マーリンズのイチロー外野手が好調を維持している。打率.342という数字はもちろん、米国内では.417というハイレベルな出塁率にも称賛の声が上がっている。■出塁率.417は262安打の04年を上回る成績、リードオフマンとして完璧な仕事? マー…

マーリンズのイチロー外野手が好調を維持している。打率.342という数字はもちろん、米国内では.417というハイレベルな出塁率にも称賛の声が上がっている。

■出塁率.417は262安打の04年を上回る成績、リードオフマンとして完璧な仕事?

 マーリンズのイチロー外野手が好調を維持している。先月15日(日本時間16日)のパドレス戦で日米通算4257安打目を放ち、ピート・ローズのメジャー最多安打を上回って“世界一”に。その後も順調に安打を積み重ねており、メジャー通算2988安打で、史上30人目の3000安打へ残り12本。打率.342という数字はもちろん、米国内では.417というハイレベルな出塁率にも称賛の声が上がっている。

 今季、四球のペースが上がっていることは、数字を見れば明らかだ。昨年の438打席31四球(約14.1打席に1四球)から、今季は176打席20四球(8.8打席に1四球)へと向上。22日(同23日)の本拠地ブレーブス戦では、試合を中継する地元テレビ局「FOXスポーツ・フロリダ」の解説者であるマーリンズOBのジェフ・コーナイン氏が四球増加について触れ、「ボールをよく見るようになった」と指摘している。

 出塁率.417は、262安打でシーズン最多安打記録を塗り替え、打率.372と打ちまくった04年の.414を上回る数字。6月は14試合に先発しているが、その全てが1番での出場。月間出塁率は.456とさらに数字を上げてきており、リードオフマンとしての役割を完璧にこなしている。

■メジャーで評価基準の1つとされるBB/Kはリーグトップの数値

 さらに特筆すべきは、メジャーで評価基準の1つとされるBB/K(四球数÷三振数)の数値だ。イチローは三振数も昨季の398打数51三振(7.8打数で1三振)から、今季は155打数12三振(12.9打数で1三振)と大幅に数字が向上し、BB/Kは29日(同30日)時点で1.67。イチローのキャリアハイは2002年の1.10(ア・リーグ6位)で、キャリア平均は0.61となっている。

 規定打席に到達している選手とは大幅に打席数が違うため、単純比較は出来ないが、1.67はナ・リーグ全選手で今季最高の数値。2位は昨季のリーグMVPで、5月8日(同9日)のカブス戦で1試合6四球のメジャー最多記録をマークしたブライス・ハーパー外野手(ナショナルズ)の1.23となっている。同じように単純比較は出来ないが、規定打席到達者の出塁率1位はポール・ゴールドシュミットの.428で、イチローの.414は2位のマット・カーペンター(カージナルス)の.418に迫る数字だ。

 今季はローズ超え、そしてメジャー通算3000安打と金字塔達成が続くため、1本1本のヒットに大きな注目が集まっているが、各打席のクオリティーは極めて高い。昨季からの“V字回復”には米メディアも注目しているが、出塁率、そしてBB/Kの向上は、42歳のイチローが見せる「進化」の証と言えそうだ。