テニスのコートには主にハードコート、クレーコート、芝コートの3種類があるが、このうちクレーコートで無類の強さを誇るのがラファエル・ナダル(スペイン)だ。その圧倒的な強さから「クレーキング」とも呼ばれるナダルの驚異を、今回はそのクレーコートと…

テニスのコートには主にハードコート、クレーコート、芝コートの3種類があるが、このうちクレーコートで無類の強さを誇るのがラファエル・ナダル(スペイン)だ。その圧倒的な強さから「クレーキング」とも呼ばれるナダルの驚異を、今回はそのクレーコートとツアーの多くを占めるハードコートでの数値を見比べて紹介する。

■通算タイトル(ハード:18個 クレー:56個)

ナダルはこれまでキャリア通算で78個のツアー優勝タイトルを獲得しているが、そのうち7割以上がクレーでの大会でのもの。ハードのグランドスラムである「全豪オープン」は1回、「全米オープン」は3回と年2大会で合計4回優勝とこれだけでも素晴らしいが、クレー唯一のグランドスラム「全仏オープン」では、通算10回優勝と最多の記録となっている。

■通算勝率(ハード:77.0% クレー:91.9%)

ナダルのそれぞれの通算成績はハードでは425勝127敗、クレーでは408勝36敗。ナダルは約18年のキャリアで、クレーのツアーレベルでわずか36敗しかしていない。

■リターンゲーム通算勝率(ハード:29% クレー:43%)

テニスは1球目のサーブで攻撃できるサーバーが有利なスポーツであるため、いかに相手のサービスゲームを打ち破れるか、つまりリターンゲームをものにできるかに注目が集まる。そのリターンゲームの勝率がナダルの場合、ハードよりもクレーの方が14%も高い。クレーは球足がハードよりも落ちるため、サーブの有効性は小さくなりやすいものの、この数字の差がナダルのクレーコートでの強さを物語っている。また今年にいたっては「全仏オープン」前までの成績で48%の勝率となっており、およそ2回に1回はブレークするという圧倒的な強さだ。

■ブレークポイント通算勝率(ハード:42.4% クレー:48.7%)

ブレークのチャンスでのポイント獲得率もクレーの方が高く、チャンスとなるとこちらも2回に1回近くブレークに成功している。ハードでもチャンスを作ると5回に2回はブレークしており、こちらでもナダルの勝負強さがうかがえる。

■終わりに

今年も開幕から1週間が経った「全仏オープン」。シングルス3回戦までが消化され、ナダルも全てストレート勝ちで勝ち残っており、もちろん優勝候補の筆頭だ。「クレーキング」としてナダルが今年も圧倒的な強さで、11回目の優勝を飾る姿が期待される。(テニスデイリー編集部)※写真は2018年「全仏オープン」でのナダル

(Photo by Robert Szaniszló/NurPhoto via Getty Images)