フィギュアスケートの全日本シニア強化合宿が、7月22日から25日まで、長野県軽井沢町で行なわれ、24日には氷上練習や表現トレーニングなどが報道陣に公開された。

 この日は、平昌冬季五輪女子4位の宮原知子、世界選手権2位の樋口新葉らトップスケーターを含む女子10人、男子5人が参加。2018-19シーズン用のプログラムを滑ってチェックを受けたり、2006年トリノ五輪男子銅メダルのジェフリー・バドル氏(カナダ)からスケーティングやスピンなどの技術指導を受けたりするなど、内容の濃いメニューをこなしていた。

 そのなかには、今春から練習拠点をロサンゼルスに移した本田真凜(16歳)の姿もあった。



全日本シニア強化合宿に参加、笑顔を見せる本田真凜

 本田はロサンゼルスで、ネイサン・チェン(アメリカ)ら、世界トップスケーターを指導するラファエル・アルトゥニアンコーチに師事している。昨年10月のジャパンオープンのときにアルトゥニアンコーチと話す機会があり、コーチからトライアウトを受けてみたらどうかと誘われたのが、海外に拠点を移そうと思うきっかけになった。

「アメリカには、ラファエルコーチから来てみたらと言われたので、自分の可能性を伸ばすために一度トライアウトを受けてみようと思って行きました。トライアウトはすごくきつくて、この練習をしたら強くなれるんじゃないかなと自分で思ったので、拠点を変えました」

 4月下旬のプリンスアイスワールドに出演した後、兄の太一とともにアメリカ入りすると、日本でのアイスショーや合宿参加などで日本と米国を行ったり来たりしながら、スケート漬けの充実した毎日を送っている。

「朝8時から夕方5時くらいまでリンクにいて、氷上練習や陸上トレーニング、ダンスなど、いろいろやっています。朝のアップから最後のトレーニングが終わるまで、ずっとコーチたちがついて、つきっきりで教えてくれるのに驚きました。ネイサンやアシュリー(・ワグナー)とか、みんなすごい選手たちと一緒のレッスンなので、いい環境で練習できて学ぶことがたくさんあります。

 いまのところ、言葉と食事以外は全部、アメリカに来てよかったなと思うことばかりです。言葉については、スケートのなかでの単語は、日本でも使われる言葉なのでわかるんですけど、普段の会話で言いたいことを何と言えばいいのかわからなくて、モヤモヤする感じです。だけど、それも頑張っていきたいなと思います。

 食事は日本食がすごく好きなので、一カ月を超えるとだいぶ日本食が恋しくなります。でも、日本にいるときに比べて、本当に気楽にどこかに遊びに行くことができないので、スケート中心の生活ができています」

 アメリカでの生活は兄との二人暮らしで、週5日は自炊をしているとのこと。得意の卵焼きを毎日作って食べ、2週間に1回くらい、オフの日に外食に出かけるのが元気の源だという。

「(アメリカでのスケート生活は)楽しめています。オンオフの切り替えがすごくできる国というか、気候もいいので、朝から夜までリンクにいても、外に出たら明日から頑張ろうと思える場所です。言葉もこれから頑張っていきたいなと思っていて、いつかはインタビューとか、英語で答えられるようになりたいです。

 毎日の練習でヘトヘトですが、(アメリカ入りしてから)3カ月経って、筋肉痛とかもなくなってきて、きつい練習にも馴染んできているかなと思います」

 気分屋の一面があり、練習嫌いでもあった本田だが、日本で練習していたときよりも、目標をしっかりと持って、意味のある練習を意識してできるようになったという。

「環境をガラッと変えて新しい生活をスタートさせて、ジャンプの跳び方とかもすべてが変わったので、それが大きいかなと思います。それに、オリンピックに出ることがどれだけ大変で、軽い気持ちじゃダメということがわかり、それだけの努力が必要なんだなと(他の選手たちを)見ていて思ったので、あと4年間、必死で頑張りたいなと思っています」

 心機一転を図って挑む今季の新プログラムは、ショートプログラム(SP)がダンサブルな曲『セブン・ネーション・アーミー』(振り付け:シェイリーン・ボーン)、フリーは中国の映画曲『ラバーズ』(振り付け:ローリー・ニコル)となった。

「どちらのプログラムも楽しい自分や新しい自分を見せられると思うので、新しいスタートです。フリーでは、主役の強い女性をしっかりと演じたい。

 昨季はずっと自信がないままの一年だったので、今季はしっかり自分に自信が持てるような練習をして、いい結果が出せたらいいなと思います」

 新生・本田真凜がどんな演技を見せるのか。どんな成長を見せてくれるのか。アメリカでの新たな挑戦に期待したい。

◆『ファンタジー・オン・アイス2018 幕張』フォトギャラリー

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