創価大、福井工業大と常連校を立て続けに破り旋風を巻き起こした宮崎産業経営大だったが、九州産業大に要所で得点を決められ、0対3で敗れた。

試合開始から終了まで、大きな声を出し続けた宮崎産業経営大

 

 

 

「最高のチームでした。厳しいことを言っても反発せずについてきてくれました」

宮崎産業経営大の主将・若松朋也外野手(4年・指宿商)は試合後、しばらく涙が止まらなかった。少ない練習時間で特待生制度もなく、甲子園経験者もエースの杉尾剛史投手(3年・宮崎日大)を含め2人だけ。それでもこの堂々の善戦に若松は「努力をすれば甲子園に出たことのある選手がほとんどいなくても、ここまで来られることを示すことができました」と言葉を振り絞りながらも、はっきりとした口調で語った。

また、チームを変えようと入学時から進言を続けてきたエースに対しては「杉尾には“強いチームに入れば良かった”と思わせてしまったこともあったし、上級生に意見を言うのは大変なことだったと思う。杉尾のおかげでチームが変わり、もう1度野球に真剣に向き合うことができました」と感謝の言葉を並べた。

そして、ここまで来ることができたのは「支えてくれた人や県民の皆さんの応援のおかげです」と、何度も感謝の言葉を口にし、その度に涙を拭った。

教員志望で、大学選手権出場が無ければ、この時期は引退し教育実習に行く予定だった。だが、大学と実習先の配慮によって秋に期間をずらしてもらった。そんな周囲の支えもあって、神宮球場や東京ドームで戦うことができた3試合を振り返り「東京に来てからすべてが新鮮でした」と振り返った。様々な思いを背負って戦った主将の野球人生最後の日々はかけがえのないものとなった。

 

杉尾の思いを汲んで朝練習を導入するなどチーム改革を先頭で引っ張った若松主将

 

 

 

★準々決勝・宮崎産業経営大vs九州産業大
産経大 000000000=0
九産大 10101000X=3
【産】●杉尾-大幡
【九】○浦本-揚村

 

自らの失策で先制点を許した杉尾は「チームを変えてくれた4年生ともっともっと勝ちたかった。申し訳ないです」と目に涙を浮かべた

 

 

 

◎九州産業大・大久保哲也監督
「浦本がコントロール良くストライク先行で投げてくれました。創価大戦の杉尾くんを観て、こういう展開になることは予想していました。目標は全国4強入りとしてきたので、これからは無欲で戦いたいです」

文・写真=高木遊