大学選手権9連覇中の帝京大は5月20日、東京・帝京大学百草グラウンドで関東大学春季大会・Aグループの3戦目に臨んだ。一昨季まで2シーズン連続で選手権決勝の相手となった東海大を69-7で破り、大会戦績を2勝1敗とした。

 すでに大差をつけていた後半39分ごろも、LOの秋山大地主将は自らの生きざまを示した。グラウンド中盤で敷かれた防御ラインの上で強烈なタックルを放ち、すぐに起き上がってさらにタックル。身長191センチ、体重111キロの巨躯を休まずに動かした。

「自分のプレーで見せることは、ぶらしてはいけない。厳しくやっていこうと思っています。(グラウンドで)寝ている時間をできるだけ少なくすることが、最終的にチームのディフェンスを強くするので、そこは意識しています」

 帝京大は序盤から陣地の取り合いで優勢に立ち、ボールを保持した際も効果的なラインブレイクを重ねた。

 前半5分には敵陣22メートル線付近でラックを連取し、FLの菅原貴人が先制トライ。続く10分にはPRの岡本慎太郎がグラウンド中盤から敵陣22メートル線付近まで突破し、右への素早い展開からCTBのニコラス・マクカランがインゴールを割った。14分、17分にも立て続けにインゴールを割り、24-0と勢いに乗った。

 帝京大はスクラムでもPRの淺岡俊亮が猛プッシュを連発。守っても48-0のスコアで迎えた後半14分、ハーフ線付近左中間でHOの李承爀らがカウンターラックで攻守逆転を決める。まもなく左へ球は回り、SOの北村将大がグラバーキックを放つ。最後はその球を拾ったWTBの竹山晃暉が自身2トライ目を決めた。

 東海大の1年生SOである丸山凜太朗は、天を仰いだ。

「(帝京大は)1人ひとりが強く、チームとしての考えが同じ(意思統一が取れている)。ターンオーバー後の攻め方とかで(そう感じた)。ディフェンスでも1人で飛び出してくる選手はいないし、組織で守っている感じです」

 10連覇への意識の表れか、試合後の選手からはトライラッシュ後にミスが生じた点などを反省する声が漏れた。例えば秋山主将は、「入りは皆のアタックする意識もあったのですが、そのあとに緩んでしまう時間帯があった。点を取ったことで、どこかで安心してしまう部分があったのかなと…」。もっとも岩出雅之監督は「だれないように頑張ろうと(している)ということは、だれているというわけではない」。試合を重ねるごとの進化を前向きに捉えた。

 4月30日には札幌ドームでの明大戦で、春季大会初の黒星を喫した。もっとも5月13日には百草グラウンドで大東大を38-17で撃破。今回の2連勝を受け、秋山主将はこう先を見据える。

「入りの緊張感を80分間、続けられるようにしていきたいです。チーム、個人として緩みなく、相手をリスペクトしてやり続ける」

 一方、これで大会2連敗となった東海大の木村季由監督は選手たちへゲキを飛ばしていた。

「皆、チャレンジャーとしてのマインドはそれぞれ作ってきているんでしょうけど…。チャレンジすることの本当の意味、それがどういうプレーにあたるのか、覚悟が何なのかがわかっていないのでしょうね。きょうはディフェンスの練習を一生懸命やっているんだからタックルを一生懸命する…とか」

 WTBのアタアタ・モエアキオラ主将ら多くの主力をけがや教育実習で欠くなか、出場選手への奮起をより促さんとする。丸山やWTBの望月裕貴といった新人や4年生CTBの永島春樹らを高く評価しながら、こうも続けた。

「厳しいことを言えば、このレベルで戦える選手とそうでない選手がはっきりしたのが収穫です。それをどう彼らに自覚をさせるか、です。苦しいところ、耐え時です」

 東海大は6月3日、神奈川・東海大グラウンドで慶大と大会3戦目をおこなう。かたや帝京大は同日、百草グラウンドで流経大とぶつかる。(文:向 風見也)