◆平成30年度東京六大学野球秋季リーグ戦◆   9月23日 対早大2回戦 明治神宮野球場   2回戦 1 2 3 4 …

◆平成30年度東京六大学野球秋季リーグ戦◆
  9月23日 対早大2回戦 明治神宮野球場

 

2回戦

10

1x

(早)今西、●早川-岸本
(立)川端健、〇中川-藤野

 

六大学野球秋季リーグ対早大2回戦の幕切れは、予想だにしない劇的なものだった。昨日の敗戦により、今カード勝ち点獲得に後がなくなった立大。先発の川端健(コ1=秀岳館)が9回を零封する完璧なピッチングを披露し、ゲームを作った。打撃陣は相手投手陣を前にこう着状態が続いたが、10回表から途中出場した江藤(済3=東海大菅生)の一振りが沈黙を破ると同時に、試合を終わらせた。

立大が誇る最強ルーキーが、秋の神宮球場で躍動した。負けられない1戦のマウンドを任されたのは若き左腕・川端健。カットボールを中心としたハイテンポなピッチングで、初回から早大打線を翻弄した。真価が問われたのは9回二死1,2塁の場面。「三振を狙いにいった」。頼れる先輩・藤野(営3=川越東)のサインに一瞬の迷いもなくうなずく。キャッチャーミットめがけて思いきり腕を振った。渾身のスライダーがバットにかするはずもない。空振り三振。思わず、吠えた。普段あまり感情を表に出さない彼も、「まあ人間なんで」。大学入学後、川端健が9イニングを投げ切るのは今回が初。「9回を無失点で抑えるのはピッチャーとしてベストなピッチング」。今後の秋季リーグ戦。優勝に向けて、彼がキーマンとなるのは間違いないだろう。
 

スーパープレイで会場を沸かせた。7回表二死1、3塁。早大の代打重田(3年=佐賀西)の鋭い打球が内野の頭を超え、先制点は奪われた、かに思われた。ミートの瞬間笠井(済3=桐蔭学園)は「(グローブの)先っぽだ」と直感。追ううちに直感は「捕れる」という確信に変わった。タイミングを見計らって、思いっきり地面を蹴る。ボールは吸い込まれるようにグローブに納まった。超スーパーキャッチに会場からは拍手喝采。絶体絶命の窮地からチームを救った。

 

10回裏に、ドラマは待っていた。その回の表から途中出場した江藤。打席に向かう前、「俺が決めて終わらせるわ」とチームメイトに“サヨナラホームラン”を宣言した。得点板に並ぶ19個もの0を前に、力強くバッターボックスを踏みしめる。不調から夏季オープン戦の最後にスタメンを外された江藤は「悔しい気持ちを」バットに乗せた。早大2番手早川(2年=木更津総合)の投じた2球目、内角スライダーをフルスイング。ジャストミートした打球の勢いが止まることはなく、そのままライトスタンドへ。江藤は右腕を高々と突き上げた。立大の選手も、会場も両手を高々と突き上げた。普段あまり誉めてくれない溝口監督からも「ありがとう、助かった」と声を掛けられた。今日の結果から明日スタメン復帰も考えられる江藤。「最高の準備をして明日に臨みます」。“サヨナラ男”に明日も期待大だ。

 

接戦を勝ち取れたことは大きい。今日のサヨナラ勝利には、昨春優勝時の雰囲気と重なるものがある。最後まで粘り強く戦い続ける姿勢は、後々の結果に繋がっていくだろう。早大との決着は明日、13時30分からである。優勝に向け、勝ち点は簡単に譲らない。

 

(9月23日・合田拓斗)

 


◆コメント◆
リードオフマンとしてマルチ安打を含む3度の出塁を果たした種田#1
「(今日の二塁打に関して)上手く反応できて、感覚はよかったです。ただ、チームとしては守りの面で三者凡退が1イニングもなかったので、その面での流れの悪さがありました。それでも、リーグ戦なので負けることもあると思って、なんとか勝ち点1を取れるように明日明後日と強く気持ちを持って頑張ります。」 

本日先発投手の田中誠#18
「相手に攻略されたというのが、率直な感想です。自分の持ち味が出せていないというか、出そうとしてもうまくいきません。(小島投手は)圧巻でしたね。終盤でも全く球威が落ちていないと感じました。(明日以降について)川端が頑張ると思うので、3戦目の準備をしっかりしたいと思います。」 

正捕手として本日4投手をリードした藤野#27
「今日は小島さんのピッチングがよかったですし、その中で守備のリズムを作れずに、ついていけなかったというのが反省点です。優勝するためには明日の一戦は取って、勝ち点をとって、月曜に繋げないといけないので、明日はチーム一丸となって、いい流れを作って試合をやりたいと思います。」

 

 

選手名

学年

出身校

打数

安打

打点

(中)

種田 真大

営4

大垣日大

(右)

松﨑 健造

文4

横浜

(一)

 飯迫 恵士

社4

神戸国際大附

(左)

三井 健右

コ2

大阪桐蔭

(捕)

藤野 隼大

営3

川越東

(二)

峯本 匠

コ4

大阪桐蔭

0

打二

林田 景太

観4

島原

(三)

伊藤 智也

コ2

高田

(遊)

笠井 皓介

済3

桐蔭学園

(投)

田中 誠也

コ3

大阪桐蔭

江口 奨理

営3

浦和学院

手塚 周

コ3

福島

荒井 智也

コ2

佼成学園

比屋根 雅也

営2

興南

 計

 

 

 

30

 

 

 

 

立大メンバー表

11

江口

浦和学院

16

宮崎

県相模原

18

田中誠

大阪桐蔭

19

手塚

福島

15

中川

桐光学園

22

比屋根

興南

21

川端

秀岳館

12

田崎

長崎西

27

藤野

川越東

24

竹葉

龍谷大平安

飯迫

神戸国際大附

林田

島原

14

峯本

大阪桐蔭

37

伊藤智

高田

江藤

東海大菅生

25

林中

敦賀気比

13

笠井

桐蔭学園

20

寺嶋

東農大二

種田

大垣日大

井上

履正社

寺山

神戸国際大附

10

松﨑

横浜

三井

大阪桐蔭

29

荒井

佼成学園

36

太田英

智弁学園

     
 


 

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