イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の第4日。 2日間の雨のあと、木曜日はようやく上空に太陽が現れ、すべてのコートで試合が可能となリ、ついに1回戦を終えるこ…

 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の第4日。

 2日間の雨のあと、木曜日はようやく上空に太陽が現れ、すべてのコートで試合が可能となリ、ついに1回戦を終えることができた。

 いくつもの番狂わせがあった中、最大の驚きは全仏オープン優勝のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)が2回戦で敗退したことだろう。

 昨年のウィンブルドンで、キャリア初のグランドスラム決勝にたどり着いた世界2位のムグルッサは、約1ヵ月前に自身初のグランドスラム・タイトルを獲得したばかりだった。彼女は大会4日目までに敗れた18人のシードプレーヤーのうちのひとりで、18人のうち11人が女子プレーヤーだった。

 2回戦のその試合で自らが認めたとおり無気力だったムグルッサは、彼女の持ち味のはずの自信に満ちたショットや活力をまったく見せることなく、1時間にも満たない戦いの末に、予選を勝ち上がった世界ランキング124位のヤナ・セペロバ(スロバキア)に3-6 2-6で敗れた。

「エネルギーが沸いてこなかった。やろうと努力はしたけど、まったくうまくいかなかった」とムグルッサは言った。

 22本のアンフォーストエラーをおかし、ウィナーはわずか9本。疲れていた上に体調も万全ではなく、ほとんど病気と言えるほどだったという。全仏オープンでセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を倒すというクライマックスを迎えたが、戦った2週間でへとへとに疲れ、十分な休みをとりたかったが、とれなかったというのが実際のようだ。

 グランドスラム優勝者としてウィンブルドンにやってきたことで、プレッシャーがあったのかと聞かれたムグルッサは、「プレッシャーはなかったけれど、多くの人の期待は大きかったと思う。グランドスラムを制したあとだと、みんなの視線を感じるのよ。厳しい大会だったことは確か」と言った。

ヤナ・セペロバ(スロバキア)

 ムグルッサに勝った23歳のセペロバにとっては、グランドスラムの3回戦進出はこれまでで最高の成績ではあるが、これが彼女が挙げた最初の重要な成績というわけではない。セペロバは昨年のウィンブルドン1回戦でシモナ・ハレプ(ルーマニア)を破り、2014年のチャールストンでは、セレナを破っている。

 「大きなコートでプレーするのが好きなの」とセペロバ。

 ムグルッサと同じように、大会を去ることになった選手たちはほかにもたくさんいる。その中には、雨で延期された1回戦で不覚をとった第31シードのクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)、そして2回戦で躓いた、第7シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)、第14シードのサマンサ・ストーサー(オーストラリア)、第15シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)、第16シードのジョハナ・コンタ(イギリス)、第17シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)、第20シードのサラ・エラーニ(イタリア)、第22シードのエレナ・ヤンコビッチ(セルビア)、第30シードのカロリーヌ・ガルシア(フランス)、第32シードのアンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)らがいる。

 この敗者のグループには、グランドスラム優勝者のムグルッサやストーサーもいれば、同ファイナリストのエラーニやヤンコビッチ、1984年以来、シードがついた最初のイギリス人選手のコンタ(コンタは2014年準優勝のユージェニー・ブシャールに敗退)、トップ10選手の19歳、ベンチッチ(ベンチッチは予選勝者のジュリア・ボサーアップにリードを奪われているときに、左手首の故障のため途中棄権)らもいた。

 もう少しでこのグループに加わりかけたのが、2012年準優勝で第3シードのアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)だ。彼女は3つのマッチポイントをしのいだあと、対戦相手の18歳、アナ・コニュ(クロアチア)が誤ってテニスボールを踏んで、足首をひねってしまった。それは第3セット7-7で起き、コニュはメディカル・タイムアウトのあともプレーを続けはしたが、ラドバンスカが6-2 4-6 9-7でなんとか試合を終えた。

 一方男子では、7人のシード選手が2回戦で敗退した。第8シードのドミニク・ティーム(オーストリア)、第13シードのダビド・フェレール(スペイン)、第16シードのジル・シモン(フランス)、第23シードのイボ・カルロビッチ(クロアチア)、フルセットの接戦で最終セットの最後から数えて2ポイント目の判定を不服とし、審判を激しく非難した第25シードのビクトル・トロイツキ(セルビア)、第26シードのブノワ・ペール(フランス)、第30シードのアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)だ。(C)AP