過酷な4日間の始まり 中断からサスペンデッドへ 世界最高の死闘が幕を開ける 史上最高の難度を誇るといわれる全米オープンゴルフが開幕した。今年の会場はペンシルベニア州のオークモントCC。総距離こそ長くないものの、太く長い密集したラフ、超高速…

過酷な4日間の始まり 中断からサスペンデッドへ 世界最高の死闘が幕を開ける

史上最高の難度を誇るといわれる全米オープンゴルフが開幕した。今年の会場はペンシルベニア州のオークモントCC。総距離こそ長くないものの、太く長い密集したラフ、超高速で傾斜あふれるグリーンに選手は警戒感を強めたが、初日のラウンドは予想以上に過酷になった。

 

 早朝からスタートした第1ラウンドはまさに波乱含み。10時すぎに雷雲接近のため1時間20分にわたり中断。一度は再開するものの、12時過ぎにまたしても雷雲のため中断。2時間半後の14時33分にプレーに戻るが、15時51分に再び無常のサイレン。携帯端末に洪水警報が流れる状況に加え、激しい雷に見舞われたコースは再開を迎えることなく、16時34分にこの日のプレーを終了した。

 

 日本勢は松山英樹、谷口徹、谷原秀人、宮里優作、池田勇太の5人。午後スタートの松山と谷口は一度コースに入り練習を開始するも、午前スタートの組でホールアウトが3組という過酷な状況の中、スタートを迎えることなくコースを後にした。

 

 午前スタートの谷原、宮里、池田は上々のスタートを切った。超難セッティングに翻弄される選手が続出すると予想された中、前日に降った雨の影響もあり、コースの様子は一変。フェアウェイはランが出ず、グリーンは止り、バックスピンでボールが戻りすぎるなど、新たな対応に追われた。その中でも谷原が2ホールを残して1オーバー、暫定16位タイ。宮里も2ホールを残して2オーバー、暫定24位タイ。池田は17ホールを終了した時点で3オーバー、27位タイ。午後組がスタートさえできていない状況を考えても、好スタートを切っているといえる。

 

 ホールアウトしたのはわずかに3組ながら、その中でもアマチュアのスコッティ・シェフラー(アメリカ)が1アンダーの4位タイ。暫定首位は、最終ホールでバーディパットを残すのみの間ジャー初出場、アンドリュー・ランドリー(アメリカ)。2アンダーの暫定2位タイにババ・ワトソン(アメリカ)とダニー・リー(ニュージーランド)。シェフラーと並んで1アンダー、暫定4位タイにつけるのが、リー・ウェストウッド(イングランド)、ケビン・ストリールマン(アメリカ)、ハリス・イングリッシュ(アメリカ)の3人。

 

 昨年覇者のジョーダン・スピース(アメリカ)は1オーバー、暫定16位タイ。5年ぶりの同大会優勝を目指すローリー・マキロイ(北アイルランド)は4オーバーの暫定38位タイ。メジャー初優勝が待たれるリッキー・ファウラー(アメリカ)は6オーバー、暫定56位タイと苦しい船出となった。

 

 第1ラウンドをスタートできなかった午後スタート組は、明日の午前にスタート。予選ラウンドの36ホールを消化するという長丁場。年間を通して最も日照時間が長く、夜の9時前まで明るいことを考えても、土曜日にずれ込むことが予想される。

 

 第1ラウンドの残りは現地時間金曜日の朝7時半から再開予定。第1ラウンドをスタートできなかった午後スタート組は、明日の午前8時にスタート。第2ラウンドは午前組が午後1時45分にスタート。午後組は夜7時15分にスタート。年間を通して最も日照時間が長く、夜の9時前まで明るいことを考えても、予選ラウンドは土曜日にずれ込むと発表された。

 

 コースに加えて気象条件までもが牙をむいた今年の全米オープン。過酷な戦いが史上まれに見る死闘となっていく様相を呈してきた。