イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日/グラスコート)の2日目、女子シングルス1回戦。 昨今のカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)にとっては、グランドスラム大会の一試合に勝つだけでも、素敵なこと…
イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日/グラスコート)の2日目、女子シングルス1回戦。
昨今のカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)にとっては、グランドスラム大会の一試合に勝つだけでも、素敵なことだろう。元世界ナンバーワンで25歳の彼女は、現在2008年以来もっとも低い45位というランキングであり、ここ8年で初めてグランドスラムのシードなしでウィンブルドンにやってきた。
ドローで非常に厳しい1回戦を引き当てたウォズニアッキは、第13シードで元全米・全仏覇者のスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)に5-7 4-6で敗れ、2016年のグランドスラムで一勝もつかめないまま、大会から去ることになった。
ウォズニアッキは全豪オープンでも1回戦負けを喫し、4月のフェドカップの練習中に右足首を故障して全仏オープンは欠場した。今年の彼女の勝敗記録は11勝11敗だ。
「ここまで厳しい年だわ」とウォズニアッキは言った。「不運な出来事もあったし、不利なドロー抽選もあったり。でも、ただ戦い続け、取り組み続け、ハードワークを続けなければならないのよ。そうしていればきっと、最終的に運命の輪は回り、巡ってくるチャンスをつかむことになると思う」。
彼女は「今できるのはそれだけよ」と言い添えた。
ウォズニアッキは2010年と11年に67週間、世界1位の座につき、2つのグランドスラムで決勝に進み、2009年と14年の全米オープンで準優勝した。今大会は彼女にとって10度目のウィンブルドンであり、彼女はここで5度、4回戦に進んだが、準々決勝に進んだことは一度もない。
足首の故障から復帰したばかりのウォズニアッキは、前哨戦のイーストボーンのグラスコート上で、2月以来の試合に続けざまに勝ち、復調しつつあるところを見せていた。
「イーストボーンでは、かなりいいプレーができたときもあったと思うわ」と彼女は言った。「言うまでもなく、あそこからさらにレベルを上げて、今日はもっと相手を苦しめたかったけれど十分ではなかったようね」。
ウォズニアッキは、元世界2位のクズネツォワに対し、いいプレーをしていた。彼女は相手にプレッシャーをかけてはいたが、雨のために開閉式の屋根を閉めたセンターコートで、クズネツォワを乗り越えるには十分ではなかった。
「彼女はアグレッシブにプレーし、必要なときにレベルを上げてきた」とウォズニアッキ。「彼女は今日、やるべきことをきっちりやっていたわ」。
ウォズニアッキはこのあと、ワシントンとモントリオールでプレーする予定だという。また、リオ五輪の出場権に関して判決を待っているところだ。ウォズニアッキはデンマークの旗手に選ばれていたが、故障のためフェドカップに出場できず、ITFの規定を満たすことができなかったのだ。
「もちろんオリンピックでプレーしたいわ」とウィズニアッキ。「でも、もしITFがプレーできないと決めたら、それについて私はほとんど何をすることもできない」。
故障に、敗戦が重なり、さらにランキングが下降。ウォズニアッキは2014年、恋人だったプロゴルファーのローリー・マキロイと破局し、それについてメディアに盛んに書きたてられた。ここ一年半の困難のときを振り返り、彼女はこう言った。
「きっといつか運気が変わる。最終的に流れは変わるに違いないと思っている。ただ、こぶしを受け、そこから学ぼうとし、とにかく前進しようと努めるのよ」
故障で試合に出られないでいる間も、ウォズニアッキは様々なオフコートの企画で忙しく過ごしていた。
「もし余った時間があれば、人生で楽しいことをしようと努めるわ。一度しか生きられない。やり直しはきかないんだから」
彼女が決してやらないことがひとつあるとすれば、それは、自分に関する記事を読むことだ。
「過去15年、自分について書かれたすべてを読んでいたら、たぶん今頃はもう崖から飛び降りていたと思うわ」とウォズニアッキ。「そんなことはできればしたくないから!」(C)AP