ワールドカップメンバーの多くがスコッドに復帰し、ライバル国との戦いに臨む日本代表が、タフなテストマッチ3連戦の初戦を白星で飾った。バンクーバーのBCプレイススタジアムで11日(日本時間12日)、世界ランキング18位のカナダ代表と対戦し、苦…

 ワールドカップメンバーの多くがスコッドに復帰し、ライバル国との戦いに臨む日本代表が、タフなテストマッチ3連戦の初戦を白星で飾った。バンクーバーのBCプレイススタジアムで11日(日本時間12日)、世界ランキング18位のカナダ代表と対戦し、苦しみながらも26-22で逆転勝ちした。

 先制したのは11年ぶりのジャパン戦勝利をめざしたカナダ。
 前半6分、ラインアウトからのアタックでFWが前に出て敵陣深くに入り、WTBテイラー・パリスがタックルを受けながらもインゴールに押さえた。
 その後、SO田村優がPGで3点を返したが、20分、カナダはゴール前のPKから速攻で近場を突き、HOレイモンド・バークウィルがパワーで押し切って2トライ目。

 3-12とリードされた日本だが、FL安藤泰洋がボールをもぎ取って力走するなどして活気づき、33分、ラインアウトからモールで押し込み、HO木津武士が反撃のトライを挙げた。

 そして前半終了前、テンポのいい連続攻撃でPGチャンスを得、田村が決めて13-12と逆転し、折り返した。

 しかしカナダは後半早々(45分)、ゲームをひっくり返す。ゴール前のスクラムから持ち出したNO8アーロン・カーペンターがトライラインに迫り、FWのパワープレー、主将のLOジェイミー・カドモアがインゴールに突っ込み、13-17となった。

 流れを変えたい日本は51分にPG成功で1点差。そして54分、連続攻撃でゴールラインに迫る。だが、密集に突っ込んだ代表初キャップのFL細田佳也のプレーが相手選手の頭部への危険なショルダーチャージとみなされ、レッドカードで一発退場となってしまった。

 14人になった日本。しかし、辛抱強く戦い、相手キッカーの不調にも助けられ、1点差のままゲームは進んだ。

 そして69分、日本はラインアウトからのアタックで、この試合が代表デビューとなったSH茂野海人がギャップを突いて抜け、FB松島幸太朗につないで逆転トライが生まれた。

 さらに、キック好調のSO田村が77分にPGを決め、26-17。

 しかし、ワールドカップ2大会(2007、2011年)で引き分けるなど、長年のライバルであるカナダは粘った。79分すぎにモールで押し込み4点差とすると、最後のアタックでフェイズを重ねて敵陣22メートルライン内に入り、ペナルティを得て、FWがピック&ドライブを繰り返してトライラインを越えた。が、CTB立川理道、LO谷田部洸太郎、日本代表デビューのWTBパエアミ フィポセチが懸命の守りでグラウンディングを許さず、直後、ノーサイドの笛が鳴り、日本が激闘を制した。

 日本代表は13日に帰国予定。そして、昨秋のワールドカップで唯一の黒星をつけられたスコットランド代表(世界ランキング9位)とテストマッチ2試合をおこなう。第1戦は18日、愛知・豊田スタジアムで開催される。