<プロフィール>
・名前:小田 泰成(おだ・たいせい)
・所属:東京大学教養学部
・出身高校:開成高校
・自身のスポーツ歴:中学バレーボール、高校バレーボール(高1で辞めました)

<一問一答>

①何故、大学で新聞会(新聞部)に入ろうと思ったのですか?

高1でバレーボール部を辞めて以来、スポーツに負い目のようなものを感じていました。かといって運動神経があるわけではないので、大学でスポーツをする気にはなれず……。「スポーツをやらずにスポーツと関わるには、スポーツの記事を書くしかないな」と思い込んでいたのが、入部の一つの理由ではあります。
それよりさらに大きい理由としては、昔から報道にぼんやりと興味があった、ということが挙げられます。入部してからは、当初の自分の想定よりはるかに、新聞部の活動に没頭してしまいました。こう考えていくと、やっぱり新聞部に入ったのは運命だったのかもしれません。

②今までの取材活動を通じて一番楽しいと感じたのはどんな時ですか?

全部の競技でそうなのですが、東大が格上の相手に勝利した時でしょうか。もちろん相手が格上でなくても、勝利の味は格別です。勝つべき相手にきっちり勝ちきることの難しさは、歴史が物語っています。ただ東大はスポーツ推薦など、運動に秀でた学生をスカウトする制度がありません。一人一人のスキルなどは、どうしても他大学に見劣りしてしまう場合もあるでしょう。それでも日々の練習に加え、相手の弱点を分析したり、チームワークを徹底したりすることで、その戦力差を埋めようと努力しています。その努力の結晶が勝利という形で現れる時、思わずこみ上げるものがありますね。

③取材していて、ハマった競技はなんですか?

これも、取材した競技には全部ハマってしまったのですが……(笑)。

一つ例を挙げるならアメフトでしょうか。実際にフィールドに降りて、選手と同じ目線で撮影すると、それまで観客席からフィールドを見下ろしていた時とは全く違う世界がそこにはありました。声を掛け合う選手たちや、慌ただしく動くマネージャーたち。選手が目の前を走り抜ければ汗のにおいが辺りを漂いますし、時には目の前にボールが飛んでくることも。

こうした臨場感を味わうことで、選手と同じ時間・空間を共有しているという意識が強まり、その競技への愛着がわくことにつながるのだと思います。

④CAT事業を通じて、学生アスリートのどんな一面を見て欲しいですか?

いろいろありますが、一つだけ挙げるとすれば時間の使い方です。

大学生はよく、自由な時間が豊富、と形容されます。一方で実際には学業など、学生として最低限取り組まなければいけないタスクもあります。全員が全員、職業としてスポーツに専念しているプロの世界とは、そこが大きく異なる点です。

その上で、課外活動に位置付けられるスポーツに、どのように時間を割くか。プロアスリートを目指してその競技に極力専念する人や、学業を最優先しつつスポーツにも一生懸命取り組む人……。時間の使い方から、その人の生き方や考え方が垣間見える気がします。

⑤あなたが思う大学スポーツの魅力はなんだと思いますか?

偉そうな物言いになってしまうのですが、学生アスリートの成長を感じられる点ではないでしょうか。

大学生は子どもと大人の狭間で揺れ動く、微妙な存在です。高校生までと比べ、自由な時間はぐっと増えた。かといって、社会人ほど自立しているわけでもない。もちろん成人してしまえば世間的には「大人」として扱われるわけですが、まだまだ未熟な部分も多いのが実情でしょう。

そんな彼らがスポーツを通じて、自分の中に揺るがない何かを確立していく。その過程に、我々は思わず惹かれてしまうのだと思います。

(取材日:2018年8月30日)