ドミニク・ティーム(オーストリア)は「これがグランドスラム最後の決勝ではないという自信がある」と決勝戦を終えて語った。「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)大会最終日の6月10日。男子シングルス決勝でティー…

ドミニク・ティーム(オーストリア)は「これがグランドスラム最後の決勝ではないという自信がある」と決勝戦を終えて語った。

「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)大会最終日の6月10日。男子シングルス決勝でティームはラファエル・ナダル(スペイン)に4-6、3-6、2-6のストレートで敗れ、自身初のグランドスラム決勝戦を準優勝という結果で終えた。

ティームは力強い片手バックハンドが特徴の選手。ツアー優勝10大会のうち8大会がクレーであることからナダルの後を受け継ぐ「次世代クレーキング」と言われている。ティームは2016年から3シーズン連続でクレーコートにおけるナダルを破っている。そのためティームが決勝を面白いものにしてくれるかもしれないと大勢の関心が寄せられたが、グランドスラムの優勝を果たすことはできなかった。しかし「間違いなくティームは数年のうちにここで優勝するだろう」と試合後に勝者のナダルは言った。

ティームはナダルが2005年にグランドスラムの決勝戦に初進出し、そこで「全仏オープン」1回目の優勝を果たした時、テレビの前で見ていたことを覚えている。当時、ティームは11才だった。そのティームがまさにグランドスラムの決勝に初めて進出し、他でもないナダルとセンターコートで打ち合った。

試合後ティームは「身体的には、ソファで見ている方が楽しめたよ」と笑って話した。「実は、ナダルがここで優勝した最初の4、5回は、いつも見ていたんだ。もちろん、自分が勝ち進んでナダルと決勝で対戦できたのはすばらしいことだ」

しかし、興奮はそこまでだった。ティームは、本当に手に入れたかったトロフィーを結局自分のものにすることができなかった。「もちろん今でもがっかりしているよ。決勝だったんだ。本当に勝ちたかった」と24歳になったティームは語った。「持っているものをすべて出した。その結果、今日負けたのは自分だ。だから最終的には、最高の日ではないね」

ティームの母国オーストリアの選手では、1995年にトーマス・ムスター(オーストリア)が「全仏オープン」を制している。ティームは、グランドスラムを制覇する2人目のオーストリア人選手となることを目指していた。「確実に、自分にとってこれが最後のグランドスラム決勝ではないという自信がある」と、再びグランドスラム決勝の場に戻ってくるんだという強い意思をティームは明かした。また「そしてそれが最大の目標だ。決勝にまた進んで今日よりいい結果にする」「もちろん、もう初めてじゃないから、その時は今より少しは簡単になっているだろう」と語った。

ティームは自身のInstagramでも「来年さらに強くなって戻ってくるために、全力を尽くすよ!」と投稿し、決意を新たにしているようだ。次世代クレーキングの成長に、これからも大いに期待したい。(C)AP(テニスデイリー編集部)※写真は全仏準優勝となったティーム

(AP Photo/Alessandra Tarantino)