18日にスコットランド戦を控えた日本代表が14日午後、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習を開始した。 グラウンドには、風邪気味で宿舎に残ったアマナキ・レレィ・マフィを除くメンバーが集合。チームの大半は前日にカナダから帰国したばかり…

 18日にスコットランド戦を控えた日本代表が14日午後、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習を開始した。
 グラウンドには、風邪気味で宿舎に残ったアマナキ・レレィ・マフィを除くメンバーが集合。チームの大半は前日にカナダから帰国したばかりとあって、全体練習は1時間程度の軽いもの。堀江翔太、ホラニ龍コリニアシ、ツイ ヘンドリックら豊田合宿からの合流組は、グラウンド練習の後、ウエイトトレーニングで汗を流した。

 昨年のワールドカップで主将を務めたリーチ マイケルの不参加で、堀江翔太がサンウルブズに続いて主将を務める。
「シーズン中、ずっとキャプテンをしているのできつい部分もあるんですけど、頼まれたので責任をしっかり果たそうと思います」

 サンウルブズでの試合が終わった後はコンディション調整のため、群馬県太田市(所属するパナソニックの本拠地)で過ごした。バンクーバーでのカナダ戦は日本時間朝7時キックオフ。自宅で観戦したが「5時くらいに1回起きて、寝直したらまた6時半に起きちゃって」と、やはりチームのことは気になっていたようだ。
「アウェーで勝てたというのは自信になる。ハル(立川理道)はキャプテンとしてしっかりやっていたし、優(田村)も責任に応えるプレーをしてくれた。松ちゃん(松島幸太朗)も、周りが五郎丸、五郎丸と言う中、自分なりのプレーができた。若手がグッと成長した試合かなと」

 ワールドカップ組が存在感を発揮したと言っても、今度のチームは「全く新しいチーム」と断言する。
「エディーさんのときとは全く違うチームだし、全く違うラグビー。(スコットランドに)リベンジという気持ちはあるけど、新しい武器でどれだけ戦えるか」
 その武器となるのは理解度だ。
「もちろんフィジカルを忘れてはダメなんですけど、それ以外のところが長けてると思う。全員が戦略を理解してやれば、いいアタックができる。エディーさんのときに培った低さやワークレート、スピリッツはディフェンスで生きる。FWは日本人が多くなると思うし、新しい日本代表をこれからつくりあげていく楽しみはありますね」

 スコットランド戦は地上波でゴールデンタイムの生中継という、これまでない破格の「待遇」だ。
「ラグビー、変わりましたよね。日の当たらない時期が長かったけど、謙虚さは忘れないようにしないと」
 昨年のワールドカップで日本代表を知った人たちも目にする試合となるが、「この前と一緒のラグビーと思って欲しくはないですね」と重ねて言い切った。
「そんなにうまいこといかないですよ。選手もそうですけど、ファンの人も、エディーさんどうのこうのに引っ張られているようじゃ、これから伸びていかない。人は一緒ですけど、戦術戦略は全く違いますから」
 去年のチームの幻影を振り払わなければ、前進はない。経験豊富な主将は、勝負の定理を知り抜いている。(文:森本優子)