南アフリカの地で一度も勝ったことがなかったアイルランド代表相手に、初陣で白星をあげられず、就任早々、重圧がかかっていたスプリングボックス(南ア代表)のアリスター・クッツェー新ヘッドコーチだが、テストシリーズの2戦目で辛くも勝利を収め、笑顔…

 南アフリカの地で一度も勝ったことがなかったアイルランド代表相手に、初陣で白星をあげられず、就任早々、重圧がかかっていたスプリングボックス(南ア代表)のアリスター・クッツェー新ヘッドコーチだが、テストシリーズの2戦目で辛くも勝利を収め、笑顔が出た。6月18日にジョハネスバーグのエミレーツエアラインパーク(エリスパーク)でおこなわれた試合、南ア代表は後半23分まで16点を追う苦しい展開だったが、終盤に3連続トライを奪い、32-26で逆転勝ちした。

 ビッグ4の一角とは思えぬほど、前半の南アは雑なプレーが続いた。反則、ハンドリングエラー、ミスタックルが多く、アイルランドのSOパディー・ジャクソンにPGで得点を重ねられた。
 3-12で迎えた33分には、南アのWTBルワジ・ンヴォヴォが自陣でキック処理を誤り、ボールを確保したアイリッシュがたたみかけて、LOデヴィン・トナーがスコアラーとなる。

 3-19で後半に入った南アは、56分(後半16分)、カウンターアタックでFBヴィリー・ルルーが右サイドを突破し、サポートしたWTBルアン・コンブリンクがデビュー戦トライを挙げてようやく活気づいたが、わずか3分後、アイルランドがラインアウトモールで得点し、再び16点の差がついた。

 残り時間20分を切り、屈辱のテストシリーズ負け越しもちらついてきた南アだったが、64分、チーム一体となった連続攻撃でゴールに迫り、ジョハネスバーグを本拠地とするライオンズの主将、FLワーレン・ホワイトリーがトライを決めてファンの大歓声が沸き起こった。

 流れを呼び込んだ南アは69分、ゴール前のPKから速攻を仕掛け、LOピーター=ステフ・デュトイがインゴールに飛び込み、コンバージョン成功で22-26とする。

 そして4点を追う74分、LOエベン・エツベスのラインアウトスチールからフェイズを重ね、CTBダミアン・デアリエンディがタックラーをなぎ倒して壁を壊し、ゴールに持ち込んで逆転トライを挙げたのだった。
 その後、SOエルトン・ヤンチースがゴールキックで確実に加点し、厳しかった試合を制した。

 テストシリーズラストとなる第3戦は、25日にポートエリザベスのネルソン・マンデラ・ベイスタジアムでおこなわれる。