長い戦いが終わった。ダスティン・ジョンソン(アメリカ)が、今季海外メジャー第2戦の全米オープンゴルフを制した。悲願のメジャー初優勝。昨年のリベンジを果たした。 第3ラウンドを終えて首位に立ったのは、アイルランドのシェーン・ロウリー。通算7ア…

長い戦いが終わった。ダスティン・ジョンソン(アメリカ)が、今季海外メジャー第2戦の全米オープンゴルフを制した。悲願のメジャー初優勝。昨年のリベンジを果たした。

 第3ラウンドを終えて首位に立ったのは、アイルランドのシェーン・ロウリー。通算7アンダー。ジョンソンは通算3アンダー。4打差で最終ラウンドをスタートしたジョンソンは、2番でバーディが先行すると、その後も2バーディ、2ボギーの69、1アンダー、通算4アンダーにまとめ、軒並みスコアを落とすライバルたちを振り切った。

最終的には、2位タイと3打差。最終ホールもセカンドショットを1.5メートルにつけてバーディを奪ったジョンソン。いつメジャーに勝ってもおかしくないといわれていた、去年までの姿はそこにはなかった。

 通算1アンダーの2位タイには、ジム・フューリック(アメリカ)、スコット・ピアシー(アメリカ)、ロウリーの3人。通算アンダーパーは4人。通算イーブンパーの5位タイにセルヒオ・ガルシア(スペイン)とブランデン・グレース(南アフリカ)の二人。通算1オーバー、7位にケビン・ナ(アメリカ)。通算2オーバーの8位タイにジェイソン・ダフナー(アメリカ)、ザック・ジョンソン(アメリカ)、ジェイソン・デイ(オーストラリア)、ダニエル・サマーヘイズ(アメリカ)がつけた。

 アダム・スコット(オーストラリア)は通算6オーバー、18位タイ、ジョーダン・スピース(アメリカ)、マスターズ覇者のダニー・ウィレット(イングランド)は通算9オーバー、37位タイに終わった。

 日本勢で決勝ラウンドに残った宮里優作と谷原秀人も健闘した。宮里は前日の18番同様、14番でセカンドショットを直接放り込みイーグルを奪うなど、通算7オーバー、23位タイ。谷原はこの日2オーバー。粘りのゴルフを見せて通算12オーバー、51位タイで終わった。

 メジャーに勝てない男がついに勝った。父の日となった最終日。父となったジョンソンにとって最高の日となったに違いない。

 

■メジャーチャンピオンになったジョンソン


「いい選手ではなく最高の選手になりたい」

昨年大会、最終ホールで3パットを喫して、メジャー初優勝を逃したジョンソン。過去にも惜しいところで勝利を逃してきただけに、今回の勝利は喜びもひとしおだ。
「これまでで最高の父の日になった。家族の前でメジャーに優勝することができてうれしい。特に昨年の18番で起こったことを考えると、ようやく今年になって仕上げることができた。楽しかった」
ツアーからの長期離脱や、メジャーでの惜敗。これまで数々の苦難を味わった。ロングヒッターで、いかにもアメリカ人受けするタイプ。バックナインはギャラリーを熱狂の渦に巻き込んだ。
「僕も成長しているということ。最高のプレーはできなかったけど、かなりいいプレーはできた。いい選手ではなく、最高の選手になりたい」
22日に32歳の誕生日を迎えるジョンソン。前祝いとなる今夜。最高の美酒に酔いしれることだろう。

 

■ベテランの味で予選通過した二人


予選落ちの松山英樹に代わって大会を盛り上げた

最終ラウンドでも日本人二人が奮闘した。宮里は14番イーグルでまたしてもダンスを披露。連日のショットインにファンも巻き込んで盛り上がった。通算7オーバー、23位タイで終戦、大健闘だ。
「ティショットが最後までよくなかったけど、アプローチやパットで収穫がありました。イーグルは父の日のプレゼントになりました。ダンスのクオリティは昨日よりはよかったですね(笑)」
日本ツアーでは選手会長としても多忙な日々を送る宮里。プレーでも存在感を見せつけて、来月の全英オープンに弾みをつけた。
初日の中断の影響を受け続けた谷原。この日も第3ラウンドの残り2ホールを消化した。
「今週は朝、昼とよく練習場に行って練習しましたね(笑)。長かった。コースに負けた感じがします。予選通過をしたのはよかったけど、昨日、今日とよくなかったです。全英に向けて調整します」
宮里は今日36歳の誕生日を迎えた。谷原は37歳。ベテランの域に達してきた二人が日本代表として熱い戦いを見せてくれた。