ようやく長い長いトンネルを抜け出した。6連敗・4試合連続サヨナラ負けで精神的にも深いダメージを負っていた「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。その負の連鎖を自らの力で切り拓いた。■連敗を6で止め、通算勝利は7勝11敗に よう…

ようやく長い長いトンネルを抜け出した。6連敗・4試合連続サヨナラ負けで精神的にも深いダメージを負っていた「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。その負の連鎖を自らの力で切り拓いた。

■連敗を6で止め、通算勝利は7勝11敗に

 ようやく長い長いトンネルを抜け出した。6連敗・4試合連続サヨナラ負けで精神的にも深いダメージを負っていた「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。その負の連鎖を自らの力で切り拓いた。

 現地時間6月29日19時05分(日本時間6月30日8時5分)レイモンド・シャポー・グランド・ソーントン・パークでのオタワ・チャンピオンズ3連戦2戦目。ベンチがまずは既成概念を打ち砕きにいく、先発マウンドに登ったのは、北米遠征のみならず香川オリーブガイナーズでも5月以降は中継ぎ登板が続いていた間曽晃平。先発型としてもクオリティピッチングができる間曽の安定感に、連敗脱出を託した形となった。

 難しい調整を強いられた間曽。しかし彼は5回までその期待に応えんと、ストレート、変化球をコントロール良く投げ分け熱投を続ける。3回裏に無死二、三塁のピンチから左前適時打を浴び、2点の先制を許し、4回裏も1死から三塁打と安打で3点目を失うも、リズムよく要所は締めていく。

 打線では故障からの復帰組が輝いた。4回表、2死から復帰後スタメン2試合目となった6番・河田直人(高知ファイティングドッグス)が二塁打を打つと、これも故障から復帰し初スタメンとなった古川敬也(愛媛マンダリンパイレーツ)が三塁の失策を誘う当たりを放ち1点を返す。

 さらに1-3で迎えた6回表には1死二、三塁から5番・小林義弘(徳島インディゴソックス)の左前適時打で2-3と1点差。そして続く河田は内よりきた変化球を捉え、右前適時打で同点に追いつく。回復時間が限られる連戦・移動サイクルの中、懸命なケアを続ける只川宏(香川オリーブガイナーズ)、伊藤和明(愛媛マンダリンパイレーツ)両トレーナーに、河田は最高の恩返しを果たした。

■昨季の勝ち星を上回った四国IL選抜

 かくして幾多の困難を乗り越えた「KABUKI SPIRITS!」を体現する者たちにより3-3の同点とした「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。そしてチームは1つになる。

 6回裏1死二、三塁で間曽からマウンドを引き継いだ佐藤宏樹(愛媛マンダリンパイレーツ)は連続三振でピンチを脱出し、2回3分の2を無失点リリーフ。9回裏からは岸本淳希(香川オリーブガイナーズ)が踏ん張り、試合は延長戦、さらに無死二塁からスタートするタイブレークの延長11回表に突入する。

 10回表には1死満塁の絶好機を逃したカブキJAPANだが、このチャンスを逃すわけにはいかない。犠打と四球で得た1死一、三塁から佐藤・岸本を好リードしていた8番・鶴田都貴(愛媛マンダリンパイレーツ)が執念のニゴロの間に、勝ち越しに成功。そして3イニング目のマウンドとなった岸本は1死三塁を気迫で抑えこむ。

 待ち望んでいたマウンド上のハイタッチ。8日ぶりの勝利は6連敗を止め、通算勝利は7勝11敗。昨年の6勝10敗をついに勝ち数で上回った。「みんなが一所懸命やった結果、今日勝てたことが本当に喜ばしい」(中島輝士監督)。まさに粘り勝ちである。

 さあ、残りは泣いても笑っても2試合のみ。キューバ代表との一大決戦への最終準備を整えにいく。

四国アイランドリーグplus ALL STARS
000 102 000 01 4
002 100 000 00 3
オタワ・チャンピオンズ

四国アイランドリーグplus ALL STARS:間曽、佐藤、岸本-垂井、鶴田
オタワ・チャンピオンズ:Chrismon, Moeller-Grauer

■中島監督「これで呪縛が解けた」

○中島輝士監督

「みんなが一所懸命やった結果、今日勝てたことが本当に喜ばしいことだと思う。精一杯のことをやって負けていましたけど、これで呪縛が解けたと思う。あと2試合なんとかしたいね。今日はミスも目立った。ミスがなければ延長になるようなゲームじゃなかったんだけど、それでも間曽(晃平・香川オリーブガイナーズ)と佐藤(宏樹・愛媛マンダリンパイレーツ)がよく投げたし、岸本(宥希・香川オリーブガイナーズ)も3イニングをタイブレークを含めてしっかり抑えてくれた。今日はこの3人がしっかり守り抜いてくれた。
それとツル(鶴田都貴・愛媛マンダリンパイレーツ)のリードも途中から、ものすごく佐藤と岸本をいい形で引き出してくれたので、良かったと思います」

○佐藤宏樹投手(愛媛MP)

「ツル(鶴田都貴・愛媛マンダリンパイレーツ)さんと一緒に組むのは聞いていたので、リードの通りに。ただただ、腕を振りました。ランナーを背負っている。同点に追いついた後とかいろいろ状況はありましたが、余計なことは考えられないので目の前のバッターを三振に取る。空振りを取る、厳しいボールを投げることだけを心がけて、サイン通りに腕振ることしか考えてなかったです。最後の回(8回裏)に関しては、点を取られなくってラッキーだったなって感じです。それまではしっかり腕が振れて、いいところに投げられていたんですけど、打たれたヒットも全部、空振り狙ったのが抜けて。最後もスライダーがポンと浮いて、たまたまショートフライになった。そこはホントに運が良かったなっていう感じでした。ツルさんからも『この回をしっかり。抜けることが多いから』と言われたんですが、そこをしっかり投げ切ることができなかったのは課題ですね」

○鶴田都貴捕手(愛媛MP)

「(6回表一死二・三塁のピンチで途中出場)最初から苦しい場面だったので、腹を決めて『行くしかないな』と。0点で守り切るのは本当に難しいことなんですけど、それができるように最善の策を練りながらやった結果として『0』を並べられたのはすごく良かったです。昨日である程度はオタワ・チャンピオンズ打線の対応は分かったので。『こいつ、こんな感じ』というイメージはできていました。『打たれたら、しゃあないな』と開き直る反面、『いける!』って部分も半分はありました」

○岸本淳希投手(香川OG)

「昨日はそこで出たかったって気持ちが非常に強かったんですが、投げることができなかった。そこで今日、また一緒の流れが来たなかで起用して頂いたので、1イニングずつ抑えて行こうと全力で投げた結果が良かったと思います。9回裏の最初はちょっと力みすぎて修正できなかったかな。でも(11回裏は)ここで点取られたら、また振り出しに戻るなって自分のなかで考えていて。こういう場面がキャンナムリーグに来てから多いので『必死で抑えて勝とう!』という気持ちで投げました。次も自分のピッチングができれば。勝つピッチングができたらいいなと思います」

(記事提供:独立リーグドットコム)

独立リーグドットコム編集部●文