ラグビー日本代表は5月27日からの6日間、6月のテストマッチ3連戦に向けた合宿を宮崎・シーガイアで実施中だ。始動4日目にあたる31日は、主に防御の確認に時間を割いた。

 ジョン・プラムツリー ディフェンスコーチが合流前とあって、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチが陣頭指揮を執る形で鋭く前に出るプラムツリー流のシステムを予習。リーチ マイケル主将は「1日目にしてはよかった」と手応えを語った。

 練習会場と宿泊施設が一体化したシーガイアは、2015年のワールドカップ・イングランド大会前まで日本代表の定宿と化していた。現体制発足後初の宮崎合宿に際し、司令塔役が期待される田村優は「皆が引き締まった気持ちで入れた。スロースタートではなく、いいことだと思います」と話す。

 国の威信をかけるテストマッチに際し、リーチ主将は「(個々に)責任を感じさせる」。結果を求める姿勢を改めて打ち出した。

「もちろん楽しんでラグビーをやるのは大事。でも、代表は、日本の代表なので」

 6月のツアー中、日本代表はイタリア代表、ジョージア代表の2チームと計3試合をおこなう。直近では9日に欧州6強の一角であるイタリア代表と大分・大分銀行ドームで激突。2019年のワールドカップ日本大会では同地域の格上にあたるアイルランド代表、スコットランド代表と対戦するだけに、内容と結果の両方が問われそうだ。

 相手はいずれも、安定したセットプレーを起点としてパワフルに攻めそうだ。かたや日本代表は、鋭さとち密さで勝負したいところ。

 防御では、昨秋就任したプラムツリー コーチの唱えるシステムの遂行度が問われるか。グラウンド上に寝ている人数を減らすのを前提に、それぞれが左右幅を保ってターゲットの選手へ一斉に飛びかかるのが肝だ。

 飛び出す際に凸凹を作らぬよう、飛び出す前から細やかな連携を取りたいだろう。「横とのコネクション(連携)がつながっていれば、内側(接点周辺)をラインブレイクされることはないと思う」と、CTBの中村亮土は言う。

 今度の合宿で防御システムを確認したのは、この日が初めてだった。しかも実戦練習の合間に走り込みを交えていたこともあってか、しばし相手役に隙間を射抜かれるシーンも作った。

 もっとも中村は「大胆に抜かれているように見えますが、ゲインライン(攻防の境界線)は上がっている」。防御網が鋭くせり出して圧力をかけているため、かすかに破られても攻防の境界線は高い位置に保てるのだという。システムをさらに成熟させれば、飛び出した防御網の裏を別な選手が首尾よくカバーできるとも言う。

「抜かれた時も原因がはっきりしていたので、『そこ』のコミュニケーションを取っていこう…となった。ポジティブな練習になったと思います」

 おもにNO8へ入る徳永祥尭は、この日に出た反省も肥やしにする構えだ。試合より1週間以上前から準備を始めているため、やや余裕を持ち細部を見つめられるようだ。

「しっかりノミネート(それぞれが誰をマークするかを確認)して、上がる。きょうはノミネートが合っていないなどのミスが出ましたけど、早く着手しているので来週にはもっとうまく機能すると思います」

 攻撃時は、前方のスペースへ果敢にキックを蹴る。一度ボールを手放す以上、それを再獲得する防御力が問われる。現時点での完成度やいかに。(文:向 風見也)