1987年以来4度目の優勝を狙う東京六大学代表の慶大が、1回戦で10奪三振をマークした最速154キロ右腕・伊藤大海の攻略に成功。11対0の5回コールドで苫小牧駒沢大を下して初戦突破を果たした。

5回の集中打に沸く慶大ベンチ

 

「むちゃくちゃ良い投手。伊藤君からどうやって点を取るか」(慶大・大久保秀昭監督)と臨んだ試合。初回にラッキーなヒットから1死1、2塁とするも、4番・郡司裕也(3年・仙台育英)が148キロ、続く5番・若林将平(1年・履正社)が149キロのストレートの前に連続三振。2回1死2塁の場面でも8番・嶋田翔(2年・樹徳)が148キロのストレートに空振り三振に倒れた。
噂通りの快速球に苦しんだ慶大打線だったが、3回表にこの日1番に座った河合大樹(4年・関西学院)のバントヒットからチャンスを作って併殺崩れの間にしぶとく1点を先制すると、5回表に打線が大爆発。無死1、3塁から2番・渡部遼人のライト線を破る2点タイムリーを放つと、3番・柳町達(3年・慶應)も続いて3対0。さらに1死満塁となってから6番・内田蓮(4年・三重)もタイムリーを放って5対0。一気に畳みかけ、伊藤をマウンド上から引きずり下ろすと、その後も攻撃の手を緩めずに1番・河合の走者一掃のタイムリー2塁打など、この回8安打を集めて一挙10得点。慶大が全国コールド発進を決めた。

5回表、スコアボードに10の数字が刻まれる

敗れた苫小牧駒沢大のエース・伊藤は、前日1回戦の124球完投勝利からの連投も「疲れは言い訳にならない。真っ直ぐは昨日より良かった」とキッパリ。96球を投げて10安打を許したが、計7奪三振と持ち味であるストレートの威力は存分に見せ付けた。だがその分、悔しさは人一倍。「ストレートとスライダーだけでは苦しい。チェンジアップやフォークも使えるようにならないといけない。必要なものも分かって、いい経験になった」と伊藤。駒大苫小牧高から駒沢大に進学するも、1年時の一昨年秋に中退し、昨年春に苫小牧駒沢大に再入学した経歴を持つ右腕は、「負けない投手になること。真っ直ぐのスピードも160キロを目指す。一からやり直して、また戻って来たい」と強い決意とともに、清々しく神宮を後にした。

5回途中でマウンドを降りる苫小牧駒沢大・伊藤

★2回戦・慶應義塾大vs苫小牧駒大
慶應義塾大  001 0⑽=11
苫小牧駒沢大 000 000=1
【慶】○髙橋亮-郡司
【苫】●伊藤、岡本、増原-新山、小松

◎慶應義塾大・大久保秀昭監督
「1、2番(河合、渡部)が、いい働きをしてくれた。伊藤君から点を取るのはかなりしんどいという分析だった。その中で1、2番がうまく突破口を開いてくれた。うまくゲッツー崩れで1点を先制できたし、4回裏の守備で2塁けん制アウトにできたところで『よし、流れが来るぞ』と話していた。攻略できたかどうかは分かりませんが、なんとか彼をマウンドから降ろすことができたのが大きかった」

◎慶應義塾大・河合大樹(4年・関西学院)
「(伊藤投手のストレートは)今までやってきた中でも一番良い真っ直ぐだと思った。バントをして塁に出るのが自分の持ち味でもある。3点取れれば上出来と話していた中で、真っ直ぐに振り負けずにどんどん振りに行くことができた」

◎慶應義塾大・髙橋亮吾(3年・慶應湘南藤沢)
「全体的に調子も良かったし、腕も振れていた。リーグ戦の最後に早慶戦に負けて終わっていたので、このままじゃダメ、日本一にはなれないとチーム全体で話していた。その悔しさを持って、良い準備ができたと思う」