余裕の表情。強気のランナー、スチュアート・ホッグ。(撮影/松本かおり) この男の本来の輝きを見てみたい。ただ、そうなるとジャパンにとっては厄介…。日本のラグビーファンはじれったい。 スコットランド代表FBスチュアート・ホッグは、今年のシッ…

余裕の表情。強気のランナー、スチュアート・ホッグ。(撮影/松本かおり)


 この男の本来の輝きを見てみたい。ただ、そうなるとジャパンにとっては厄介…。日本のラグビーファンはじれったい。
 スコットランド代表FBスチュアート・ホッグは、今年のシックスネーションズの大会最優秀選手に選ばれた。大会に出場したことがある各国の元代表選手の投票によるものだから価値がある。誰もが豊かな才能を高く評価する。
 6月18日の対日本代表に向けて来日、調整を続ける23歳は14日におこなわれた記者会見で「(ワールドカップ、シックスネーションズ、グラスゴウ・ウォリアーズでの活動と)長く続いたシーズンが(5月初旬で)やっと終わり、数週間のオフがあった。リフレッシュできたので(日本で)2勝して帰る」とにこやかに話した。

 強気なハードランナーは、ワールドカップで戦った日本代表の印象を「ファンタスティックなディフェンスをしていた」と言った。
「自分自身が受けたタックルも低いチョップタックルで、ビッグヒットもあった。そのデイフェンスを崩すのに時間がかかったんだ」
 しかし得点するごとにあざみのジャージーは落ち着き、勢いを増した。最終的には45-10の完勝を手にした。
「ジャパンは個々に力があり、集団となったときに大きな勢いを出すチーム。タフな相手」とリスペクトする言葉を口にはしたけれど、仲間たちにはもっと大きな自信を持つ。
「チームは(ワールドカップ後も)成長していると感じます。いまのスコットランドのスタイル、ハイテンポでボールを動かすラグビーをバックスのプレーヤーはとても気に入っているし、やりやすい。ラッキーなのは、このゲームプランがすごく自分に合っていて、ボールタッチも増えていること」
 終始笑顔。自信と余裕を感じさせた。

 23歳にしてキャップ43。サッカー界の伝説的選手、ジョージ・ベストと親戚関係(曾祖母/祖父母の母がベスト家の人だった)にある天才は、FBらしく「ジャパンがどれくらい蹴ってくるのかは気になる」と話し、言葉を続けた。
「(ジャパンに)やりたいようにやらせてはダメ。まずディフェンスで頑張る。アタックではボールをキープし、チャンスが来たら攻める」
 シックスネーションズMVPの輝きを消すことがジャパンのやるべきこと。安易なキックは避けなければならない。低いチョップタックルを何発もお見舞いするしかない。