汗から流れ出ているのは「水」では無い!?  激しい運動で失われたエネルギーを迅速に取り戻す為には、再び炭水化物を意識して…

汗から流れ出ているのは「水」では無い!?



 激しい運動で失われたエネルギーを迅速に取り戻す為には、再び炭水化物を意識して摂取していくことがとても大切です。運動により傷ついた筋肉を修復するためのたんぱく質(この献立の場合、鶏むねひき肉やたこなどに豊富)や、あさりに豊富な鉄などにも意識。

 試合後は大量の汗から流れ出るビタミン、ミネラル、水分の補給が必要不可欠。また、内臓も疲労しているので、出来るだけ消化の良い食材から選択していきましょう。味噌汁やスープ、鍋を上手に活用し、そこに具材をふんだんに入れ、水分も一緒にたっぷり補給。あらゆる栄養素、野菜や果物などがまんべんなく、バランスよく摂取できるように取り組んでいきます。


 炭水化物を効率よく使うために必要なビタミンB群は、豚肉や鶏肉などに豊富。試合前後共に、抗酸化作用のあるトマトやお酢、柑橘類に含まれるクエン酸なども一緒に摂取していくと尚◎です。

試合後に!エネルギー&筋肉チャージスープ

●レシピ
『エネルギー補給&筋修復のあさりトマトスープ』(2〜3人分)


・トマト缶 1缶
・水(収録は昆布と鰹のだし汁を使用) 400cc
・あさり(砂抜きをする)、鶏むねひき肉、 じゃがいも、にんじん、かぼちゃ、キャベツ 各100g
・アスパラ 2本
・にんにく 1片
・オリーブ油、塩(あればローリエ、バジル、パセリなどのハーブ類、パルメザンチーズ、セロリの葉) 適量

1. 全ての野菜を食べやすい大きさに切る。鍋にオリーブ油、みじん切りしたにんにくを入れて火にかけ、香りが立ってきたらじゃがいも、にんじん、かぼちゃ、キャベツを入れ、10分ほどこげつかないようにしながら炒める。
2. トマト缶、水(だし汁)、あればローリエを入れ、野菜が柔らかくなるまでコトコト煮込む。めざましテレビ収録ではセロリの葉を使用。煮汁に香りや成分を抽出させています。
3. あさり、お好みのハーブ、一口大に丸めた鶏ひき肉(収録では大葉と自家製パセリを混ぜています)アスパラを入れて煮込み、全体に火が入ったら塩で味を整える。
4. 器に盛り、パルメザンチーズをふる。バジルなどのお好みのハーブを添える。(フィトケミカル抽出のため、煮込みにも使用しました)

それではレシピ解説です。

●抗酸化作用抜群のリコピン含有量の多い手軽なトマト缶を使った回復スープです。トマトのリコピンは加熱したり油と一緒に摂取することで吸収率がアップ。天然の胃腸薬と言われるビタミンU(キャベジン)を含むキャベツや、強い抗酸化&抗糖化作用を持つにんにく、また、かぼちゃやにんじん、じゃがいもなどを用いたのは、試合で失われたエネルギーを回復させる糖質摂取が主な目的。末梢神経を正常に機能させるビタミンB12、鉄やタウリンの豊富なあさり、高たんぱく低カロリーで消化の良い鶏むねひき肉、疲労回復を促すアスパラギン酸や穂先に毛細血管を強化するルチンが豊富なアスパラもトッピング使用しました。(収録は夏前だったので、アスパラがない場合のルチン摂取なら、ブロッコリーでも◎)

 スープはたくさんの具材を入れられることから、手軽に多くの栄養素を摂取できるため重宝。トッピングに利用したパルメザンチーズなどの乳製品も利用して、たんぱく質、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルも強化します。

・合わせて読みたい→
必見!フジ・めざましテレビ取材報告 スポーツ選手の試合前の献立!(http://cocokara-next.com/food_and_diet/before-the-game-food-menu-of-athletes/)

試合後の献立!何事もチームワーク!

●たことワカメ、舞茸の酢のもの
たこは高たんぱく低カロリー。筋肉をスムーズに動かすタウリンの摂取に◎。我が家では、けがをした時のリハビリ期などにも重宝していた食材です。昆布やワカメなどの海藻類(フコイダンに注目。Tリンパ球などの免疫細胞を活性化)はミネラルの宝庫。ぬめりの正体はアルギン酸です。(水溶性の食物繊維)舞茸のβグルカンは免疫細胞のマクロファージの効果を高め、海藻類(体全体の司令塔の役割を持つマグネシウムも豊富に含む)もキノコ類(腸内細菌のバランスを整える)も、食卓においては、決して脇役ではなく、非常に重要な位置づけにあると言えます。黒酢は必須アミノ酸のBCAAを含み、筋肉の回復や集中力の保持に利用します。


●高野豆腐の煮物とゴーヤとの亜麻仁油マリネ(かつお節のせ)
ゴーヤの独特な苦み成分モモルデシンに健胃作用が。夏バテからの復活にも最適なビタミンCなどの栄養価が抜群な力のある食物。玉ねぎの硫化アリルは血流改善に。高野豆腐は必須アミノ酸の宝庫。金メダル級のプロテイン食です。トッピングのかつお節も優秀なたんぱく源。これをひとふりするだけで、手軽にぐんと栄養価を上げることが出来ます。

●白菜とスダチの漬物
汗で失われた塩分の補給に。スダチのビタミンCとクエン酸の相乗効果で疲労回復を促します。柑橘類の香り成分リモネンの抗疲労効果も期待。


●ピンクグレープフルーツとゴールドキウイ
ピンクグレープフルーツのような柑橘類は、クエン酸やビタミンC、糖質や水分も豊富に含まれるため運動後の回復期にも最適。香気成分にはモノテルペン類のリモネンが含まれており、リフレッシュ作用や抗疲労効果が期待できます。また、ピンクグレープフルーツの色にも注目。抗酸化作用抜群の色素成分、トマトにも豊富なリコピンが含まれています。夏場は特に、鮮やかな食材の色味を積極的に体内に取り入れていくことが大切です。ゴールドキウイはグリーンキウイよりもビタミンCが豊富。今回はビタミンCをより強化していきたいので、ゴールドキウイをチョイスしました。

※今の時期ならブドウ糖と果糖が豊富な旬なぶどうがオススメ。素早い栄養補給や疲労回復効果が期待できます。



●豚モモ肉の梅キムチ、枝豆入り混ぜご飯
豚モモ肉は脂質が少なく疲労回復効果のあるビタミンB1が豊富。すりごまを用いているのは優秀なタンパク源であり、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1やマグネシウム、カルシウムなども豊富なため。梅干しとキムチのクエン酸もプラスし、あらゆる方向から疲労回復効果を期待して行きます。
トッピングの枝豆にも重要な役割が。ビタミンB1やビタミンCが豊富で、枝豆は、集中力に関わるレシチンを含み、脳を活発に動かしたり、夏バテからの復活&疲労回復時に活躍する食材。手軽なため、アスリートの食卓にも頻繁に利用されています。

●ローズヒップとハイビスカスティー


 メディカルハーブには多様な成分が含まれています。それぞれがお互いに相乗効果を発揮するのが特に素晴らしい点です。ローズヒップはビタミンCの爆弾と呼ばれ、ローズヒップのフラボノイドは、ビタミンCのバイオアベイラビリティー(生物学的利用率)を向上させます。更には、ハイビスカスとブレンドさせることで、クエン酸の摂取も。ビタミンCとクエン酸が合わさって肉体疲労効果が倍増。アントシアニン色素のヒビスシン、鉄やカリウムなども含み、代謝促進、消化機能の促進効果も期待できます。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文:山瀬理恵子]

山瀬 理恵子(やませ・りえこ)

1977年9月16日生まれ。
http://yamasefamily.com/rieko-yamase
小学校教諭を経て、サッカー元日本代表で現在アビスパ福岡所属の現役Jリーガー山瀬功治と結婚。(今季プロ19年目。三浦知良選手に並ぶJ歴代2位の18年連続ゴール記録を達成)京都新聞朝刊にて3年間のスポーツ栄養レシピ・コラム連載を書籍化した著書「アス飯レシピ」を京都新聞出版より2017年8月に発売。(1ヶ月で重版決定)キューピーマヨネーズ料理グランプリ2015京都府代表。人気レシピサイトクックパッドに公式キッチンを持つ。
サッカーダイジェストテクニカルにてスポーツ栄養レシピ・コラム連載2年。PHP研究所巻頭料理カラー2年。サッカー協会、株式会社アスリートフードマイスター、京都サンガF.C、アビスパ福岡アカデミー、小中高、大学他各教育機関・Jr.アスリート保護者及び企業にて栄養学講演、調理実習多数開催。
2017年より味の明太子ふくや、味の兵四郎、テレビ西日本&西日本スポーツ新聞料理コーナー「山瀬理恵子のアス飯」レギュラーを担当。2018年北海道十勝郡浦幌町ふるさと大使に任命。京都新聞読者情報誌「きらっと!京滋」5月号より新連載。福岡県筑紫女学園大学にて人間科学部大西良准教授及び『LIKKE』大学生らが取り組む「子ども食堂」をアス飯でサポート。福岡サンパレスホテル坂本憲治総料理長とアス飯弁当をコラボ、レベルファイブスタジアムにて販売。