ブンデスリーが第5節、ドルトムントがニュルンベルクを7-0の大差で下した。先週のチャンピオンズリーグ(CL)はブル…

 ブンデスリーが第5節、ドルトムントがニュルンベルクを7-0の大差で下した。先週のチャンピオンズリーグ(CL)はブルージュに1-0で辛勝、週末のホッフェンハイム戦も何とか1-1に追いつく展開と、苦戦が続いた後の大勝だった。



大勝したニュルンベルク戦の後半62分から出場した香川真司

 ルシアン・ファブレ監督は「2-0としたところで安心できた。その後も大量に得点できてすばらしい試合になった」と胸を張った。ホームで7-0というスコアで勝ったのは奇しくも1986年9月26日以来、ちょうど32年ぶりのことらしい。

 86分まで出場したニュルンベルクの久保裕也は責任を感じながら、目線を次に向けていた。

「切り替えます。僕もチャンスが2、3本ありましたし、そこを決めていたら個人的にも変わっていたかなと思います」

 その久保について、香川真司はベタ褒めした。

「裕也、非常によかったですね。見ていた感じ、(ニュルンベルクは)裕也のチームだと思う。セットプレーも彼のところに(ボールが)来る。もちろんチーム事情は大変だと思うけど、アピールしたら次が見えてくると思う。厳しい環境ではあるけど、結果を残せばさらに上を目指せると思うので。さっきも『ドイツに来られて本当によかった』という話もしていた。今日は(大敗したが)、こういう日もあると。でも、本当に楽しそうだったので、これからじゃないですか」

 試合後、2人はユニフォームを交換していた。「久保のほうから求められたのか?」と質問されると、「もちろん!(笑) うそ、うそ。リスペクトですよ、お互いの(笑)」と、先輩感を漂わせた。

 その香川は、すでに4-0となっていた62分から交代で出場した。「1点獲りたかったのでは?」と尋ねると、「まあ、大差だったので別に。まあ、獲りたかったですけどね、もちろん」と、正直に認めた。

 とはいえ、出場機会が巡ってこなかった時期とは違い、その様子は落ち着いている。そして新監督のもと、新加入選手も多いなかで、ここまで決して安定した戦いぶりとはいえないチームに冷静な目線を向ける。

「チームは決してうまくいっているとは思わないです。もちろん、初めからうまくいくのも難しい話。監督が代わって、選手もかなり入れ替わって、最初はうまくいかないのは当然です。だから、それをうまく修正しながら、忍耐強くやる必要がある。今日、こういう大差で勝ったことは、次につながる非常に大きな勝利ですし、これを自信にして次に向かいたい。1試合1試合、うまく戦い続けて成長し続けなきゃいけない。まだまだ先は長いと思うので、忍耐強くやってく必要があると思います」

 FWにも攻撃的MFにも新旧多くの選手がひしめくドルトムントで、自分の課題については明確に分析している。

「今日、僕はあらためてマルコ・ロイスを尊敬しました。やはりボールは(自分に入るよりも)もっと彼には入るし、そしてそれを、どんな形であれ(得点を)決める。『なるほどな』と感じさせるものが非常にある。信頼を得るには、こういうところで結果を残すことももちろんですけど、自分の得意なもの、形を周囲にどれだけ示せるか。

 新しい選手も入ったなかで、(誰が主力か)わからないところもある。それをもっと貪欲に奪い取っていかないと。チームのなかのひとりとして、チームのために戦うという考えは、ある意味、捨てていかないと、こういうチームではポジションをとれないと思う。平凡でよければそういう考えがいいのかもしれないですけど、勝ち残っていくにはそういうところを貪欲にやっていかないと。今日も得点は取れたでしょうね」

 香川が「平凡でよければそれでいいのかもしれないが……」などという表現をするのは珍しい。そこにドルトムントで生き残ってきたことへの自負と、置かれている立場の厳しさがにじむ。

「得点は取れたでしょうね」と言ったのは何を指すのか、明確なシーンがある。88分、ユリアン・ヴァイグルが決めた7点目。左からジェイドン・サンチョが速いクロスを入れたのだが、その前の局面で、香川はゴール前へ、ヴァイグルはややマイナスの位置へと走りこんだ。サンチョは、ゴールエリア内でフリーになった香川ではなく、ペナルティーエリア付近のヴァイグルを選択した。

「(そのシーンでパスが欲しかったのでは?と問われ)そうですね。そういうことでしょうね。味方が(パスを)出したいと思わせるようにするには、結果もそうですけど、主張することもそうですし、練習から貪欲に表現していかないと。そこは非常に大事だと思いますけど」

 一時は移籍の話もあり、「なかなか集中し切ることが難しい時期もあった」と、香川は明かす。だが、今はドルトムントでプレーすることに集中できる状況になった。

「これからは(自分に)厳しくやっていきたい」と言う香川。まだ新加入の選手たちに負けるわけにはいかない。巻き返しはここからだ。