マリア・シャラポワ(ロシア)は先週、国際テニス連盟(ITF)から薬物使用により課された2年間の出場停止処分について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に処分の軽減を求める訴えを起こした。判決は、リオ五輪が始まる前となる来月に前倒しされて発表さ…
マリア・シャラポワ(ロシア)は先週、国際テニス連盟(ITF)から薬物使用により課された2年間の出場停止処分について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に処分の軽減を求める訴えを起こした。判決は、リオ五輪が始まる前となる来月に前倒しされて発表される。 1月の全豪オープンの期間中にドーピング検査で陽性反応が出ていたシャラポワは、今年から禁止薬物となったメルドニウムを、そうとは知らず、各試合の前に摂取していたことが判明した。 裁判所は遅くとも7月18日までに前倒しで判決を下すことで、両者の了承を得たという。もし、出場停止処分が破棄されれば、シャラポワは8月5日から始まるリオ五輪に出場することができる。CASは審理を開くべきかどうか決めていないという。 シャラポワは先週、出場停止処分に対して上訴する意思を表明していた。
ITFが指名した3人の審査員は、シャラポワがメルドニウムが今年から禁止されたことを知らなかったため、わざと違反したわけではないと指摘している。しかし、陽性反応が出たことは自己責任であり、重大なミスである、としていた。 審査員はさらに、彼女がパフォーマンス向上を目的として薬物を摂取したという結論に、いくつかの事柄から至ったと言っている。 シャラポワの弁護士ジョン・ハーガーティ氏は「CASが彼女の主張を聞き、ふたたびプレーできるようになることを彼女は望んでいる」と発言。さらに、ITFは彼女が間違ったことをする意思がなかったという結論にいたっており、2年間の出場停止処分は厳し過ぎると主張した。 WADA(世界アンチドーピング機構)は火曜日に、最初の処分を受け、CASには訴えを提出しないと明言している。 シャラポワは3月初めにロサンゼルスで行った記者会見で、ドーピング検査で陽性反応を示したことを発表する前から、ITFによって出場停止処分が科せられていた。彼女はそのとき、メルドニウムの使用が今年1月1日からWADAによって禁止されたことを知らなかったと発言している。 ITFは、全豪オープンでシャラポワに陽性反応が出たあと、2月2日にモスクワで行った抜き打ちテストでも、メルドニウムが陽性反応を示していたと公表している。 29歳のシャラポワに2年間の出場停止処分が科されると、処分が明けるのは31歳となった2018年1月25日となる。その間、8度のグランドスラムとオリンピックを欠場することになる。 心臓の不調のために使われるラトビア製の薬物、メルドニウムを、シャラポワは2006年に初めて医療目的で処方してもらったとしている。
今回の彼女に出た陽性の結果は、最大で4年間の出場停止処分を科せられる可能性もあった。(C)AP