つかの間のオフを経て、アイシン精機体育館にボールの音が戻ってきた。 常勝チームを支えてきた橋本竜馬、比江島慎がチームを…

 つかの間のオフを経て、アイシン精機体育館にボールの音が戻ってきた。

 常勝チームを支えてきた橋本竜馬、比江島慎がチームを去り、大きな変革の時を過ごしているシーホース三河。9月7日(金)~9日(日)に豊橋市総合体育館にて開催される、2018-19シーズン初の公式戦「B.LEAGUE EARLY CUP 2018 TOKAI」で、新たな姿を披露する。

 

 「新生・シーホース三河」が、どんなカラーを打ち出し、チームとしてどのように戦うのか。ファンならずとも気になるところだが、現時点では初陣のスターティング5を予想することも難しい。

 大半が昨年からいるメンバーではあるが、類い稀なキャプテンシーを持つ橋本と、Bリーグ2代目MVPで、三河のWエースの一角を担ってきた比江島が抜けた影響は決して小さくない。加えて、今季よりBリーグのオン・ザ・コートルールが変更になり(4Q 全て外国人選手が同時に2人出場できる事になった)、リーグ全体として選手起用の戦略が大きく変化することが予想されるからだ。

新チームは「いい刺激」、「チャレンジの幅が広がる」

 エースの金丸晃輔は「僕の方が移籍した感じですね」と笑う。それでも、この変化を「いい刺激になる。楽しみな方が大きい」と語り、キャプテンの狩俣昌也は「チャレンジの幅が広がる。簡単ではないが、やりがいがある」と大きなモチベーションに変えている。

 

金丸晃輔選手

 

 2年連続でベスト5、ベストフリースロー成功率賞の2冠を達成した日本屈指のスコアラーは「得点に絡むという、僕の役割は変わらない」としながらも、「去年はポイントガード(PG)がゲームコントロールをしてくれていたので任せていたが、今年はオフェンスをしながら、「今誰がボールを触っていない」とか「誰が生きていない」とか、チーム全体を見るということを僕がやっていこうかなと思っています」と新たな役割に意欲的だ。

 決して多弁ではない金丸だが、「選手が入れ替わった時は、最初は絶対にうまくはいかない。うまくいかないことを溜めずに、どんどん発信していかないとチームがよくならないので、ストレスが溜まっていそうな選手を見つけたら、どんどん声をかけて聞いていきたい」とチームを牽引する覚悟を語る。

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リアル・ミッチー 集中力の整え方 金丸晃輔(三河)(http://cocokara-next.com/motivation/real-mitchi-concentration-kohsuke-kanamaru/)

 

狩俣昌也選手

 

 今季もキャプテンを任される狩俣も「特にPGが変わると、他のポジションはやりづらさが出てくると思う。フラストレーションを溜めないよう、コミュニケーションをとって解決していきたい」と積極的にチームメイトに声をかける。

 新たに加わったPGの生原秀将についても、「遠慮しないでやってもらえれば、力はあるし、生原選手の良さは必ずチームの力になる。僕は3年目なので、彼がやりやすいように力になりたい」とチームのために労を惜しまない。

 「まだまだチームとして形になるには時間がかかる」と金丸も狩俣も口を揃えるが、それぞれの選手が昨年+αの役割を担うことで、穴を埋めるに留まらず、2年連続で届かなかった2冠を成し遂げられる大きなチームを作り上げようとしている。

期待の新加入3選手にも注目

 大きな目標を達成するためにも、新戦力の活躍は不可欠だ。

 栃木ブレックスから移籍してきた生原は、アグレッシブなプレーが魅力の選手。

「オフェンスでは積極的に得点を取りに行くこと、ディフェンスでは相手の嫌がることをやり続けるのが自分のストロングポイント。鈴木HCからも積極的にプレーしてほしいと言われている。三河はインサイドの強さと日本人の外角からのシュート確率の高さが印象的。その中で自分の得点を取る力をどう生かし、周りをどう生かしていくか、うまくバランスを取りながら、チームに浸透していきたい」と成長への野心をみなぎらせる。

 

生原秀将選手

 

 機動力のある外国籍選手の躍動も、新生三河の命運を握りそうだ。

 スモールフォワードのジェームズ・サザランドは、NBAのシャーロット・ボブキャッツ(現シャーロット・ホーネッツ)、ニューオーリンズ・ペリカンズでのプレー経験を持つ。

 昨シーズンはGリーグのサンタクルーズ・ウォリアーズに所属し、多彩なスコアリングスキルで1試合平均11.2得点5.5リバウンドをマークしている。

「ドライブや速いペースでボールを運ぶのも好きですし、チームにエネルギーをもたらすところをぜひ注目してほしい」とチャーミングな笑顔を見せるサザランドは、早速バッツらと花火大会を楽しむなど、すっかりチームに溶け込んでいる。

 

ジェームズ・サザランド選手

 

 チームメイトから「G」と呼ばれるグラント・ジェレットは、2014–2015シーズンにNBAのオクラホマシティ・サンダー、2015年にユタ・ジャズに所属。Gリーグのカントン・チャージで過ごした昨季は、パワーフォワードとして1試合平均16.8得点、7.4リバウンドの活躍を見せている。

「インサイドもアウトサイドも、どこからでも得点できるのが自分の特徴。一番得意なのはターンアラウンドジャンプショットかな」と白い歯を見せる25歳は、ポストプレーも3Pシュートも得意とし、オフェンス面で大きな力となりそうだ。

 

グラント・ジェレット選手

 

チームづくりと優勝の両立を目指す

 「B.LEAGUE EARLY CUP 2018 TOKAI」に準決勝から登場する三河は、9月8日(土)19時から茨城ロボッツとFイーグルス名古屋の勝者と対戦する。

 狩俣キャプテンは「一つ一つの試合に勝つという経験をチームで重ねていくことが自分たちの自信になる。ファンの皆さんを安心させるという点でも、どんな試合であっても結果を出すことが大事だと考えています」とチームづくりと勝利の両立を目指すと意気込む。

 生原も「自分にとっては初めての公式戦。色々な選手の特徴をつかめるいい機会でもあるので、様々なことを学習しながら、優勝を目指したい」と気持ちを高めている。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]