ITTFワールドツアー2018シーズンの9戦目にあたる「ブルガリアオープン」<8月14〜15日・予選、16〜19日・本戦/パナギュリシテ>が閉幕した。日本勢の結果は石川佳純(全農)/伊藤美誠(スターツSC)が女子ダブルスで優勝。中国の若手ペア・劉高陽(22)/張瑞(21)を相手に第1ゲームを奪われるも、そこから3ゲームを連取して逆転に成功し、ゲームカウント3-1で勝利した。


 昨年の同大会でもダブルスを組み優勝している「かすみま」ペアは大会2連覇を達成。常々「ダブルスが好き」と豪語する伊藤は盟友・早田ひな(日本生命/希望が丘高校)とのペアでも数々の成績を挙げているが、石川との相性も良く、ダブルス巧者ぶりを発揮している。

 一方、男子ダブルスもトップシードの森薗政崇(岡山リベッツ)/大島祐哉(木下グループ)ペアが決勝に進み、強敵・中国の馬龍/許キンペアから第1ゲームを奪ったが、第2ゲーム以降は立て続けに3ゲームを連取され逆転負け。第3ゲームには3-9でリードされてからの5連続ポイントで反撃のチャンスを掴みかける場面もあったが、馬龍の厳しいミドル攻めに阻まれるなどして勢いに乗れず、昨年に次ぐ準優勝となった。


 男子ではシングルスで松平健太(木下グループ)が魅せた。昨年の同大会で準優勝の松平は大会を通じて好調で、準決勝では張本智和(JOCエリートアカデミー)と対戦。最新の世界ランクで自己最高の6位に浮上した張本に分があると思われたが、その予想を見事に覆しゲームカウント4-2で決勝に勝ち上がった。



 そして決勝でも中国の許キンを相手にスーパープレーを連発。第1ゲームこそ奪われたが、2度のゲームオールを制した第2ゲームは許キンの豪快なスマッシュをロビングでかわして前陣に詰め、最後は華麗なカウンターパンチで得点するなど、本来の松平らしいプレーが光り互角の戦い。結局、ゲームカウント1-4で敗れはしたものの、スコア以上の接戦で久々に見応えのある試合内容となった。


 ちなみに同大会の賞金総額は約1,170万円。男女シングルス優勝には約210万円、準優勝には約110万円。男女ダブルス優勝には約66万円、準優勝には33万円が贈られている。

 ITTFワールドツアーは2連戦で今週は21日に「チェコオープン」が開幕。チェコ西部に位置するオロモウツを舞台に再び熱戦を繰り広げる。なお、18日にインドネシアで開幕したアジア競技大会では26日に卓球がスタート。男子は松平健太(木下グループ)、森薗政崇、上田仁、吉田雅己(ともに岡山リベッツ)、女子は加藤美優(日本ペイントホールディングス)、森薗美咲日立化成)、前田美優(日本生命)、安藤みなみ(専修大学)が日本代表団体チームとして出場する。

(文=高樹ミナ)