『bj-league THE FINAL』DVDで振り返るbjリーグ11年間の軌跡 河内敏光(bjリーグ コミッショナー)インタビュー【Vol.4】歴代ファイナルの思い出と共にこれまでのbjリーグの歴史を振り返る河内コミッショナーインタビュ…

『bj-league THE FINAL』DVDで振り返るbjリーグ11年間の軌跡 河内敏光(bjリーグ コミッショナー)インタビュー【Vol.4】

歴代ファイナルの思い出と共にこれまでのbjリーグの歴史を振り返る河内コミッショナーインタビュー、連載最終回は、2013-2014シーズンと2014-2015シーズンを振り返ります。

【完璧に”富樫封じ”の戦術がはまった】
――2013-2014シーズンのファイナルは”攻撃の秋田”vs.”守備の沖縄”となりましたが、いかがでしたか?
河内:この試合は富樫と岸本でしょうね!秋田の富樫選手は、このシーズン、プロ2年目にして全試合に出場していました。本当に実力のある選手で、中村ヘッドコーチも「秋田は富樫のチーム」と言っていたくらいです。この試合を見ても分かる通り、彼のスピードは本当にすごいですよ。対する沖縄の岸本選手は、前シーズンにアーリー・エントリー(新人選手契約制度)で沖縄チームに入って、シーズンを通して格段にレベルアップしてきていました。ルーキーではあるものの、沖縄の主力選手になっていましたからね。

――結果は沖縄の勝利で、3度目の優勝を飾りました。
河内:はい。富樫選手をマークする沖縄の戦術がしっかりはまっていましたよね。富樫に対して、並里、山内、岸本の3対1でした。3人で富樫を止めにかかって。3人とも若い選手でしたが、この時若干二十歳だった富樫選手よりは年上ですから、”年の功”と言うべきか…「富樫にだけは絶対に負けない!」という気持ちも強かったと思いますね。結果、試合の途中で富樫選手の右足が痙攣を起こしてしまいました。完璧に”富樫封じ”の戦術がはまりましたよね。それに加えて、岸本選手が大当たりしました。この時の沖縄のエースと言えば並里選手で、中村ヘッドコーチもあまり岸本選手をマークしていなかったそうです。けれど、終わってみたらMVPを取るほどの大活躍ですから!彼にとっても、この試合はターニングポイントになったと思いますよ。

――両チームともに若手選手の活躍が光ったファイナルだったわけですね。
河内:そうです。ここにきて、ファイナルの試合を左右した注目選手として、若い日本人選手の名前を挙げられるのがうれしいですね。このあたりから代表レベルの選手も何人か出てきましたから。本当に素晴らしいです。

【1本勝負は”勢い”が重要】
――bjリーグ創設10周年目の2014-2015シーズンは、浜松が3度目の優勝を果たしました。
河内:このシーズン、下馬評的にはどこが勝つか本当に分からなかったです。混戦でしたから。浜松はレギュラーシーズンではあまり調子が良くなかったんです。けれどもカンファレンス セミファイナルで、浜松より上位だった沖縄を破ってあがってきましたから、勢いに乗っていました。

――プレイオフでガラっと形勢が変わったんですね。
河内:そう。プレイオフは短期決戦で、さらに有明は一発勝負ですからね。直前のゲームで調子を掴むと、そのまま勢いに乗れるところがあるんです。そこがまた面白いところでもあります(笑)。4戦先勝などであれば実力通りに強いチームが勝ってくるんですが、1本勝負ですから”勢い”って重要なんですよ。

――試合は残り25秒での逆転劇でしたが、いかがでしたか?
河内:確かに浜松が残り25秒で逆転ゴールを決めましたが、でもそのあと、まだ秋田にはチャンスがあったんです。ラスト3秒の秋田のワンプレイで、もしインサイドの外国籍選手にパスを回していたら、浜松のファウルで延長戦に入っていたかもしれない。そう考えると、本当に最後の最後まで分からない試合でしたね。実は、逆転でこの試合に負けてしまった秋田も、カンファレンス セミファイナルで、新潟が9割9分9厘勝っていた試合に逆転勝ちして有明に来たんですよね。新潟がドンドン調子が出てきて、もうこれは新潟が勝ったなと思っていたら、最後に田口選手のところにボールが落ちてきて。で、田口選手の投げ入れたようなシュートがリングに入って逆転勝利!ですから、逆転で勝ち上がってきて、逆転で負けてしまったわけです。けれど、どちらの試合も本当に興奮しました。すごい試合でしたね。

【みなさんの思い出を”形”に残せた】
――さて、DVDを見ながらここまで振り返ってきましたが、元々どのような思いでこのDVDの制作を発案されたのでしょうか?
河内:今シーズンでbjリーグが終了するのに伴い、これまでのbjリーグの歴史をまとめたいという思いから、「BUZZER BEATER(ブザービーター)~日本プロバスケットボール bjリーグ 11年の軌跡」という写真集を作りました。それと共に、bjリーグの魅力は何と言っても迫力ある試合ですから、なんとか映像で、この11年間をまとめたものを残したかったんです。ブースターの皆さんも、きっと忘れられないシーンは映像として思い出に残っているはずですよね。ある程度覚えていても、折に触れてもう一度振り返りたいと思う人はたくさんいると思うんです。ですから、このDVDを作ることによって、これまでbjに関わってくれた方やbjを応援してくれた方、みなさんの思い出を”形”に残せたのではないかと思っています。僕自身、できあがったものを見て、色々思い出して本当に感慨深いです。まだ見ていない方がいらっしゃったら、ぜひ一度ご覧頂きたいです。

――DVDには特典データ集として、bjリーグに所属した選手を顔写真付きで全シーズン、チーム別に収録した選手名鑑も入っていますが、見どころはどんなところでしょう?
河内:僕は11年間、bjリーグのコミッショナーという立場にいましたが、これを見ると、1人1人を思い出します。「そうだそうだ!そういえばこの選手は昔このチームにいたね!」っていう感じで(笑)。しかも選手の顔写真も当時のものですから、昔のシーズンはみんな若い!記憶がよみがえってきて懐かしいです。これもまた、思い出を”形”にまとめたものになったかなと思います。DVDの本編はファイナルの試合映像を中心にまとめていますが、ファイナルに来ていないチームも、すべてこの特典データ集には収録されていますのでぜひチェックしてほしいです。おもしろいですよ!

――では、最後の質問です。今までbjに所属していた選手の中で、一番河内コミッショナーの印象に残っている選手を挙げるとしたら、どなたでしょうか?
河内:うーん…。(しばらく悩み、)選び切れませんね。1人なんてとても選び切れないです。しいて言えば、やはりこのbjリーグと共にずっと歩んできてくれた選手達でしょうか。10人ほどかな。bjリーグの立ち上げ当初は、選手からしてみれば、海の物とも山の物とも分からなかったと思いますよ(笑)。それでも一緒にやってくれた。そしてbjリーグが終了する今も一緒にやってくれているというね。共に歩んだ時間も長い分、それぞれの選手に思い入れがあります。もちろんbjにいた期間に限らず、選手達には心から感謝の気持ちでいっぱいです。みんなにありがとうと言いたいですね。

≪了≫

☆最後に…
河内コミッショナー、長時間にわたるインタビューありがとうございました!そしてここまで読んでくださったみなさま、ありがとうございました!DVD「bj-league THE FINAL」は絶賛販売中です。ご購入頂けるチャンスも限られて参りますので、ぜひこの機会にチェックしてみてくださいね。(DVD制作担当より)

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