ドイツ・シュツットガルトで開催されている「メルセデス・カップ」(ATP250/6月6~12日/賞金総額60万6525ユーロ/グラスコート)の準決勝で、第3シードのドミニク・ティーム(オーストリア)が、第1シードのロジャー・フェデラー(ス…

 ドイツ・シュツットガルトで開催されている「メルセデス・カップ」(ATP250/6月6~12日/賞金総額60万6525ユーロ/グラスコート)の準決勝で、第3シードのドミニク・ティーム(オーストリア)が、第1シードのロジャー・フェデラー(スイス)を3-6 7-6(7) 6-4で倒し、決勝に進出した。  雨による中断を挟んだ試合で、フェデラーは2つのマッチポイントをものにできず、フルセットの競り合いの末に敗れた。  第2セットで、ティームは5-0とリードしていたが、そこからフェデラーが5ゲームを連取。タイブレークに入ると、フェデラーが最初のマッチポイントをつかむが、スマッシュをネットにかけて逃してしまう。2本目のマッチポイントは、セカンドサービスからボレーに出ようとしたが、ティームが非の打ち所のないリターンのパスで抜き去った。ティームは8-7からスマッシュで決めて、セットをものにした。  「僕はものすごくナーバスになっていた。タイブレークを取れたのはラッキーだったが、世界最高の選手をグラスコートの上で倒すには、幸運が必要だ」とティームは言った。  ティームは、フェデラーが背中の故障のためにとった2回のオフの間にあたる、5月のローマの3回戦でも、フェデラーを倒していた。それはクレーコートでの勝利だったが、今回の勝利はフェデラーのお気に入りのサーフェスである、グラスコートでのことだ。  「フェデラーをグラスコートで倒したなんて信じられない」とティーム。彼はグラスコートでの経験が非常に少ない。一方のフェデラーは、ウインブルドンで7度優勝している。  ティームの2本目のマッチポイントで、フェデラーが打ったバックハンドがサイドラインを割った瞬間、試合に終止符が打たれた。この試合は雨で2度中断され、その都度、30分程の休止のあとに再開された。2度目の中断は、第3セットでティームがブレークを果たし、4-3とした直後に起こった。  ティームは決勝で、第7シードのフィリップ・コールシュライバー(ドイツ)と対戦する。コールシュライバーは、第2セットの途中で起きた、長い雨による中断を挟んだ準決勝で、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)を6-3 6-4で下して勝ち上がった。  フェデラーは今年、いまだタイトルを一つも獲れずにいる。彼は全豪オープンの準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れたあと、膝の手術を受け、背中の故障のため、全仏オープン出場を断念した。それでも彼は今のところ、世界3位の座をキープしている。

  一方、ティームは、今年すでに3つのタイトルを獲り、全仏オープンでは初のグランドスラム準決勝に進出。これでランキングは一気に、自己最高の7位にまで跳ね上がった。(C)AP