「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/7月2~15日/芝コート)の大会10日目、グランドスラム決勝の舞台に、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が立つ。セレナは2017年1月に行われた「全豪オープン」以降から今年の3月まで妊娠と出産でツアーを…

「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/7月2~15日/芝コート)の大会10日目、グランドスラム決勝の舞台に、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が立つ。

セレナは2017年1月に行われた「全豪オープン」以降から今年の3月まで妊娠と出産でツアーを離脱していた。その彼女が最高のレベルに戻ってきたと言っていいだろう。

今大会に第25シードで出場しているセレナは、準決勝のユリア・ゲルゲス(ドイツ)との試合を6-2、6-4のストレートで勝利。「ウィンブルドン」での自身10度目の決勝進出を決め、8度目となる優勝まで後一歩に迫っている。

また、セレナは現在、グランドスラムのタイトルを23個獲得。もし今大会でも優勝すればシングルスで史上最多の24回目の優勝となるが、同選手は「自分に限界を設けたくはない。かつてはそうして、限界を作っていた」と振り返った上で、次のタイトル獲得に向けた意欲も示しており意気込みは十分だ。

ただ、セレナにとって、「ウィンブルドン」決勝までの道のりは、平坦ではなかった様子だ。

2017年の「全豪オープン」の後、セレナは妊娠のためツアーを離脱して、9月には出産。さらに、複数回の手術と、重大な合併症にも苦しんだ。一時は郵便受けまで行くことも困難だったといい、今回の決勝進出まではまさに紆余曲折と言っていいだろう。

ただ、今でさえセレナ自身は、よちよち歩きの「ベイビーステップ」のようだと話すなど、一つひとつ課題を克服してきたことを窺わせてもいる。

特に、肺血栓塞栓症への対処は、セレナ自身も「精神的にチャレンジングなものだ」という。

その点について同選手は「精神的には非常に、非常に困難で。自分がそんなトラウマのような思いを持つとは思ってもみなかった。特に今は娘もおり、サポートするためにできるだけ彼女のそばにいたい」と大会公式サイトを通じて語っている。

そのセレナはゲルゲスとの準決勝などで見事なプレーを見せるまでに復活したが、決勝戦ではさらなる強敵と対峙する見通し。相手となるのは第11シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)で、2016年の「全豪オープン」と「全米オープン」での優勝者とぶつかることになる。

ケルバーについてセレナは「芝を最も得意にしている。ウィンブルドンでもいいプレーをしており、芝でのプレーの仕方を知っている。最近3年で2度目の決勝戦でしょ?とても印象的」と語っている。

また同様に「彼女(ケルバー)がそこで勝ちたがっていることも知っているし、私もそう。試合は最後のファイナルの様になるだろうし、本当に良い決勝戦になるだろう。うまくいけば良い結果になる」とセレナは語っており、決勝戦に相応しい試合になると期待してよさそうだ。(テニスデイリー編集部)

※写真はサーブを放ったセレナ

(Photo by Chaz Niell/Icon Sportswire via Getty Images)