優勝候補の筆頭に「ずば抜けているという印象は受けませんでした」

 第100回全国高校野球選手権記念大会は6日、第2日を迎え、第2試合で史上初となる2度目の春夏制覇を狙う大阪桐蔭(北大阪)が16年覇者の作新学院(栃木)に3-1で勝利した。プロ注目の柿木蓮投手が6安打1失点の完投勝利。打っては5番・根尾昂が2安打、4番・藤原恭大も8回の試合を決するタイムリーを含む2安打の活躍で白星を手に入れた。

 終盤まで接戦となった強豪対決を、元阪神でメジャー右腕の藪恵壹氏は「高校生はあまり差がないから、何が起こるか分からない面白さがありますね」と振り返る。

 優勝候補の一角に名を連ねる大阪桐蔭だが、「初戦の緊張感もあるかもしれないけど、ずば抜けているという印象は受けませんでした」と話す。作新学院も前評判の高いチームだったものの、試合は終盤まで1-0と拮抗。8回に大阪桐蔭が2点を挙げてリードを広げると、作新学院は9回に意地を見せて1点を返し、完封負けを阻止した。「大会前の盛り上がりを見ると、大阪桐蔭が全出場校の中でも頭抜けている印象を受けますが、この日の試合を見る限り、両校に大きな差はなかった」と話し、「この先も大阪桐蔭を苦しめるチームが現れる予感大ですね。智弁和歌山あたりがいい試合をしてくれるんじゃないかな(笑)」と、高校時代を過ごした和歌山の代表校に期待した。

 もちろん、NPB球団が注目する選手がズラリと揃うタレント集団だ。9回を1失点完投した柿木は、140キロ台中盤の速球を軸に強気に攻めた。同じ投手として「投球フォームに改善の余地はあるけれど、まだ高校生。これからの伸びしろを考えれば、現時点でこれだけの投球ができれば大したもの。去年よりも下半身がしっかりした印象で、足を使いながら投げています」と高く評価する。1点を失った9回2死三塁の場面では「4番の沖君には三振を取りにいったところを打たれましたね」と分析。だからこそ「1点差で9回を迎えていたら、どんな投球をしたのか見てみたかったですね」と興味は尽きない。

「高校野球では、カーブを投げる左腕が1つのポイント」

 打者では、4番・藤原がバットと快足で見せた。8回2死二塁から藤原が放ったヒットを、作新学院の右翼手が後逸。藤原は快足を飛ばして一気に本塁を陥れ、3点目のホームを踏んだ。2安打の根尾も、7回に遊撃守備で華麗なプレーを披露。「8回はランエンドヒットが上手くハマりましたね。あそこでしっかりヒットを打てた藤原君はさすが。根尾君、藤原君、中川君、石川君… 二塁の山田君もいいらしいし、大阪桐蔭から6、7人はプロ入りするでしょ(笑)」と大胆予想をした。

 最後まで諦めずに好試合を展開した作新学院にも、目に留まる才能がいたようだ。3回から2番手でマウンドに上がった左腕・佐取達也だ。

「高校野球では、カーブを投げる左腕が1つのポイントになると思うんですよ。いくら好打と言われる打者でもなかなか打てない。今日の佐取君のようにカーブに加えて、インコースに切れ込むような球を投げられると大きな武器になる。特に大阪桐蔭は左打者が多かったから、佐取君は5回を2安打に抑えた。今日の試合に限らず、カーブを投げる左腕はカギを握る存在になると思います」

 この日の勝利で、西谷浩一監督は甲子園通算50勝を飾った。史上初の快挙に向けて、まずは1勝。2回戦は初出場の沖学園(南福岡)を迎え撃つ。(佐藤直子 / Naoko Sato)