「甲子園の土」と言えば、甲子園出場の証。悔し涙と共に、持ち帰るのが風習となっている。
昨今、某フリマアプリで「甲子園の土」が相次いで出品されていると話題になっているが、実際に甲子園に出場した元球児たちはどんな思いで甲子園の土を持ち帰ったのか、話を聞いた。
さすが横浜高校!土の持ち帰り方もスマート
8月11日(土)に東京・渋谷区の白寿生化学研究所本社ビルにて実施された「田中大貴と松坂世代たちが今、全てを語る!THE高校野球」トークショー。元フジテレビ・アナウンサーの田中大貴さんをMCに、98年夏の甲子園出場メンバーの横浜高校の松本勉さん、京都成章高校の澤井芳信さん、元プロ野球選手で豊田大谷高校の古木克明さんが「甲子園の土」についてエピソードを披露した。
松坂大輔選手擁する横浜高校との決勝で敗れた京都成章高校の澤井さんは、「試合終了後すぐにベンチをキレイに片付けるんですよ。なのに横浜高校はスパイクの袋をベンチに残してあって。僕らは知らないからカバンを全部下げられていて。だから、甲子園の土を集める袋がないんですよ。横浜高校は常連校だから知っていて、みんなスパイクの袋に入れているのに。さすが横浜高校と思いましたね。僕らはなけなしの土をユニフォームのポケットに入れて持ち帰りました」と、これから甲子園を目指す球児にはタメになる、スマートな土の持ち帰り方を紹介。
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「土は持ち帰らない」から一変、「やっぱり欲しくなった…」
準決勝で敗退した古木さんは、「多分持ち帰って瓶に入れたと思う。お守りみたいなのものをみんなで作った時に入れたと思うんですけど…。実家のどっかにあるはず(笑)」と話すと、他のメンバーからは「プロで何回も行ってるから」とツッコミが。
それに対し「やっぱり違いますよ。高校の甲子園とプロの甲子園は」と、高校野球における甲子園の重みを打ち明けた。
古木さんといえば、感情を抑えながら一握りだけ甲子園の土を掴んだシーンが今でも名場面として映像に残っているが、「あのシーン、実は情けない話で…。あの時悔しくて、またプロになってここに来てやるという思いから土は取らないで帰るつもりでした。でも、周りのみんなが甲子園の土を集めはじめて、見ていたら欲しくなっちゃって…。シレ~っと取って帰ろうと思ったら、カメラに撮られていた(苦笑)」と、カッコいいはずのシーンの仰天裏話も飛び出した。
黒土から白土へ、甲子園の土20年の歴史

同イベントでは、横浜高校の松本さんが98年の横浜VS京都成章の決勝戦後に持ち帰った甲子園の土を持参。
「家で横浜高校のユニフォームを探していたら甲子園の土が出てきて。久しぶりに見たらこんなに白かったっけ?と思いました」と話すと、MCの田中さんも「僕は兵庫県なので、甲子園で地方予選ができるし、小学生の時から強いと甲子園で試合することもできるんですよ。その時に土をもらったりするんですけど、時間が経つと甲子園の土って白くなりますよね」と、甲子園の土の歳月を感じられる話も。
ちなみに、甲子園球場の公式HPには甲子園の土について下記のような記述がある。
・黒土の産地
岡山県日本原、三重県鈴鹿市、鹿児島県鹿屋、大分県大野郡三重町、鳥取県大山 などの土をブレンドしている。(毎年決まっているわけではない。)
・砂の産地の変遷
甲子園浜及び香櫨園浜社有地 ~ 瀬戸内海産の砂浜 ~ 中国福建省
・黒土と砂の割合
春は雨が多いため砂を多めに、夏はボール(白球)を見易くするために黒土を多くブレンドしている。
・甲子園の土を初めて持ち帰った人
川上 哲治 (1937年、夏の23回大会)という説があります。
選手がよりパフォーマンスを発揮しやすくなるように様々な工夫や改良がなされ、たくさんの人の思いと思い出が詰まった甲子園の土。同イベントの最後は、松本さんからイベント参加者に甲子園の土をプレゼントして締めくくった。
次回の同イベントは、9月17日(祝・月)に都内で実施する。
同じく98年の甲子園に出場し、新発田農業高校(新潟)で和田毅(ソフトバンク)擁する浜田高校(島根)に初戦敗退ながら、その年のドラフト3位で読売ジャイアンツに指名された加藤健さんと、鎌倉学園(神奈川)では惜しくも甲子園には届かなかったが、田中大貴さんと慶應大学野球部で同期の長田秀一郎さんがゲストとして登場。
「松坂世代たちが今、全てを語る!THE高校野球」
概要はこちら(https://lounge.dmm.com/detail/1070/)
チケットお申込みはこちら(http://shop.cocokara-next.com/shopbrand/ct6/)
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]