 25 | 12-12 13-6 | 18 | 国士館大 |
GK 羽諸大雅(スポ3=千葉・市川) LW 三輪颯馬(スポ4=愛知) LB 小畠夕輝(スポ4=岡山・総社) PV 高橋拓也(人4=群馬・富岡) CB 山﨑純平(社4=岩手・不来方) RB 伊舎堂博武(社4=沖縄・興南) RW 清原秀介(商3=東京・早実) |
星取表(9月29日現在) | ||||||||||||||
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早大 | 筑波大 | 中大 | 日体大 | 国士館大 | 法大 | 日大 | 明大 | 東海大 | 立大 | |||||
6位 | 早大 | * | 36○29 | 25○18 | 26○22 | 23●30 | 23△23 | 21●23 | 25●32 | |||||
1位 | 筑波大 | * | 34○22 | 24●29 | 35○25 | 24●25 | 22○19 | 33○19 | 39○22 | |||||
7位 | 中大 | 22●34 | * | 24○21 | 25○20 | 30○25 | 20●23 | 22●27 | 22●23 | |||||
4位 | 日体大 | 29●36 | 29○24 | 21●24 | * | 29●30 | 26○25 | 38○28 | 33○30 | |||||
2位 | 国士館大 | 18●25 | 30○29 | * | 28○24 | 33○24 | 27●31 | 23○18 | 30○27 | |||||
10位 | 法大 | 22●26 | 25●35 | 20●25 | 24●28 | * | 23●32 | 24●25 | 28○26 | |||||
3位 | 日大 | 30○23 | 25○24 | 25●30 | 24●33 | 32○23 | * | 35○31 | 31○30 | |||||
5位 | 明大 | 23△23 | 19●22 | 23○20 | 25●26 | 31○27 | 25○24 | * | 22△22 | |||||
8位 | 東海大 | 23○21 | 19●33 | 27○22 | 28●38 | 18●23 | 31●35 | 22△22 | * | |||||
9位 | 立大 | 32○25 | 22●39 | 23○22 | 30●33 | 27●30 | 26●28 | 30●31 | * |
コメント
山﨑純平主将(社4=岩手・不来方)
――重要な試合での勝利でした。感想をお願いします
前週の2連戦がすごく良い流れできていたので、その流れを止めないどころか自分たちの流れでさらにいい試合をできたので良かったと思います。
――後半6失点に抑えられましたディフェンスが良かったと思います
自分たちで試合が始まる前に、とにかくボールへ寄るという練習をこの一週間やってきて。前半はあまりできなかったですけど、後半シューターに対してボール寄りができていて、ボール寄りとコミュニケーションが一番の勝因かなと思います。
――攻撃はミドルシュートが印象的でした
みんな上から結構打てていたんですけど。みんなディフェンスの特徴をしっかり捉えて、下にフェイントを待っていたので上から打てていて良かったと思います。
――首位チームに勝利した意味は大きいですか
国士館大が首位ですけど、自分たちのやることをやったら負ける相手ではないと思っていたので、1位のチームから勝ち点を取れたのは来週の試合にもつながると思います。
――これで3連勝となりました。来週2試合へ意気込みをお願いします
このリーグで悪い流れからスタートして良い流れになってきて、さらに自分たちが進化するためには、きょうの後半のディフェンス時間を集中してもっと継続させるなど、集中力やコミュニケーション力がインカレに向けては必要になってくると思うので1週間さらにレベルアップしてインカレに弾みつけられるような試合にしたいと思います。
宮國義志(社3=沖縄・浦添)
――リーグ首位の国士舘大を下しました。この勝利は大きいですね
最初の4戦負けていて、なかなか勝ちきれない状態が続いていたんですけど、ここ最近チーム状態も練習から良くなってきていたので、それが今の3連勝につながっていると思います。だからこのまま気を抜かずに残り2戦も勝って、まだインカレ(全日本学生選手権)シード権獲得のチャンスもあると思うので、それを目指してチームで頑張っていきたいです。
――国士舘大戦に向けてどのような準備をしてきましたか
相手は5―1ディフェンスが得意なチームだったので、それをいかに攻略できるかというのは今回の試合のポイントでした。練習の時から5―1ディフェンスを意識したオフェンスを徹底的に練習していたので、それがきょうの試合でも良い感じでつながったんじゃないかなと思います。後は、後半6点しか取られてないと思うんですけど、ディフェンスでみんな足が動いていたし、勝負所で羽諸(大雅、スポ3=千葉・市川)もしっかり止めてくれたので流れに乗ることができたと思います。
――後半は特に良い流れでしたが、ハーフタイムでどのような話があったのでしょうか
前半は相手もうちも12―12で、ディフェンスはそんなにやられていないということだったので、継続してディフェンスからやっていこうという感じでした。
――今オフェンス面に関して思うことはありますか
フローターで純平さん(山﨑主将、社4=岩手・不来方)や小畠さん(夕輝、スポ4=岡山・総社)のようなロングシューターがいるので、自分はいかにその人たちに気持ちよくプレーさせるかだと思います。あとは逆側の博武先輩(伊舎堂副将、社4=沖縄・興南)はパスなども上手なので2人で打開できるようにやっていこうということは自分でも意識しています。
――次戦に向けて一言お願いします
次は中大、筑波大と強敵ぞろいなんですけど、自分たちのプレーをしたら絶対勝てると思うので、どうにか2連勝してインカレのシード権をつかんで良い形でつなげられればいいと思います。
小畠夕輝(スポ4=岡山・総社)
――首位の国士館大が相手でしたが、どういった対策で臨みましたか
いつも通り、ビデオを見て、特徴をつかんで。利き手側を意識して守るというチームとしての決まりごとをつくって、それが後半のディフェンスではまったかなという感じです。
――後半のディフェンス面を具体的に振り返っていかがですか
利き手側を守れたっていうことがまず大きいですし、点差が開いていてもフォローとかがすごく早かったのかなと。足が動いていて、ボールに密集することができていたのかなと思います。
――きょうのご自身のパフォーマンスはいかがでしたか
前半はキーパーにバチバチ当てちゃった部分が大きくて。後半は遠い間合いから打ってみたりしてちょっとリズムを変えて入るようになりましたけど、近い間合いからのシュートが課題として見つかったかなと思います。だんだんリーグの最初の方よりは調子は上がってきているとは思うんですけど、まだまだ上げられるんじゃないかなと思います。
――秋リーグ全体で苦しんでいた後半の試合運びですが、きょうは会心の出来だったように思えます
リーグ序盤の方は後半の立ち上がりがすごく悪いイメージがあったんですけど、きょうは思ったよりも足が動いていて、声も出ていたので盛り上がれて。練習から盛り上がる部分というのは増えてきたんですけど、みんな気持ちというか、モチベーションが上がりつつあると思うので、個々の心の持ち方とか、モチベーション、意気込みっていうのがだんだん高まっていると思います。
――応援の歓声もきょうは一際大きかったですね
保護者の方がすごく熱い応援をしてくださるので、すごくありがたいですし、自分たちも乗っていけるのだと思います。
――きょうの勝利で3連勝となりましたが、チームの状態としてはいかがでしょうか
チームの状態は上がっていて、それだけに序盤がもったいなかったなと思います。今やれば序盤の試合も勝てたんじゃないかなと思うぐらい、チームがガラッと変わっているイメージがあります。
――チームが変わってきた要因というのはどこにあると感じていますか
負けが込んでいるときに、チーム全体でミーティングもしっかりしてきましたし、心というか、気持ちの面で変えていこうって一人一人がちゃんと思って、それを試合だけではなくて練習からどんどん改善できているっていうのが、そこ一個一個の積み重ねが今の結果につながっているのかなと思います。
――今後もリーグ戦は続きますが、意気込みのほどをお願いします
最後の2戦しっかり勝って、とりあえずシード権内っていうのを目標に頑張っていきたいと思います。