テニス界のスーパースター、ロジャー・フェデラー(スイス)。彼が2015年に初めて見せた奇襲のリターン戦術「SABR(セイバー)」(Sneak attack by Rogerの略で、サービスライン付近まで前に出て相手のサービスをリターンし、そ…

テニス界のスーパースター、ロジャー・フェデラー(スイス)。彼が2015年に初めて見せた奇襲のリターン戦術「SABR(セイバー)」(Sneak attack by Rogerの略で、サービスライン付近まで前に出て相手のサービスをリターンし、そのままネットプレーにつなげるプレー)は、多くのファンやライバルを驚かせた。

フェデラーは「SABR」について、シンシナティの大会でブノワ・ペール(フランス)と練習している時に思いついたのだと話している。フェデラーは時差で疲れ切っていて、できるだけ早くプレーを終わらせるにはという中で思いついたのだそうだ。

Tennis World USAによるとフェデラーはその時のことを、プライベートジェット関連の企業ネットジェッツ社とのインタビューで次のように説明している。

「私は常に自分自身をエキサイティングにする新しい方法を探している。もちろんファンのためにも。しかしそれは成功しないといけないので、私は最初練習中に冗談で相手のサービスをすごく早いタイミングで取ってみたのです」「するとコーチが『なぜそれを試さないんだ』と私に言う。なぜなら彼はいつも私に、もっと早くリターンを返すように言っていたからね。私は『こういう事ですか』と聞き、誇張した感じで相手のサービスを概ねハーフボレーしたんだ」

「そして、それを練習だけじゃなく試合でも使い始めたら、みんなが『オー・マイ・ゴッド。これは何だ?』となった。だから私たちはそれを"Sneak attack by Roger"(ロジャーによる奇襲)すなわち『SABR(セイバー)』と呼ぶことにしたんだ。とにかくそれを『全米オープン』の決勝で使った」

「私はプレーしたほぼすべての国でSABRを使用している。そしてファンは今、それが起こることをある程度期待している」

「相手にはちょっと失礼な事だと思うので実行するのは本当に難しいが、と同時に、やるのは最高に楽しいんだ!」「失敗すればひどい、うまくいけば素晴らしい。プレッシャーだけど、それは楽しいことだしファンも楽しんでくれているようだ」

8月8日には37歳を迎える"生きるレジェンド"フェデラー。今でも進化を続け、常にファンを楽しませてくれる彼のプレーからまだまだ目が離せない。(テニスデイリー編集部)

※写真は2018年「ウィンブルドン」でのフェデラー

(Photo by Michael Steele/Getty Images)