愛知啓成高から関西学院大では中軸も打ち、エディオン愛工大OBブリッツを経て、今季から愛媛マンダリンパイレーツに入団した24歳・林敬宏外野手はすべてにおいて「思いっきり」で日々の戦いに挑んでいる。■今季から愛媛マンダリンパイレーツに加入した2…

愛知啓成高から関西学院大では中軸も打ち、エディオン愛工大OBブリッツを経て、今季から愛媛マンダリンパイレーツに入団した24歳・林敬宏外野手はすべてにおいて「思いっきり」で日々の戦いに挑んでいる。

■今季から愛媛マンダリンパイレーツに加入した24歳

 左打席で上体をかがめ、173センチ、83キロの身体を振り切り、強い打球を飛ばす。愛知啓成高から関西学院大では中軸も打ち、エディオン愛工大OBブリッツを経て、今季から愛媛マンダリンパイレーツに入団した24歳・林敬宏外野手はすべてにおいて「思いっきり」で日々の戦いに挑んでいる。

 では、今回の北米遠征で彼は「思いっきり振る」をどのように発展させ、目指す場所に到達しようとしているのだろうか?

――北米遠征も16試合(現地時間6月26日現在)が終了。ここまで67打数12安打の林敬宏外野手ですが、上位打線で起用される中で遠征序盤は数多くのヒットが出ました。そこからヒットがでない状況もありますが、まず現状分析はどうですか?

「キャンナムリーグの打者を見ていても思うことですが、僕のプレースタイルとしても強く振れないと魅力がない。そして最初はボールに合わせる中でたまたま安打が出ていただけです。その後は相手投手のレベルも上がってきて、ヒットが出なくなっています。ボールに詰まった時に手に残る『痛み』が違いますね」

――外野守備でフライなどを追っていても、相手の「スイングの強さ」は感じますか?

「日本とは断然違います。四国アイランドリーグplusではザック(コルビー・高知ファイティングドッグス)が打席に入った時にサードのような準備をするんですが、この北米遠征ではそれをずっと続けています。思いっきり振って詰まった外野フライはボールが揺れるんです。しっかり芯に当たっている打球はきれいに回転がかかっているので捕球しやすいんです。が、詰まった打球は、ドライブしながら芯に当たった打球は、そんな感じになる。NPBでは同様の打球もあると思うので、そこを考えればいい経験になっています。

――そんな身長2メートル近い外国人選手がひしめく中にあっても、173センチの林敬宏外野手は同じような打球を飛ばしている。新しい価値観を作る「KABUKI SPIRITS!」的要素もそこに含まれていると思います。

「そうですね。実際には出せていませんが、長打にもこだわりたい。まずはヒットを出す過程の上で『振って出す』。その結果、詰まっても、少々バットの芯からズレていてもヒットになる。そうなるように強く振りたいです。その上で芯に当たれば長打になる。そうありたいです」

■目標は「最終的に打率3割に」

――ところで、海外での試合経験は今までありますか? 今回、心配はありました?

「海外は子どものころに観光でハワイに行ったくらい。長期間の海外ははじめてです。ただ、今回は1人ではないので……。とはいえ、食事は最初こそ大丈夫と思っていたのですが、だんだんご飯が恋しくなってきました。父が『白いご飯が好き』と言っていることの意味がこれまで分からなかったのですが、今になってよくわかります(笑)。ですから、ホームステイ先で日本食や弁当もだしてくれた日本人ホストファミリーの皆さんは本当にありがたかったです。納豆まで出してくださったときは涙が出ました」

――野球に話を戻しましょう。四国アイランドリーグplus1年目の林敬宏外野手、シーズンが終わった時にどんな成績を残したいですか?

「最終的に打率3割に(前期成績は115打数30安打1本塁打。12打点・盗塁3で打率.261)乗せたいという目標はあります。そして『あれだけ振って3割』という印象を残して、長打も加えたい。先ほど話したように、振ってくる打者は外野手にとっても脅威です。また、キャンナムリーグでは内野のダイヤモンド内も芝になっているので、強い打球でないとヒットが出ないんです。より振ることが必要だと思います」

――では最後に、自分の特徴「思いっきり振る」を生かしたうえで、NPBへの目標到達へ向けた力強い意気込みを。

「『思いっきり振る、投げる、走る』はすべて一瞬のスピード感が大事、爆発力を出せるように変えていくトレーニングを続けながら、そこを後期までに一度仕上げていくようにしたいと思います」

<あとがき>
 北米遠征に行かなければ、ひょっとして気づかなかったかもしれない。上の世界に行く上で破らなければいけない壁。その壁を破ることをむしろ楽しみとしている林敬宏外野手の「思いっきり」理論は、後期四国の地でも必ず進化していくはず。9月、そして10月での「2016年・完成形」が今から楽しみでならない。

(記事提供:独立リーグドットコム)

独立リーグドットコム編集部●文