日本人ボクシングチャンピオンといえば誰を想像するだろうか。
辰吉丈一郎、具志堅用高、ファイティング原田、井上尚弥など、
時代を彩るスターが後を絶たない。

2018年7月現在、7人の世界王者を排出する日本はボクシング大国の1つと言ってよいであろう。
では、彼らボクサーは引退後どのようなキャリアを歩むのであろうか。
具志堅用高はタレントに転身し、天然キャラクターとしてお茶の間をわかせている。
TV解説者や指導者に転身する選手もいる。
しかしこれらはほんの一握りに過ぎず、全く異なるセカンドキャリアを歩む者が多くいるのではないか。

リングネーム「一勢ヤゴシ」 
22歳でプロボクシングを引退した若者が、
どのようなセカンドキャリアを歩んでいるのか取材した。
 

--本日はよろしくお願いします。簡単に自己紹介をお願いします。
 
板屋越一勢(イタヤゴシ イッセイ)と申します。
珍しい名前ですが、「ヤゴシ」と呼んでください。
東京都出身の24歳で、元プロボクサーです。
現在は大学も卒業して、タレント活動やコンテンツ発信を行っています。
特技は運動と語学です(笑)
幼少期にメキシコとアルゼンチンに住んでいたので
スペイン語、大学時代の留学経験からポルトガル語も話すことが出来ます。

 
--元プロボクサーとのことで、体格はたしかに良いですけど爽やかで、語学が得意だったりギャップがあって良いですね(笑) 
 
体格はそのままですが、ボクシングは完全に引退し、指導とかもしていないです。
今は完全にボクシングと関係の無いことをやっています。

 
--そうなんですね。現在のお話の前に、ボクシング時代のお話をまず伺わせてください。ボクシングを始めた理由はなんですか?
 
理由は3つあります。
1つ目は、「表現者」になりたかったからです。
高校時代、写真を撮ることにハマって最初は大学の「写真学科」に入ったのですが、
撮り続けるうちに、自分自身を被写体として表現したいと考えたので中退し、ボクシングを始めました。

2つ目は、何かの為に命をかけて闘ってみたかったからです。
TVや映画の影響で以前からボクサーに憧れを抱いており、私も何かの為に命をかけて闘ってみたくなったからです。

3つ目は、人間が本来持つ闘争本能や喜怒哀楽などを最も感じることが出来る仕事であると思ったからです。
子供の頃から「野生」や「本能」とかに哲学的興味がありました。
ですが自分が何をしても心から喜べなかったり、悲しいという感情が全然湧いたことがなかったんです。
TVを観るとボクサーって試合中に怒るし、試合後に喜ぶし、泣くし、感情が溢れる姿を観て、
「ボクシングをやれば自分も色んな感情を感じることが出来るんじゃないかな」って思いましたね。

実際ボクシングをやって、これら3つは全て体現できました。
※ちなみに大学を中退し、プロテストに合格した後に他大に入り直し、スペイン語学科を卒業


--とは言っても、やってて辛いことも多かったのではないですか?
 
はい、辛いことはいっぱいありました、まず単純に殴られて痛かったです(笑)
「殴られるってこんな痛いのか」って思いました。
デビュー前に、スパーリングで目の奥を骨折して手術したりもしましたね。
減量も辛かったですね。
一人暮らしだったのと勉強不足もあり、栄養バランスの良い食事を取れず、
減量方法も滅茶苦茶だったので摂食障害の一つである「過食嘔吐」に悩まされた時期もありました。
そのこともあってかプロテスト前の健康診断では「鉄分不足」、「栄養失調」でひっかかりましたね。
 

--そういった辛い思いの積み重ねから「辞めたいな」とおもったんですか?
 
いえ、これらを含めて私は成長出来たので、辞めた理由は別にあります。
2つあって、当初の目的を達成したので闘う理由が見つからなくなった、というのと、
そもそも人を殴ることが辛くなってきたからです。

人間である以前に動物として持っている「本能」や「喜怒哀楽」を知りたいと思ってはじめましたが、
達成した後、じゃあ再びボクサーとして闘っていこうとなってジムでスパーリングをしている時に、
「もうこれ以上人を殴りたくない」と思いましたね。
試合中も相手が痛そうにしているのを見て、
「早く審判止めてくれないかな」と思ってしまったり(笑)
もちろんスポーツ競技としてなので暴力では勿論ないのですが、
相手を殴る自分の拳と心が痛かったことをよく覚えています。


--辞めた時、周りはどんな反応でしたか?
 
親はホッとしていたようです。
ただ、何か新たに打ち込めるか心配していたようです。
実際、すぐに「これをやろう」というのは無かったです。
だからまずは色んなことをやってみようと思いました。
私、「経験フェチ」なんです(笑)

 
--経験フェチのヤゴシさん(笑) 具体的にどんなことを始めましたか?
 
普段は出来ない経験をしながら、様々な感情に触れることの出来る仕事、
役者を始めました。
自主製作映画を始め、園子温監督の映画にも少しだけ出演しました。
ちなみに、NHKの朝ドラ「ひよっこ」に一瞬出ましたよ! 
 

--NHKの「ひよっこ」ではどんな役で出演を?
 
「街でシャドーボクシングする男」の役です(笑)
 

--まさに適役ですね(笑) 色々やって大学も卒業されて、現在は何をやっていますか?
 
はい、今もこれからもやっていきたいことなんですが、
抽象的に言うと「自然」や「野生」みたいなものの素晴らしさ、
現状を世の中に発信していきたいです。
「人間として」の前に私たちは「動物として生きている」のだと私は思っています。
幼少期を過ごし、大学時代に留学をした地球の真裏、
南米では日本よりも遥かに人間と自然が共存をしていました。
しかし、世界は「発展至上主義」といいますか、
自然や動物らの犠牲の上で成り立っているのが我々人間社会の実態です。

要するに私たちの社会は維持するだけですらコストがかかり過ぎなんですよ。
「大量生産」「大量消費」「環境破壊」この先にあるのは「破滅」の一文字ですよね。

そんな社会に警鐘を鳴らす為、
もっとローコストで地球に優しい生き方を世に広めていきたいと考えたのです。
具体的には、8月に無人島に行って1週間ほど生活します。
その様子をSNSやYouTubeで発信します。

あと、これはお金が溜まり次第ですが、アマゾンに行って原住民の方々と狩猟生活をしてみようと企画中です。

 


--多くの人に「野生」や「自然」の大切さを届けたいんですね。
 
はいそうです。
ただ、今の私の発信力は無いに等しいので、
平行して私自身の認知活動も行っています。
それが、「武井壮そっくりのヤゴシ活動」です(笑) 
 

--なんですかそれは(笑) 詳しく聞かせてください。
 
似ていると言われるので「武井壮モノマネ」をしています。
実はプロボクサーとなった後に「武井壮のそっくりさん」としてTVに出たことがあります。
最初は友達から「武井壮に似てるね」と言われても、
「なんだこの人、なんだライオンの倒し方って、似てるか俺??」
と複雑な心境であまり良い気がしませんでした(笑) 

ただ、TVで実際に本人とお会いして話してみると、
凄く物事をしっかりと考えている方でそれまでのマイナスイメージが一気に覆りましたね。
本人自身、「陸上の10種競技で日本チャンピオンになった自分より、芸人さんの方が周囲を楽しませている。
もっと面白くて影響力のある人になることで周りの人を幸せにしたい」と思い、
独特のキャラクターを開発してタレント活動を始めたそうです。
今となっては、知名度、影響力、発信力がかなりありますよね。

なので完全に武井壮さんへのリスペクトを称して
「面白くて影響力のある人間になろう、
そしてそんな自分が野性や自然の素晴らしさを伝えていこう」と思って
彼のそっくりさんとして活動を始めました。

お肉でもただの「牛」より「松坂牛」とか「黒毛和牛」とかの方が旨そうだし、
「ヤゴシ」ではなく、
「武井壮そっくりさんのヤゴシ」とか
「百獣の王候補生のヤゴシ」等の枕詞と一緒に認知されるように
「武井壮モノマネ」は続けていきたいです。

ゲリラ的に渋谷で武井壮モノマネをやったり、
腕だけで高尾山に登った動画をUPしたりもしてます。
ちなみに、「武井壮モノマネ」は競合のいないブルーオーシャンです(笑)


※武井壮モノマネ活動については次回タップリ紹介予定

 


--凄く面白く充実したセカンドキャリアですね。最後に、ヤゴシさんの今後の目標はありますか?
 
今の活動を続けて発信力と知名度を高めたいですね。
大きいことを言うと「クレイジージャーニー」や「情熱大陸」のような番組に出て有名になりたいです。
有名になったら「野生」や「自然」の素晴らしさをより多くの人たちに届けることが出来るので。
私の活動に共感して何か一緒にやってくださる方、応援してくださる方募集中です。
 

 

ヤゴシこと「板屋越一勢」、
名前通りの持ち前の勢いの良さでボクシングを始め、
22歳で引退した元プロボクサーは、
引退後も非常に彼らしい道を歩んでいた。
笑顔とユーモア、そして「自然」や「野生」への愛に溢れた
非常に応援したくなるセカンドキャリアを彼は送っている。

次回、「6時間で、腕だけで高尾山に登れるのか -武井壮チャレンジ-」
で腕だけ登山の様子をお伝えします。
 
ヤゴシツイッター(フォロワー募集中!)
ID: Yagoshigoshi55
URL: https://twitter.com/Yagoshigoshi55
 
ヤゴシYouTubeチャンネル(武井壮モノマネを公開中!)
https://t.co/9K0TdOWNRe

 

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華岡佑
モットーは「常にチャレンジャーと共に」誰もがチャレンジ出来る場を提供し続けたい。自身もチャレンジし続ける。