「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)の女子シングルスで、前年の全仏女王でランキング5位、今大会にも第5シードで出場しているエレナ・オスタペンコ(ラトビア)や第9シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)が…

「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)の女子シングルスで、前年の全仏女王でランキング5位、今大会にも第5シードで出場しているエレナ・オスタペンコ(ラトビア)や第9シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)が1回戦で黒星を喫するなど、波乱含みの序盤となっている。

上記以外にも実績や知名度から注目されていたものの、大会3日目にしてすでに、姿を消した選手もいる。2012、2013年の全豪チャンピオンになり、世界ランキングでも1位になったビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)がその一人だ。

同選手は今回、ノーシードでの出場だったものの、1回戦を勝ち上がり、シード勢が順調に勝ち上がれば、第5シードのオスタペンコと対戦する組み合わせとなっており、注目を集めていた。

そのアザレンカは、カテリーナ・シニアコバ(チェコ)を相手に、5-7、5-7での敗戦。激しく競り合ったものの、アザレンカにとっては、1セットも奪えずに「全仏オープン」を去ることになった。

しかし試合内容は、非常に拮抗した展開。第1セットでは、同セットの行方を決める12ゲーム目まで、両選手ともにブレークポイントさえ迎えられずに、緊迫した試合運びが続いた。第2セットは一転してブレークし合い、アザレンカも、1、5、7ゲーム目で3度のブレークを達成。

一方のシニアコバも2、6、8ゲームの3度ブレークしたうえで、ブレーク数では同点にした。加えて12ゲーム目に、アザレンカのサービスをラブゲームで破り、シニアコバの勝利が決まるなど、白熱した展開を見せた。

今回の敗戦についてアザレンカによれば、自分の求めるような準備をきちんとできなかったこともあり、「試合でのアップダウンはあるし、その中でやらなければならないとは知っている。今日は正しい選択を見つけられなかった、そして続けていくしかない」と同選手は話している。

また、アザレンカの試合の前にすでに、オスタペンコはカテリーナ・コズロワ(ウクライナ)を相手に敗戦を喫し、シングルスのドローからは姿を消しており、アザレンカも1回戦で負けてしまったことから、序盤の注目カードになると見られていた対戦は実現しなかった。

グランドスラムでの優勝経験を持つ2選手が敗退した今、誰が女子シングルスを制するのか、改めて想像を巡らせる機会になりそうだ。(テニスデイリー編集部)

※写真は本戦の試合に先立つ練習セッションで姿を見せたアザレンカ

(Photo by Aurelien Meunier/Getty Images)