いよいよ最終日を迎える全米オープン。ダスティン・ジョンソン、セルヒオ・ガルシア、リー・ウェストウッド、ブレンダン・グレースらメジャー初優勝を狙う選手が優勝争に名を連ねる展開に。

上位陣は第3ラウンドのプレーを数ホール残しているが、三日目終了時点でアンダーパーはわずかに6名と全米オープンらしい展開となった。

すぐにボギーが出てしまう難コースオークモントCCでのプレーに各選手は苦戦。技術力以上に高い集中力と忍耐力が求められる。2日目にゲスト解説を務めた藤田寛之も「ラウンド中に技術的な部分も改善することは難しい。悪い流れになっている時はキャディと関係ない話をしてリフレッシュするとか、自分を盛り上げることが必要。」と話していた。

 

メジャー制覇を支えたキャディーの言葉

プロゴルファーにとってキャディの存在は大きい。野球で言えばピッチャーとキャッチャーの関係のように、互いを理解し合い、最大限のパフォーマンスを発揮すること。トップレベルであればあるほど、そこには技術や相性を超えたパートナーとしての力が求められる。

昨年の覇者ジョーダン・スピースは優勝インタビューで「17番でダブルボギーを叩いた後に、18番のティーショットはキャディからスムーズなリズムで打つように言われて、思った通りの所に打つことができた。彼は私にとって右腕のような存在であり、今回優勝することが出来たのは全て彼(キャディ)のお陰だ。」と話した。

注目は全米オープン初出場ながら予選通過を果たした宮里優作。チップインイーグルを決めるなど、通算3オーバーで暫定21位につけている。今季は選手会長として期待される中、国内ツアーではこれまで思うような成績が残せず苦労してきた。自身の誕生日でもある最終日にどんなプレーを見せてくるのか日本のゴルフファンも期待を寄せる。

宮里をキャディとして支える杉澤伸章は以前、番組の収録で自身のキャディ哲学についてこんな話をしていた。

キャディは空気職人

松山英樹の専属キャディである進藤大典との対談を行った杉澤。進藤から「新しいコースでの風の読み方や選手同士のリズムが合わない場合の対処法」について質問された際にアドバイスした言葉。 

杉澤「風の読み方は選手によって特徴があるから大ちゃんは既に出来ていると思う。焦った時に冷静になるのは難しいから、足の裏を意識してゆっくり歩くようにするといい。自然といろんなことがゆっくりになると選手も落ち着く。言葉じゃなくて、二人だけの空気を作ることがキャディとして大切なこと。キャディは空気職人だって思う。」

『big voice no maybe』

話すスピードや声のトーンなどプレー中の選手への言葉の伝え方について聞かれると、「一番大事なことは大きな声で言い切ってあげること。自分の中でのキャディとしてのこだわりなんだけど、"big voice no maybe" 『たぶん○○とか、○○と思うな、といった曖昧な表現はしない。そうすれば選手が迷わないようになる。『何番?』って聞かれたら『7番アイアン』って先に結論を言い切ってあげて、『なんで?』って聞かれたら話しを続けていく。昔、タイガーのキャディをやっていたスティーブが話していたことなんだけど、声の大きさは自信の表れだから。』と話す杉澤。

丸山茂樹から教わったキャディの役割「辛い状況も笑いに変える」

丸山茂樹と共に6年間アメリカで戦ったことで多くのことを学んだという杉澤。

杉澤「どんなに辛い状況でも笑いに変えることを丸山さんから教わった。難しいアプローチだったとしても、「グッドラック」って言ったり、何か楽しい雰囲気を作ってあげることが大切。コースを離れてもPGAツアーは田舎が多いからリフレッシュする場所がなくて。それでもカフェの外で丸山さんのマネージャーとガチンコの相撲したり(笑)。アメリカだと、どうでもいいことが楽しかったりする。楽しみを生むのもキャディの仕事。試合中も流れが悪い時に笑いを見つたりする。」

全米オープン初出場の宮里を予選通過へ導いた杉澤。難コースオークモントCCを舞台に、さらなる上位フィニッシュを目指す宮里。『空気職人』の真価が問われる最終日、宮里そしてキャディ杉澤にも注目したい。

ゴルフネットワークでは19(日)深夜0時から大会最終日を勝負を決する最後まで完全生中継でお送りします。ぜひお楽しみに!