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江夏が9連続奪三振  1971(昭和46)年7月17日、プロ野球オールスター第1戦(西宮球場)に先発した阪神・江夏豊投手が、制限の3回を投げ全打者から9連続奪三振の快挙。最後の打者加藤秀司(手前)が田淵幸一捕手後方へのファウルを打ち上げると「追うな!」と叫び、その後空振り三振に仕留めた。

 

1971年7月17日、プロ野球オールスターゲーム第1戦のマウンドに上がったのは、セントラルリーグ投手部門・ファン投票1位で選出された阪神タイガーズのエース・江夏豊。この年の江夏は、前半戦6勝9敗と負け越していたが、オールスターゲームでは並み居るパ・リーグの強打者相手に9者連続三振を狙いマウンドへ。最初に江夏の前に立ちはだかったのは、1969年に21本塁打を記録し新人王を獲得、台頭著しいロッテオリオンズのスラッガー有藤通世。江夏は、カウントを2ボール2ストライクと整え、落ちるボールで幸先よく三振を奪う。続く西鉄ライオンズの基満男、阪急ブレーブスの長池徳二を空振り三振に斬って取り、1回を14球で切り抜ける。

 続く2回は、パシフィックリーグの四番バッター・ロッテの江藤慎一。江藤は、この年に3度目の首位打者に輝き、史上初の両リーグ首位打者を獲得した強打者。この記録は、2011年に内川聖一(横浜~福岡ソフトバンク)が記録するまで江藤が唯一の達成者である記録であった。江夏はその江藤を、鋭い変化球で空振り三振に。続く、近鉄バファローズ・土井正博を三球勝負の空振り三振。6番バッター・西鉄ライオンズの東田正義をこの日初めての見逃し三振に斬って取り6者連続三振とした。

 記録の見えてきた3回は、瞬足・巧打の名手・阪急ブレーブスの阪本敏三がバッターボックスへ。2ストライク2ボールと追い込むと、最後は見逃し三振。いよいよ、大記録まであと二人とする。パ・リーグの8番バッターは、阪急ブレーブスの岡村浩二。その岡村を2ストライクと追い込み、記録に向けて加速するように、そのまま三球勝負し空振り三振を奪う。そしていよいよ9人目のバッター、阪急ブレーブスの加藤秀司が打席へ。1ストライク1ボールの後、加藤は江夏のボールに食らいつき打球は、バックネット付近への飛球に。江夏は、捕手の田淵に「追うな!」と叫び、カウントは1ボール2ストライクに。江夏が全力で投げ込んだボールに、加藤もフルスイングで応え、最後は空振り三振。その瞬間、スタジアム全体が大記録達成の歓声に沸き立った。今年の「マイナビオールスターゲーム2018」、真っ向勝負で三振を奪いにいく投手陣の闘志に注目だ。