10月に開幕を控えた日本初のプロアマ混合リーグ「Tリーグ」<10月24、25日・開幕戦/両国国技館>がいよいよ盛り上がってきそうだ。実業団チームの強豪である日本生命(正式名称:日本生命保険相互会社)女子卓球部が「日本生命レッドエルフ」としてTリーグへの参戦を発表。チームの本拠地である大阪で8月1日に開かれた発表会には所属選手の平野美宇(日本生命)、早田ひな(日本生命/希望が丘高校)らが登壇し、併せてチーム名およびチーム体制、ロゴ、エンブレム、マスコットなどがお披露目された。




 日本生命レッドエルフでコーチ兼選手、そしてキャプテンも務める石垣優香をはじめ森さくら、前田美優らはもともと実業団チームの日本生命女子卓球部として日本リーグを戦いながらワールドツアーにも出場する実績ある選手たちだ。しかし、その存在がひときわ光るのは、やはり日本代表として世界の大舞台を経験している平野美宇早田ひなだろう。平野は世界卓球2017ドイツ女子シングルスで銅メダル、早田も伊藤美誠(スターツSC)とのペアで女子ダブルス銅メダル、そして今年4~5月の世界卓球2018スウェーデン(団体戦)では2人とも銀メダルを手にしている。世界ランクでも平野が8位、早田が14位と上位につける(8月1日現在)。

その平野と早田がチームメートと目指すのはTリーグ初代チャンピオン。2020年東京五輪の代表争いが激化していく中、平野は「参戦をすごく迷った。理由は海外の試合が多い中、時間がなかなかないから」と胸中を明かしたが、参戦を決めた今では「中国のトップ選手は今のところ参戦する予定はないが、中国の選手何人かと他の海外の選手でも強い選手がたくさんいる。いろいろ練習したことを試合で試したりしながらレベルアップしていきたい」と意気込みを口にする。早田も海外の選手との対戦を楽しみにしているようで「ワクワクする」と話し、「海外のトップ選手と試合をする中で戦術やプレーの幅も広がっていくはず」と期待を膨らませていた。

 ちなみに平野は2016年から日本生命とスポンサー契約を結んでおり、2018年3月のプロ転向を機に所属となった。一方の早田は2017年から所属契約を結んでいる。

 また、村上総監督は「Tリーグ構想は5~6年前からあって、まだかまだかと待ちわびていた。2020年東京五輪の前に立ち上がったこのリーグを日本生命として先頭に立って引っ張り、長く続くリーグにしたい」と話し、「初年度の目標は優勝だが、勝つことだけが目的じゃなく、多くの人に卓球を楽しんでもらいたいというのが一番強い」と思いを語った。



 Tリーグ初年度は2018年10月から2019年3月にかけて1部リーグの「Tプレミアリーグ」が行われ、男女各4チームが参戦。各チーム21試合のリーグ戦を戦い、上位2チームがグランドファイナルで初代チャンピオンの座を争う。

<チーム体制>
総監督:村上恭和
監督:岸田聡子
コーチ兼選手:石垣優香
選手:平野美宇、早田ひな、森さくら、前田美優、陳思羽、常晨晨、築月カン(計8人)

(文=高樹ミナ)