いよいよ7月8日にせまった大相撲名古屋場所、一番の注目は新大関栃ノ心がどこまで活躍できるか。初場所(1月場所)の優勝、夏場所(5月場所)の準優勝からは、横綱昇進の原則条件である2場所連続優勝も近いうちに実現できると、早くも栃ノ心の綱取りを期…

いよいよ7月8日にせまった大相撲名古屋場所、一番の注目は新大関栃ノ心がどこまで活躍できるか。

初場所(1月場所)の優勝、夏場所(5月場所)の準優勝からは、横綱昇進の原則条件である2場所連続優勝も近いうちに実現できると、早くも栃ノ心の綱取りを期待する声も大きいです。

新大関栃ノ心が横綱昇進を目指すためには何が必要か、平成以降に横綱に昇進した力士10人の綱取りのデータから予測してみたいと思います。

過去の綱取りは2場所26勝が最低条件

平成以降の綱取りの成績を見てみると、横綱昇進の条件である2場所連続優勝のためには最低でも2場所で26勝が必要となります。1場所15日のうち、平均13勝以上という高いハードルをクリアーするためには、横綱・大関との番付上位同士の対戦を制する強さだけでなく、番付下位の平幕(前頭)との対戦で取りこぼしをしない安定感も必要となります。

綱取りに重要となる平幕との対戦

上記の10人の横綱の綱取り場所の平幕戦の黒星数を見てみると、50%は平幕戦で無敗、30%は1敗となっており、平幕との対戦での取りこぼしが極端に少ない事が分かります。

逆に、綱取りの2場所合計での平幕戦の黒星は最大でも3つ、1場所平均1.5敗までしか取りこぼしが許されないと見て取れます。

現役の横綱・大関の大関取りの成績を見てみると

現役の横綱・大関(元大関含む)の大関取りの時の成績と、その後の横綱昇進とを見てみると、

横綱に昇進した白鵬、稀勢の里、鶴竜の3人は大関取りの時点で平幕戦の黒星数が3場所で4敗以下、綱取りの条件である対平幕戦の1場所平均1.5敗以下(3場所で4.5敗以下)の安定感がある事が分かります。

この条件に当てはめると、今回大関に昇進した栃ノ心と1年前に大関に昇進した高安は今後の綱取りが期待できるのではないでしょうか。

去年は稀勢の里の綱取りで20年ぶりの日本人横綱誕生に沸き上がった大相撲、栃ノ心の活躍で史上初のヨーロッパ出身横綱が誕生するか、2018年の大相撲は後半戦も目が離せません。

(文:表参道の公認会計士)