今日7月2日、第98回夏の甲子園の西東京大会が開幕する。清宮幸太郎を擁し、2年連続の甲子園出場を目指す早稲田実業は今年、ノーシードからの戦い。勝ち進んでいけば、明大明治や都立日野、国士舘ら力のある高校と対戦する可能性のある厳しいブロックに入…

今日7月2日、第98回夏の甲子園の西東京大会が開幕する。清宮幸太郎を擁し、2年連続の甲子園出場を目指す早稲田実業は今年、ノーシードからの戦い。勝ち進んでいけば、明大明治や都立日野、国士舘ら力のある高校と対戦する可能性のある厳しいブロックに入った。

■今日2日開幕の西東京大会、清宮のライバルが力に変える昨夏の記憶

 今日7月2日、第98回夏の甲子園の西東京大会が開幕する。清宮幸太郎を擁し、2年連続の甲子園出場を目指す早稲田実業は今年、ノーシードからの戦い。勝ち進んでいけば、明大明治や都立日野、国士舘ら力のある高校と対戦する可能性のある厳しいブロックに入った。

 今年は東海大菅生や日大三らシード校が戦力を整えており、頂点に近い存在といえそうだ。しかし、高校野球は何が起こるかわからない。昨夏の西東京決勝戦・東海大菅生対早稲田実業。外野席も埋まるほどの観衆3万4000人が集まった。8回まで5-0とリードしていた東海大菅生だったが、早稲田実業に一気、8得点を奪われ、逆転負けした。異様な空気、球場の熱気が伝統校の早稲田実を後押しするように大歓声が響いていた。

 昨年、決勝で敗れた東海大菅生の若林弘泰監督は「今年の3年生は昨年の悔しさを忘れてはいない。だから、空気に飲まれることはもうないと思います」と話しており、強い気持ちで今年の戦いに挑む。昨年も主軸だった伊藤壮汰投手を中心に投打にバランスの取れたチームを作りあげた。エースの伊藤は闘志を前面に出す右ピッチャー。「気持ちの面では絶対に負けないです。今年は絶対に優勝して甲子園に行きたいです。もし、また早実と対戦し、清宮に投げるならばインコースをどんどん攻めていくつもりです」と話す。

 昨夏、準決勝で早実に敗れたのは全国制覇の経験もある日大三だった。プロ注目の坂倉将吾捕手が、小谷野ら投手陣をどのようにリードできるかが、今年の勝ち上がる鍵となりそうだ。

■清宮弱点分析も「克服しているようにも見える」

 坂倉も昨年の負けた悔しさを忘れてはいない。外野手だったが、今年は捕手。映像で清宮の弱点を探している。

「弱いと思っていたところを見つけたんですが、最近のニュースやデータを見ると克服しているようにも見えます。でも、彼1人と試合をするわけではないので、全体の打者を見て勝負していきたい」と高校通算50号を放つなど、成長を続ける大砲をどのように料理するか、常に頭で描いている。

 坂倉も昨年の決勝戦の様子を鮮明に覚えている。「球場全体が早実の空気になったことはわかりました」と雰囲気が試合の流れを作るということをその試合から学んだ。「だから、僕は絶対に逃げません。清宮もそうですが、四球で歩かせたりしたり、向こうの空気になる」と球場全体を敵に回し、やりづらくなると予測。「打たれたくないですけど、打たれたっていい。前に走者を出さないことを心がけていきたいと思います」と対策を練っていく。

 歓喜と悲哀が渦巻いた昨夏の決勝戦の大逆転劇。2年生だった伊藤や坂倉らの中には強烈な印象として残り、教訓となっている。まだ彼らの耳には1年前の余韻が残っている。先輩たちの悔しさを晴らし、自分たちが輝くための夏が始まる。