現地時間6月30日18時5分(日本時間7月1日8時5分)、レイモンド・シャポー・グランド・ソーントン・パークでのオタワ・チャンピオンズ3連戦最終戦。■前日の試合で連敗ストップ、そして19戦目は9回逆転で勝利 現地時間6月30日18時5分(日…

現地時間6月30日18時5分(日本時間7月1日8時5分)、レイモンド・シャポー・グランド・ソーントン・パークでのオタワ・チャンピオンズ3連戦最終戦。

■前日の試合で連敗ストップ、そして19戦目は9回逆転で勝利

 現地時間6月30日18時5分(日本時間7月1日8時5分)、レイモンド・シャポー・グランド・ソーントン・パークでのオタワ・チャンピオンズ3連戦最終戦。同時に長きに渡ったキャンナムリーグでの戦いもこの19戦目が最終戦となる。一塁側ベンチ上で和太鼓や阿波踊り、さらに日の丸の扇子を振って熱烈な応援を繰り広げる応援団の皆さんに「四国代表・日本代表」の誇りを勝利で分かち合いたいところだ。

 6連敗を食い止めた昨日の試合後には「これで呪縛が解けたと思う。あと2試合なんとかしたいね」と意気込んだ中島輝士監督。この日は指揮官の言葉通り、初回から「四国アイランドリーグplus ALL STARS」の「KABUKI SPIRITS!」が発揮される。

 まず四ツ谷良輔がいきなり左翼へ二塁打。続く林敬宏も二塁内野安打で四ツ谷が生還。愛媛マンダリンパイレーツコンビの鮮やかなコンビネーションでカブキJAPANは早くも先制の1点をあげると、2回表も左中間を深々と破る三塁打を放った6番・河田直人(高知ファイティングドッグス)を1死から8番・垂井佑樹(徳島インディゴソックス)が左犠飛で迎え入れ2点目を加えた。

 さらに5回表には2死から四ツ谷が四球を選ぶと、牽制をもらった直後にすかさず二盗を成功。林は動揺を隠せない相手投手の甘いボールを逃さずフルスイング。打球は一直線にライトフェンスの向こうにある漆黒の闇に消えていった。5回で4得点。打線はここにきて完全に息を吹き返した。

 先発の松本英明(高知ファイティングドッグス)もよく粘った。ボールが走らず5回までに7安打を浴びる苦しいマウンドながら、失点は2回裏の1点のみ。球数と時間を費やしても、ホームだけには還さない創意工夫は後期にも必ず活きることだろう。

 ただ、6回裏からマウンドに上がった2番手・四戸洋明(愛媛マンダリンパイレーツ)は殻を破れなかった。先発1回1/3でKOされた現地時間6月22日のケベック・キャピタルズ戦に続き制球が定まらず、1死二塁の場面のピンチを残して3番手のバレット・フィリップス(高知ファイティングドッグス)に交代した。

■昨年の6勝10敗を上回る8勝11敗でキャンナムリーグ終了

 結局、この6回裏は3点を失い試合を振り出しに戻されると、7回は無難に抑えた4番手・木下雄介(徳島インディゴソックス)も8回裏には2死二塁から勝ち越し適時打を喫してしまった。

 このまま「四国アイランドリーグplus ALL STARS」はキャンナムリーグの戦いを終えるのか。いや、終われない。終われるわけがない。ここで逆転してこそ「カブキJAPAN」。そして想いは現実となった。

 9回表。5番の小義弘(徳島インディゴソックス)が気迫の中前打で反撃ののろしを上げると、犠打の後、7番・古川也(愛媛マンダリンパイレーツ)が同点中前打。さらに1死一、三塁から9番・平間隼人(徳島インディゴソックス)は冷静に流し打って左前への逆転タイムリー。そのとき、一塁側の応援団とベンチは腕を突き上げて1つになった。

 最後は平良成(高知ファイティングドッグス)が冷静に3人を凡打で仕留め、6-5。「四国アイランドリーグplus ALL STARS」はオタワ・チャンピオンズ3連戦を2勝1敗で勝ち越し。キャンナムリーグでの19試合は昨年の6勝(10敗)を上回る、通算8勝11敗で終了。2日後の親善試合・キューバ代表へこれ以上ない弾みとなった。

 ついに迎える北米遠征千秋楽。最終戦となるキューバ代表との対戦は、現地時間7月2日18時(日本時間3日7時)からカナダ・ケベック州のトロワリヴェールのスタッド・フェルナンド・ベタールで行われる。「KABUKI SPIRITS!」の集大成を見せるのはまさにこの時。キューバ代表を相手に白星獲得を成し遂げることができれば「カブキJAPAN」の「傾く(かぶく)」は日本野球の歴史すらも変える「大偉業」に変わる。

四国アイランドリーグplus ALL STARS
110 020 002 | 6
010 003 010 | 5
オタワ・チャンピオンズ

四国アイランドリーグplus ALL STARS:松本、四戸、バレット・フィリップス、木下、平良ー垂井、古川大、鶴田
オタワ・チャンピオンズ:Galbraith、Perez、WilsonーGrauer

■中島監督「こういう形で終われたのは『○』。『天晴れ』」

◯中島輝士監督
「キャンナムリーグ最終戦でこのようなナイスゲームができたことは、僕自身うれしいですし、選手をほめてあげたいと思います。最後まで『あきらめない。なんとかしよう!』 という気持ちがチーム全員にあったので、勝ち切ることができた。こういう形で終われたのは『○』ですよ。『天晴れ』ですよ。キューバ戦は小刻みな投手リレーを考えています。みんなにそういう雰囲気を味わってほしいし。そのなかで、なんとか勝ちに結び付けたいと思います」

◯小林義弘内野手(徳島IS)
「(1点ビハインドの9回先頭打者で中前打、同点のホームを踏む)その前の3打席は全部、凡打していたんですけど、そんなにズレたような凡打ではなかったし、嫌な感じで打席に入ったわけじゃなかった。ですので、追い込まれても付いていく意識で打席に向かいました。『(ストライクとボールの)見極めをしっかり』っていうことだけを考えて、とにかく塁に出ることだけ考えていました」

◯古川敬也外野手(愛媛MP)
「(9回表に同点打)負傷も癒えて昨日から試合に出してもらっているし、みんなも疲労がたまっているところとかある。だから自分が一番チームに貢献できるように全力でやろうと考えていました。自分のなかでは仕事ができたかなと思っています」

◯林敬宏外野手(愛媛MP)
「(5回表1号2ラン)昨日ぐらいからいい感触がありました。加えて平間(隼人・徳島インディゴソックス)が2ストライクからでもしぶといバッティングしているので、昨夜『どんなふうに立っているんや?』と立ち位置について聞いて、今日は実際にそれをやってみました。(本塁打は)追い込まれてからでしたけど、それもあってうまく反応できたと思います」

◯平間隼人内野手(徳島IS)
「(9回表勝ち越しの左前適時打を含む2安打)勝ち越し打の場面は1死一、三塁だったので、とりあえずゴロを打っておけば自分の足でゲッツーを崩したら1点入ると考えました。あの場面では三振が一番ダメなので、つまってセカンドゴロでも打てば勝てると思っていました。林(敬宏・愛媛マンダリンパイレーツ)さんには昨夜、僕の打っているスタイル『上から被せること』と、スタンスのことを話したんです。今日の試合が終わって、林さんが『きれいに打てた』って言ってくれたんで、よかったですね」

◯平良成投手(高知FD)
「(キャンナムリーグ最終戦で最終回を抑え4セーブ目)今日はキャンナムリーグ公式戦最後の試合で勝ちたいっていうのは、みんな一緒だったと思います。ここまで延長続きだったので、今日は9回裏のマウンドでも嫌な感じもしなかったですし、自分自身も『勝って終わりたい』という思いが増しました。普通は2ストライクに追い込んでから『三振が獲りたいな』と思うんですけど、相手が早打ちな部分もあったので、今日は別に力むこともなかったです。キューバ戦は投げる機会があるかどうかわからないですけど、もし投げる機会があれば、本当の北米遠征の集大成、最高のパフォーマンスを発揮できればなと思います」

(記事提供:独立リーグドットコム)

【了】

独立リーグドットコム編集部●文