エキシビションや予選で導入されつつある「ショットクロック(ポイントが決まってから次のサーブを打つまでの時間を25秒以内にする)」が、8月に開催される「全米オープン」のメインドローに導入される予定になった。「ウィンブルドン」の最高責任者リチャ…

エキシビションや予選で導入されつつある「ショットクロック(ポイントが決まってから次のサーブを打つまでの時間を25秒以内にする)」が、8月に開催される「全米オープン」のメインドローに導入される予定になった。「ウィンブルドン」の最高責任者リチャード・ルイス氏も「おそらく「ウィンブルドン」でも行われるだろう」と示唆したが、「ただし、導入を急ぐ考えではない」と打ち明ける。

ラファエル・ナダル(スペイン)は、グランドスラムのルール変更について「そのような動きはテニスに悪影響を与える危険性があり、歴史的な試合には必ずポイントの間に追加の時間が必要」と異を唱えている。「いま僕は32歳で、今後どれだけプレーするかはわからない」と前置きをしつつ、「個人的には、この話で自分が困ることはないと思う。テニスというスポーツの観点からいえば、場合によりけりだ。考えずに短時間の試合を見たいなら、いいことだ」と話す。「でもビジネスだけだと思えることもあるし、だから...これは支持できない、無理だ。テニスの歴史に残る試合が、そんなに短時間で終わったとは思えないから」。

「感動的な試合で、試合の合計時間が2時間だった試合を思い出せない。これまでテニスの歴史で重要な試合はすべて、4時間や5時間はかかっていた」と振り返る。ナダル自身でも初優勝した「ウィンブルドン」の決勝は5時間近くに及び、2012年「全豪オープン」でノバク・ジョコビッチ(セルビア)と競ったときは、グランドスラムの決勝として史上最長となる5時間53分の記録を作った。ナダルはサーブに時間がかかり警告を取られることがあるが、それには理由がある。「このような試合をするには、ポイントの間に時間が必要だ。ポイント間がたった25秒で、長いラリーをして感動的なポイントを取りながら連続でプレーすることはできない」。

3回戦で世界80位のアレックス・デミノー(オーストラリア)に快勝したナダルは、4回戦へ進出を決めている。(テニスデイリー編集部)

※写真は「ウィンブルドン」1回戦でのナダル

(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)