6月9日、「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)大会14日目。男子ダブルス決勝戦、女子シングルス決勝戦、車いす男子シングルス決勝戦、車いす男子ダブルス決勝戦、車いす女子シングルス決勝戦、車いす女子ダブルス決…
6月9日、「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)大会14日目。男子ダブルス決勝戦、女子シングルス決勝戦、車いす男子シングルス決勝戦、車いす男子ダブルス決勝戦、車いす女子シングルス決勝戦、車いす女子ダブルス決勝戦が行われた。
■世界1位ハレプが、悲願のグランドスラム初優勝。
女子シングルス決勝戦で、女王シモナ・ハレプ(ルーマニア)が第10シードのスローン・スティーブンス(アメリカ)に3-6、6-4、6-1の逆転で勝利し、自身初となるグランドスラム優勝を果たした。第1セット、ハレプはゲームカウント3-5で迎えた第9ゲームにブレークチャンスを得るも、スティーブンスにセットを奪われた。続く第2セット、ハレプは第1ゲームでいきなりブレークされ嫌な流れのままスタート。しかし女王ハレプは勢いを取り戻してきてセットを取り返す。
相手のショットに左右に振られながらも、ハレプがことごとく食らいつくプレーを見せ、観客は驚きの声を上げていた。そして第3セット、ハレプは勢いを継続させ、相手にブレークポイントを与えることなくゲームを支配。最後はスティーブンスの粘りを振り切り、初のグランドスラム優勝を掴んだ。
ハレプは4度目となるグランドスラム決勝で、遂に初優勝。優勝が決まった直後、ハレプは両手を挙げて観客の声援に応えた。会場からは「シモナコール」が鳴り響き、思わずハレプが両手で顔を覆う場面もあった。オンコートインタビューで「みなさんありがとうございます。最高の気分です。応援ありがとうございます」と感謝の気持ちを述べ、「最後のゲームは呼吸も困難でした。去年のことは繰り返したくなくて全力を尽くしました」と述べた。
その後に行われたセレモニーでは「この瞬間をずっと待っていました。14歳の頃から夢見ていた瞬間です。応援してくれたみなさん、本当にありがとうございます。このトロフィーをここフランスで掲げられて本当に幸せです」と喜びを語った。
■車いすテニスは国枝が3年振り7回目、上地が2年連続3回目の優勝。
車いす男子シングルス決勝戦では、国枝慎吾(日本/ユニクロ)が第2シードのグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)に7-6(5)、6-0のストレートで勝利し、「全仏オープン」3年振り7回目の優勝を飾った。
優勝後のインタビューで国枝は「今回調子が良かったので、これは逃せないなという気持ちで臨みましたし、ファーストセットがタフでなかなかセットポイントも取れなかったですけど、しっかりタイブレークを取り切って勢いが出たなと思います」と85分かかった第1セットについて振り返った。そして「2年前は世界1位で強い状態で練習を重ねてましたけど、今はそれよりも強いと自分自身も思ってますし、それぐらいテニスの内容が良いので、これからも自信を持って次に臨みたいと思います」と手応えを語った。
車いす女子シングルス決勝戦では、第1シードの上地結衣(日本/エイベックス)が第2シードのディーダ・デ グロート(オランダ)に2-6、6-0、6-2とフルセットの末逆転勝利し、「全仏オープン」2年連続3回目の優勝を飾った。上地は1月の「全豪オープン」決勝で敗れたデ グロートに雪辱を果たした。
優勝後のインタビューで上地は「ファーストセットを取られてからちょっとプレースタイルを変えてみて、今まではしっかり作って、そこから自分で展開していくのをやっていたんですけど、それじゃあなかなか相手の球威に押されて自分の球がコントロールできなかった」「先週の国別対抗戦で中国の選手が戦っていたのをずっと見ていて、そのイメージでやってみたら、セカンドセットが上手くはまって最後までしっかり押し切れた」と逆転できた理由を語った。◇ ◇ ◇
【6月9日 主な試合結果】
◆男子ダブルス
決勝戦
〇[6]ピエール ユーグ・エルベール(フランス)/ニコラ・マウ(フランス)6-2、7-6(4) ●[2]オリバー・マラック(オーストリア)/マテ・パビッチ(クロアチア)
◆女子シングルス
決勝戦
〇[1]シモナ・ハレプ(ルーマニア)3-6、6-4、6-1 ●[10]スローン・スティーブンス(アメリカ)
◆車いす男子シングルス
決勝戦
〇国枝慎吾(日本/ユニクロ)7-6(5)、6-0 ●[2]グスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)
◆車いす男子ダブルス
決勝戦
〇[1]ステファン・ウッデ(フランス)/ニコラ・パイファー(フランス)6-1、7-6(5) ●フレデリック・カッタネオ(フランス)/ステファン・オルソン(スウェーデン)
◆車いす女子シングルス
決勝戦
〇[1]上地結衣(日本/エイベックス)2-6、6-0、6-2 ●[2]ディーダ・デ グロート(オランダ)
◆車いす女子ダブルス
決勝戦
〇[2]ディーダ・デ グロート(オランダ)/アニーク・ファンクォト(オランダ)6-1、6-3 ●[1]マジョレーン・バイス(オランダ)/上地結衣(日本/エイベックス)(テニスデイリー編集部)
※写真は優勝後喜びを分かち合うハレプ
(Photo by Mustafa Yalcin/Anadolu Agency/Getty Images)