「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)の1日目。男子シングルス1回戦で西岡良仁(日本/ミキハウス)が第30シードのフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)と対戦。西岡は7-6(4)、4-6、3-6、7-6(3)…

「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)の1日目。男子シングルス1回戦で西岡良仁(日本/ミキハウス)が第30シードのフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)と対戦。西岡は7-6(4)、4-6、3-6、7-6(3)、5-7でフルセットの末に敗れ、「全仏オープン」自身初の1回戦突破はならなかった。試合時間は4時間22分。

ここで勝敗が決まる第5セット、西岡は第1ゲームでベルダスコにブレークポイントを握られたが、しっかりと攻めてキープした。そして第2ゲームで2本のブレークポイントを握ると、このチャンスをしっかりと活かしてブレークに成功し、続く第3ゲームをキープしてゲームカウント3-0とした。

第4ゲームはベルダスコにキープされたが、西岡は第5ゲームをラブゲームでキープし、西岡が試合をリードし始めた。

第4セットでのベルダスコの怪我も気になるが、西岡も疲労のためか右足を引きずる様子があり、両者ともに満身創痍の状態での試合となった。

西岡はここから無理してボールを追ってブレークしようとせず、体力を温存してサービスゲームをキープしていこうという動きを見せる。しかし、第7ゲームで西岡は痛恨のブレークバックを許してしまう。

まだ諦めていない西岡は第8ゲームでデュースまで追い上げ、再びブレークに成功して1ブレークアップとすると、続く第9ゲームが西岡のサービング・フォー・ザ・マッチとなった。しかし、ここで西岡は身体が思うように動かず、ボールに追いつけない場面が増え、0-40とブレークバックのピンチを迎える。1本は返したが、ベルダスコにブレークバックされ、ゲームカウント5-4とされた。

第10ゲーム、西岡はデュースまで追い上げるもブレークはできなかった。西岡は時折かがみ込んで右の太ももを押さえており、かなり痛みに耐えているようだった。

ゲームカウント5-5で迎えた第11ゲームでは、西岡はジャンプサーブを放つことができず、さらにクロスに放たれたショットに追いつくこともできない。また、ドロップショットを放ったがベルダスコのリターンがコードに掛かってコートにポトリと落ちると、泣き出しそうな表情で天を仰ぐ姿も見えた。

第11ゲームでベルダスコにブレークされた西岡は、第12ゲームでブレークしないと後が無い。ここで西岡は気力でネットに出てボレーをするもアウトとなり、15-40とベルダスコにマッチポイントを握られた。しかし、ここでベルダスコのミスが続いてデュースに。ベルダスコのミスによって幾度となくアドバンテージは得ていたが、あと1本が出ない。そして最後はベルダスコのエースが決まって5-7で第5セットを奪われ、試合終了となった。

勝利が決まった瞬間、ベルダスコはまっすぐにネットを越えて西岡の元へ向かい、互いの健闘を称えていた。また、死闘を繰り広げた西岡とベルダスコに、会場から惜しみない拍手と歓声が送られていた。(テニスデイリー編集部)

※写真は1回戦敗退となった西岡

(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)