6月24日、「男子テニスATPワールドツアー500 ハレ」(ドイツ・ハレ/6月18~24日/芝コート)大会最終日の7日目。世界ランキング1位のロジャー・フェデラー(スイス)が、世界34位のボルナ・チョリッチ(クロアチア)に6(6)-7、6-…

6月24日、「男子テニスATPワールドツアー500 ハレ」(ドイツ・ハレ/6月18~24日/芝コート)大会最終日の7日目。世界ランキング1位のロジャー・フェデラー(スイス)が、世界34位のボルナ・チョリッチ(クロアチア)に6(6)-7、6-3、2-6のフルセットで敗れ、芝コートシーズン2大会連続の優勝はならなかった。試合時間は2時間6分。

フェデラーはキャリア通算99個目のタイトルがかかる一戦だったが、今回は優勝ならず。「ウインブルドン」以降に持ち越しとなった。今大会では2回戦でブノワ・ペール(フランス)の二度のマッチポイントを凌ぎ逆転勝ちするなど、苦しみながらも勝ち上がってきた大会だった。フェデラーから見事勝利を収めたチョリッチは自身2度目のツアー優勝、今大会ノーシードでタイトルを掴んだ。

チョリッチは今大会1回戦で、同世代ながらランキングでは格上の世界3位アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を破って好スタートを切り、同大会初めて決勝に勝ち進んできていた。2014年にATPの最優秀新人賞を受賞し、安定感のあるストロークとコートカバー力から「ミニジョコビッチ」と呼ばれることもある選手だ。

決勝戦は満員のセンターコートで、チョリッチのサービスゲームから始まった。第1セットはお互いサービスゲームキープで、立ち上がりから締まりのある試合に。5-5で迎えたフェデラーのリターンゲーム、この試合初のブレークポイントを握るも見応えのあるラリーで凌ぐチョリッチ。結局5回のデュースの末にブレークはならず、その後第1セットはタイブレークまでもつれ込んだ。

フェデラーはタイブレークで先にミニブレークに成功し5-3とするも、その後追いつかれ6-6に。逆にストローク戦で攻め込まれ、第1セットを落とした。

続く第2セット、第4ゲームにフェデラーが2本のバックハンドエースを決めてブレークチャンスに。しかしここでもブレークはならず、フェデラーはフラストレーションが溜まっているような様子も見せた。自身のサービスゲームは安定しており、ここまで一度も相手にブレークポイントを握らせないフェデラー。一方、ブレークのピンチを迎えても攻撃的なプレーで凌ぐチョリッチ。両者のレベルの高い我慢比べが続いていた。

そんな中フェデラーの4-3で迎えたリターンゲーム、今度は15-40の大チャンス。チョリッチがネット際の難しいボールをネットにかけ、フェデラーは遂にこの試合初のブレークに成功。そのまま第2セットを取り返した。

勝負の最終第3セットに入ると、またも両者キープ合戦に。見応えのあるラリーが随所に見られた。ところがフェデラーがサービスの第6ゲーム、今度はチョリッチにブレークポイントがいく。次のラリーでフェデラーのショットがほんの僅かにアウトとなりゲームカウント2-4に。追いかける展開の上、チャレンジシステムも使い切ったフェデラーは苦しい状況に置かれた。

フェデラーの2-5で迎えた第8ゲーム、大事な局面でフェデラーにこの試合唯一のダブルフォルトが出てしまう。するとチョリッチの猛攻が続き、最後はフェデラーのボレーがネットにかかって試合終了となった。

試合後にフェデラーは「彼(チョリッチ)には感銘を受けた。彼は自分のレベルを落とすことは決してなかった」と語り、自身については「後から考えると、たぶん敗因のカギは第1セットをタイブレークで取ろうとした事かもしれない。色んなところにもっとチャンスはあった」と振り返った。その一方で「シュツットガルトとハレで良い経験をしたと思う、胸を張ってここを去るつもりだよ」と話した。優勝したチョリッチは「本当に驚いている。優勝できるとは思いも寄らなかった」「1週間を通して、サービスが本当にうまくいった」と喜びを表した。

芝シーズンが開幕後、「メルセデス・カップ」から2週間連続で大会に出場していたフェデラー。「ウインブルドン」までの約一週間は少し時間が空くので、しっかり身体を休ませてまた活躍を期待したい。(テニスデイリー編集部)

※写真は決勝でチョリッチに敗れたフェデラー

(Photo by Friso Gentsch/picture alliance via Getty Images)