知将エディー・ジョーンズに導かれて再建し、シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)で13年ぶりに全勝優勝を遂げたイングランド代表が、南半球の強豪相手にも本物の強さを証明した。 オーストラリアに乗り込んでのテストシリーズ第1戦(6月11日/…

 知将エディー・ジョーンズに導かれて再建し、シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)で13年ぶりに全勝優勝を遂げたイングランド代表が、南半球の強豪相手にも本物の強さを証明した。
 オーストラリアに乗り込んでのテストシリーズ第1戦(6月11日/ブリスベン)。昨年のワールドカップで準優勝だった世界ランキング2位のワラビーズに挑み、39-28で逆転勝ちした。
 イングランドは序盤に連続トライを許したが、フィジカルを武器にゲームを支配するようになり、SOオーウェン・ファレルがゴールキックで24得点するなどして、自国開催ワールドカップのプールステージで苦汁をなめさせられた相手にリベンジした。
 エディー体制となってからのイングランドは、5月29日のウェールズ戦を含め、これで7連勝。まだ一度も負けていない。

 最初に主導権を握ったのはオーストラリアだった。敵陣で攻め続け、前半8分、FBイズラエル・フォラウの突破もあってゴール右に迫り、テンポよくリサイクルしてFLマイケル・フーパーが先制した。
 縦横無尽に、スピーディーに揺さぶるオーストラリアはさらに15分、SOバーナード・フォーリーが敵を引きつけてFBフォラウに渡し、ゴールドの15番がそのままゴールに持ち込み追加点。

 しかし、オーストラリアは28分の反則が痛かった。相手に2本目のPGを決められた直後、SOフォーリーが敵陣10メートルラインから抜け出してゴールへ走り切り、トライかと思われた。が、その前におとりのランナーにオブストラクションの反則があり、ノートライと判定される。
 すると、大きな傷を負わずにすんだイングランドは、PGで1点差とし、さらに31分、相手がパスを乱したところにプレッシャーをかけ、こぼれ球をCTBジョナサン・ジョセフが足でコントロールして確保し、逆転トライを挙げた。

 その後PGを1本ずつ決め 19-13でハーフタイム。

 流れを引き寄せたイングランドは46分(後半6分)、モールから持ち出したFLジェームズ・ハスケルがゲインしてゴールに迫り、右へ大きく展開してWTBマーランド・ヤードがトライを決めた。
 54分にはスクラムで優勢となり、コラプシングの反則を犯したオーストラリアのPRスコット・シオがイエローカード。オーストラリアに反則が続き、イングランドはSOファレルのブーツで29-13とリードを広げた。

 それでも、ホームで負けられないワラビーズは59分、ワイドに攻めてFLフーパーがファイブポインターとなり、PGで突き放された数分後には、ゴール前のスクラムから攻めてCTBテヴィタ・クリンドラニがトライを奪い、32-25とする。
 そして、78分にSOフォーリーのPG成功で4点差……。

 だが、ホームサポーターが歓喜する結果とはならなかった。残り2分で逆転をめざすオーストラリアはリスタート後、自陣でボールを継続したがノックオンでボールを失い、最後はイングランドのWTBジャック・ノーウェルがトライを決め、39-28でノーサイド。注目のテストシリーズ第1戦で笑ったのは、エディー・ジョーンズHCが率いるイングランド代表だった。

 第2戦は18日、メルボルンのAAMIパークでおこなわれる。