来年の自国開催ワールドカップで欧州6か国対抗の強豪と戦う日本代表にとって、同対抗下位チームのイタリア代表に2連勝する意味は大きかった。 
 ところがこの日は、「テストマッチで勝つ難しさを知った」とSH流大。1週間前に34-17で下した相手が用意周到に臨んだかたわら、自滅を繰り返して黒星を喫した。

 前半4分からの10分間は、LOアニセ サムエラの一時退場により14人でプレー。FL徳永祥尭の好タックルなどで難局をしのぐも、15人に戻った19分に中盤の防御を乱し先制される。

 さらに26分には、ゲームを象徴するシーンを経て追加点が決まった。
 ここでは日本代表が攻め返すも、走者の捕まった接点へイタリア代表の面々が身体をねじ込む。援軍が横入りしたように映り、反則を取られる。自陣に押し込まれ、間もなく0-12とスコアを広げられた。

 接点で孤立したランナーが複数名に囲まれる傾向は、以後も日本代表の反則を誘発。得点板を揺らした。

 WTB福岡堅樹の述懐。
「相手がかけてきたこと(圧力)をクリーンにできなかったのが大きい」

 反則数は勝者の「12」に対し敗者が「11」とほぼ互角も、日本代表のそれのほうが勝負に影響を与えたか。
 PR稲垣啓太はスクラムを制して3-12と迫った直後の35分頃、自陣でハイタックル。ここでは相手のラインアウトの失敗もあり事なきを得たが、当のPR稲垣は反省する。
「レフリーが敏感なところへ気付くのに時間がかかり過ぎました」

 日本代表が対応力で後手を踏むかたわら、イタリア代表は初戦で機能しなかったモールを改善していた。
 後半5分に敵陣中盤右で組んだ1本では、日本代表が亀裂を入れたそうな左側面部に分厚い人の壁を作る。塊を崩さぬまま展開攻撃を仕掛け、追加点を決めた。

 日本代表はラスト20分で、圧力下にいたSO田村優をSO松田力也へスイッチする。足が止まりだしたイタリア代表を向こうに、接点への援護の速さやパス回しの確実性も改善。26分には17-19と迫る。

 しかし32分に17-22とされ、続く34分にはやはり自軍の接点で圧力を受け17-25と決定打を許す。
           
 運動量で巻き返したかったなか、日本代表は前列3名を残り10分を切るまで引っ張った。さかのぼってハーフタイムには、切り札のNO8アマナキ・レレイ・マフィを出す代わりに名黒子のFL徳永を下げていた。かような決断および采配の妙も、試合を大きく左右したか。

 NO8、FLでフル出場も落球を重ねた姫野和樹は、先週の試合終盤に怪我をしたため今週前半の練習を回避していた。「力不足です」と声を落とし、こうも続けた。
「準備が何より大事だな…と」

 ワールドカップへの試金石となる連戦を1勝1敗としたことで、23日にあるジョージア代表戦の結果がより意味の深いものとなった。
 SH流は「テストマッチで…」の続きをこう締めた。
「自分たちがベストだと思う準備を超えていかないと、いいパフォーマンスは出せない。選手同士でしっかり話し合いをしていきたいです」(文:向 風見也)