投手兼任の強打者がズラリ 野尻、万波、野村、大谷、根尾… 第100回全国高校野球選手権記念大会は2日に組み合わせ抽選が行われ、5日の開幕を待つばかりとなっている。夏の甲子園の楽しみは、母校や地元校の応援はもちろん、高校レベル以降も活躍が期待…

投手兼任の強打者がズラリ 野尻、万波、野村、大谷、根尾…

 第100回全国高校野球選手権記念大会は2日に組み合わせ抽選が行われ、5日の開幕を待つばかりとなっている。夏の甲子園の楽しみは、母校や地元校の応援はもちろん、高校レベル以降も活躍が期待できる選手たちが一堂に会する点だ。今夏の甲子園に出場する選手から、将来的にプロ入りする選手も多いはずだ。すでに“プロ注目”とされる選手も多いが、昨年の中村奨成(広陵→広島)のように甲子園で大ブレークし、秋のNPBドラフト会議で目玉となった選手もいる。プロ注目選手が数多く甲子園に足を踏み入れる中で、Full-Count編集部が注目する若き才能をピックアップした。

○金足農・吉田輝星(3年)投手
MAX150キロ超の速球を武器に、秋田大会2回戦(対秋田北鷹)で16奪三振の完封。5試合を1人で投げ抜き、43イニングで57三振を奪った。決勝の明桜戦でも、9回4安打11奪三振の完封勝利。東北の怪腕が、いよいよ全国の舞台に登場する。

○木更津総合・野尻幸輝(3年)投手・内野手
中学時代、大阪桐蔭・根尾と岐阜選抜に選ばれた経験も。1年生から甲子園に出場し、この夏の東千葉大会では、準決勝の東海大市原望洋戦でサイクルヒットを達成。本職は内野手だが投手も兼任しており、140キロ台をコンスタントに記録。決勝の成田戦では2失点で完投した。

○横浜・万波中正(3年)投手・外野手
コンゴ人の父と日本人の母を持つ。中学時代には砲丸投げで東京都大会に優勝した。投手としても140キロ台後半のストレートを投げる。一時期不振に陥っていたが、南神奈川大会では準々決勝の立花学園戦で横浜スタジアムのバックスクリーンを直撃する本塁打。決勝の鎌倉学園戦でも特大の本塁打を放ち、190センチ、89キロの恵まれた体格と身体能力を生かした長打力は大きな魅力。

2年連続優勝狙う花咲徳栄は「エースで4番」の野村

○花咲徳栄・野村佑希(3年)投手・内野手・外野手
全国制覇した昨年のチームでも4番に座り、高校通算56本塁打のスラッガー。投手としても北埼玉大会決勝で1失点完投するなど非凡で、典型的な「エースで4番」としてチームの柱となった。野手としても三塁や左翼に入り、内外野どこでも守れるセンスのよさを持つ。

○中央学院・大谷拓海(3年)投手・外野手
投手としてはスリークォーターから140キロ台を計測し、昨秋の関東大会制覇に大きく貢献。春の選抜大会出場後、練習試合中のアクシデントで夏の出場が危ぶまれたが、主に「4番・右翼」として出場し、西千葉大会決勝の東京学館浦安戦ではZOZOマリンスタジアム右翼席に痛烈な本塁打をたたき込んだ。準々決勝の八千代戦では投手としても登板しており、甲子園でどこまで復調をアピールできるか。

○高岡商・山田龍聖(3年)投手
最速148キロを誇る左腕。富山大会では調子がいまひとつで、準決勝の高岡第一戦では満塁弾を浴びるなど6失点したが、その一方で7回10奪三振とボールに力があるところも見せた。本大会でどこまで復調してくるか。

○智弁和歌山・林晃汰(3年)内野手
高校通算49発の長打力を誇る、智弁和歌山の打の中心選手。三塁手としても堅実な守備で、チームでは3番に座る。4番・文元洸成とのコンビは全国レベルの破壊力。大阪桐蔭には春の選抜大会、春季近畿大会と決勝で惜敗しているだけに、王者を倒すにはこの男の活躍は欠かせない。

○大阪桐蔭・根尾昂(3年)投手・内野手・外野手
言わずと知れた最強軍団の中心選手。投手としては150キロ近い速球を投げ、俊足の遊撃手でもあり、外野も守れて、クリーンアップを張る長打力も持つ、まさに野球センスの塊。両親ともに医師で、中学時代は生徒会長も務めた。間違いなく、今大会最大の注目を集める選手。

大阪桐蔭・柿木、報徳学園・小園にもプロが注目

○大阪桐蔭・藤原恭大(3年)外野手
春の選抜では4番、春の近畿大会では1番を打ち、北大阪大会では再び4番に座った。北大阪大会では、決勝の大阪学院大戦で本塁打など6安打6打点を叩き出し、守っては9回2死で中堅を襲った大飛球を背走してもぎ取るなど、外野守備の能力も高い。野手としては高校NO1の呼び声も高く、根尾とともにドラフト1巡目での指名は確実と見られている。

○大阪桐蔭・柿木蓮(3年)投手
根尾ら優秀な大阪桐蔭の投手陣の中でも、エースナンバーを背負う右腕。MAX148キロの球威あるボールを真っ向から投げ込む。昨年の夏の選手権準々決勝、仙台育英戦でサヨナラ負けした時にマウンドに立っていた。北大阪大会決勝の大阪学院大戦でも完投勝利を収めている。

○報徳学園・小園海斗(3年)内野手
U-15、U-18と2世代で日本代表に選出された大型遊撃手。高校通算37本塁打、東兵庫大会4回戦の滝川二戦でバックスクリーンに決勝弾を放り込んだ。昨年の選抜大会、多治見(岐阜)戦でも本塁打を放っており、守備力も根尾より上との評価も。こちらも今秋のNPBドラフトでは上位指名が予想される。

○創志学園・西純矢(2年)投手 
2年生でU-18日本代表第1次候補にも選出された。ストレートの球速は150キロ。岡山大会準決勝では、こちらもプロ注目の剛腕で、倉敷商・引地秀一郎との投げ合いに2-0と完封勝利。2年生だけに、成長次第で来秋のドラフトの有力候補になりそうな逸材だ。

○創志学園・金山昌平(3年)内野手
岡山大会で、大会記録となる5試合連続本塁打。決勝の岡山学芸館戦でも、9回にダメ押しとなる一発を叩き込んだ。高校通算45発の長打力を誇るスラッガーだ。(Full-Count編集部)