ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が2018年の「ウィンブルドン」で優勝。肘の手術などで一時はツアーを離れもしたが、完全復活を遂げた。今回、4度目の「ウィンブルドン」のタイトルを獲得するまでの思いを綴った手紙を公開し、「ウィンブルドンの芝は美…

ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が2018年の「ウィンブルドン」で優勝。肘の手術などで一時はツアーを離れもしたが、完全復活を遂げた。

今回、4度目の「ウィンブルドン」のタイトルを獲得するまでの思いを綴った手紙を公開し、「ウィンブルドンの芝は美味しかった。アボカドを加えたら、完璧でしょう」と冗談も交えながら明らかにした。

ジョコビッチは、公開した手紙を「おむつ替えと恐竜の本の合間にこのメッセージを書いている」とした上で、表彰式に息子が同席した感想を記した。

父親になった時に、自身の試合に子供らをスタンドに招くことを夢に描くようになったとした上で、「数日前にこの夢はかなった」。その感想を尋ねられた際には「忘れがたく、特別で、充実していて、素晴らしく、嬉しい」と答えたと、自身の心情を描写した。

さらに、「しかし何より、不思議な感じがします!これ以上素晴らしいことはないだろうと思った時、息子が『パパ、パパ!』と叫んだのです。このとき感極まってしまいました。信じられないほど幸せで嬉しいものでした。この経験にとても感謝しています」と自身の感動的な体験についても記している。

またテニスに取り組むにあたり「2017年に肘の怪我がひどかったせいで、6ヶ月間ツアーから離れざるを得ませんでした。怪我は問題の1つで、別の大きな問題の1つはやる気でした」と、ジョコビッチにとってモチベーションが課題の1つだったという。

同選手は「練習をしたり、テニスコートで楽しむことは問題がなかったのですが、乗り越えなければならない精神的ハードルがありました」と経緯を明らかにした。

加えて「ここ2年間、テニスへの期待感に辛抱強くなれませんでした。戦略的になる賢さもなく、肘に深刻な事態が起きているという、身体の悲鳴も自らでは聞き取れませんでした」と語り、困難にも向き合わなければならなかったことを窺わせた。

ジョコビッチはまた、自身を信じて、もう一つの「ウィンブルドン」のトロフィーを得られるよう支援してくれたすべての人々に最大限の称賛と尊敬を示したいとしている。

完全復活したジョコビッチが今後、さまざまな思いを抱きながらも、より偉大な成績を出していけるかどうかも含めて、さらなる活躍に期待したい。(テニスデイリー編集部)

※写真は「ウィンブルドン」での表彰でインタビューに応えるジョコビッチ

(Photo by Visionhaus/Getty Images)