イギリス・ロンドンで開催されている「AEGON選手権」(ATP500/6月13~19日/賞金総額180万2945ユーロ/グラスコート)の準決勝で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が第5シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を6-…

 イギリス・ロンドンで開催されている「AEGON選手権」(ATP500/6月13~19日/賞金総額180万2945ユーロ/グラスコート)の準決勝で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が第5シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を6-3 4-6 6-3で下して決勝に駒を進めた。

 マレーはあと1勝で、今大会で5度優勝した初のプレーヤーとなる。1890年に大会が創設されて以来、4度優勝したプレーヤーはほかに4人おり、その顔触れはジョン・マッケンロー(アメリカ)、ボリス・ベッカー(ドイツ)、レイトン・ヒューイット(オーストラリア)、アンディ・ロディック(アメリカ)だ。

 「大きな意味があることだ」とマレーは試合後に言った。「長年にわたり、多くの偉大なプレーヤーたちがこの大会でプレーしてきた。言うまでもなく、どの大会であれ何度も優勝するというのは難しいことだが、特にこの大会は毎年強い選手たちが出場している」。

 マレーは決勝で、第3シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)と対戦する。ラオニッチはバーナード・トミック(オーストラリア)を6-4 6-4のストレートで下して決勝進出を決めている。

 チリッチとの準決勝でマレーは試合の出だしから声を上げて自分を叱咤し、いくつかのラインコールに異議を唱える場面もあったが優勢に試合を進めていった。

 コーチのイワン・レンドル(アメリカ)が見守る中(レンドル自身、2度この大会で優勝したことがある)、マレーはチリッチにフォアハンドのミスを強い、ブレークを果たして2-1とリードとすると、次のゲームでは4つのブレークポイントを凌いでサービスをキープした。また5-3からラブゲームでふたたびブレークを果たし、マレーが第1セットを取る。

 第2セットのマレーはブレークポイントを凌いでサービスをキープして2-1としたが、チリッチは3-3からついにブレークを果たして4-3とリードとすることに成功した。マレーは次のゲームで手にした3つのブレークポイントをものにすることができず、フラストレーションを募らせることに。チリッチはそのまま突き進み、このセットを取って1セットオールと追いついた。

 しかし、第3セットのマレーはついに主導権を取り戻し、わずか2ポイントしか落とさずに3-0とリード。その勢いのまま、セットと試合を終わらせた。

 一方、ラオニッチは一度もトミックに深刻に脅かされることはなかった。サービスによってゲームは簡単に進み、4-4からの第9ゲームでラオニッチは4つ目のブレークポイントをものにして5-4とリード。最後は自分のサービスをキープして、第1セットを首尾よく取った。

 第2セットの出だしでラオニッチはブレークポイントを取り損ねたが、トミックのダブルフォールトのおかげもあり、第3ゲームでブレークに成功してスコアは2-1に。トミックは第8ゲームでブレークポイントをつかんで4-4と追いつくチャンスを手にするが、ラオニッチはそのチャレンジに打ち勝ち、今年3度目の決勝進出を決めた。(C)AP