ラグビー日本代表は6月16日、2日後に愛知・豊田スタジアムでおこなわれるスコットランド代表戦の出場メンバーを発表。11日のカナダ代表戦(バンクーバー・BCプレイススタジアム/○26-22)に続いてインサイドCTBで先発する立川理道副将は、…

 ラグビー日本代表は6月16日、2日後に愛知・豊田スタジアムでおこなわれるスコットランド代表戦の出場メンバーを発表。11日のカナダ代表戦(バンクーバー・BCプレイススタジアム/○26-22)に続いてインサイドCTBで先発する立川理道副将は、「選手が自覚を持っていいチームを作っている。選手が1人になってしまわないように戦う」と意気込んだ。

 スコットランド代表は、昨秋のワールドカップイングランド大会で3勝を挙げた日本代表が唯一敗れた相手。2015年9月23日にグロスター・キングスホルムスタジアムで10-45と屈した際、立川はSOとして先発していた。

 リベンジの期待がかかる今度の一戦に向け、体制が固まったのは5月で合宿を始めたのは6月初旬だった。前年度までのジャパンは春先から夏場まで合宿を張っていたことに触れつつも、努めて前向きに語る。

「全体としていい準備ができているかは難しい。ただ、いまの僕らのなかでは、これが一番、いい準備と言えます」

 15日にスコットランド代表の守備網に有効な攻撃オプションを整理、16日には相手のキーマンであるSHグレイグ・レイドロー主将への対策を軸に防御面を確認した。大型選手とのスクラム、ラインアウトなどのセットプレーでは、体格差で苦しむ可能性を鑑み、「あまりセットピースをやらせない形にさせたい。ゼロにはできないですが、ゼロに近くする」とプランを明かす。キック、パスでスペースを突きながら、プレーを途切れさせないよう試合を進めたいという。

 カナダ代表戦から先発6人、リザーブ3人が入れ替わった。まず13日から合流したメンバーからは主将のHO堀江翔太、LO大野均、FLツイ ヘンドリック、NO8アマナキ・レレイ・マフィがスターターに名を連ねた。突破力が期待されるマフィに触れ、立川は「貴重な存在。こちらでうまくコントロールしながらいい形でボールを持ってもらいたい」と決意を込めた。

 7番は、腰痛で調整中の安藤泰洋に代わって金正奎がつける。

 SHの位置では、茂野海人がリザーブから先発に昇格。国際リーグのスーパーラグビーで初の日本人選手となった田中史朗が右肩脱臼で離脱したためだ。

 茂野は前年度、ニュージーランドの地域代表選手権にあたるITMカップにオークランド代表としてプレー。今季はスーパーラグビーに日本から初参戦中のサンウルブズでも公式戦デビューを飾っている。立川と同じように、「スコットランド代表はセットプレーが強いチームなので、インプレー(笛などでプレーが止まらない状態)を長くしたい」と青写真を語った。

 対するスコットランド代表も出場メンバーを発表。LOリッチー・グレイや今季の欧州6か国対抗戦でMVPとなったFBスチュアート・ホッグらが並ぶ。真剣勝負を仕掛けるヴァーン・コッター ヘッドコーチは、「ジャパンは非常に速いチーム。ワールドカップで培った自信、スーパーラグビーで積んだ経験がクロスオーバーして出てくると思う」とライバルへの警戒心を語る。

「ポイントは序盤の展開をいかにコントロールできるか、相手のエナジーレベルに対応できるかどうか。体力を浪費したくないので、シンプルに、セットプレーを丁寧に戦う」(文:向 風見也)

1. 稲垣啓太(パナソニック)  2.堀江翔太(主将/パナソニック)  3.畠山健介(サントリー)  4.大野均(東芝)  5.小瀧尚弘(東芝)  6. ツイ ヘンドリック(サントリー)  7.金正奎(NTTコミュニケーションズ)  8.アマナキ・レレイ・マフィ (NTTコミュニケーションズ)  9.茂野海人(NEC)  10.田村優 (NEC)  11.笹倉康誉(パナソニック)  12.立川理道(クボタ)  13.ティム・ベネット(キヤノン)  14.パエア ミフィポセチ(NTTドコモ)  15.松島幸太朗(サントリー)

〔リザーブ〕
16. 木津武士(神戸製鋼)  17.三上正貴(東芝)  18.垣永真之介(サントリー)  19.谷田部洸太郎(パナソニック)  20.山本浩輝(東芝)  21.内田啓介(パナソニック)  22.小野晃征(サントリー)  23.松田力也(帝京大学4年)

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